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南充浩 オフィシャルブログ

産地への公的支援は、今後ほとんど望めない状況に

2011年10月18日 未分類 0

 和歌山県の高野山のふもとに、高野口産地がある。
以前にも書いたが、フェイクファーやベロア、モケット、シェニール織り、カットパイルなど毛足の長い織物・編物の産地である。

おととしから経産省のジャパンブランドに認定され、今年度で最終年を迎える。
毎年3月に産地企業13社が集まって東京で高野口産地素材展を開催する。
ジャパンブランドなので現在、助成金が支給されているわけだが、来年4月以降はこの助成金が無くなる。

一例で高野口産地を採り上げたが、
ジャパンブランド認定されている産地はほかにも複数ある。
もちろんそれらには助成金が出ているが、ジャパンブランドの認定期間は3年であり、それ以降継続更新されることはない。

これまでは、経産省の助成金以外にも、都道府県別、市町村別の助成金や補助金があったのだが、
事業仕分けと震災の影響から、公的な助成金はほぼ無くなりつつある。
高野口産地で言えば、来年4月以降の助成金や補助金は、今のところあまり望めない状況にある。

これは高野口産地だけではない。ジャパンブランドの3年が終わったあとに公的な助成金が望めない産地は多々ある。というより、ほとんどの産地が公的な支援をアテにできない状況と言った方が正しいかもしれない。

あるコーディネーターは「あと3年間は公的な支援は無いと思った方が良い」とおっしゃっているが、個人的には3年どころか5年後も10年後も公的支援は復活しないと感じている。

そうなると、各産地は助成金や補助金をアテにできず、参加企業が少しずつ資金を持ち寄って、産地展示会を開催せざるをえないのだが、はたして各産地企業がそこまでの危機感を持っているかどうか。

参加企業数や展示会場の料金設定などにもよるが、産地展示会を開催するとなると、最低でも1社あたり30~50万円の支出が必要となるだろう。これをケチれば、これまで開催してきた産地展示会よりも見栄えが大幅にグレードダウンすることは間違いない。

「展示会は見栄えじゃない、展示する商品の出来栄えだ」という意見もあるが、
これだけ各ジャンルで見せ方が工夫されている状況下で、いきなり質素な展示を見せても、おそらく来場者の多くは興味を示さないだろう。

商品を「展示」する以上は、それなりの「演出」が必要である。
演出が必要ないのであれば、各小売店はもっと簡単に商品を販売することができるだろう。
「小売りと展示会は違う」とお考えの方も多いが、残念ながら同じである。
やはり陳列や演出が上手いところには、展示会でも多くのお客が来場するし、そうでないブースには立ち寄る客は少ない。

その後、話しこめば状況は逆転するかもしれないが、陳列や演出が優れているブースの方が、より多くのお客に立ち寄ってもらえる。ただし、商品の出来栄えが悪ければ、立ち寄ったお客が多くとも実質の受注には結びつかない。だから商品の出来栄えも大事なのだが、演出や陳列も重要なのである。

今年度、来年度以降、公的助成金・補助金が無くなってから、各産地はどのように発表の場を設けようと考えているのだろうか?

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