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南充浩 オフィシャルブログ

欠品することがファッション

2011年10月19日 未分類 0

 「欠品したことで売り上げが伸び悩んだ」

どこかで聞いたフレーズである。
単純に「欠品」というが、トレンドアイテムなのかベーシックアイテムなのかではだいぶと状況が異なると思う。
肌着や靴下、定番ジーンズ、定番ボタンダウンシャツのようなベーシック品はなるべく欠品させない方が良いと思うが、トレンドアイテムはむしろ欠品しても良いのではないか。

欠品しても良いというのは語弊があるが、在庫が売り切れた場合、短い期間で無理をしてリピートをするよりも素材を変えたり、色柄を変えて別品番を投入した方が良いと思う。
場合によってはデザインを一新しても良い。

そういう意味では、欠品にこだわるユニクロより、新しい商品を次々と投入する、しまむらの方がファッション的なスタンスにあると言える。
店頭のディスプレイがひどかろうが、什器が安物臭かろうが、店作りがチープ感に溢れていようが、しまむらの方がファッション店に近いのではないだろうか。

2006年に発行された月泉博さん著の「ユニクロVSしまむら」から引用してみる。

しまむらのMD政策で特筆すべきは、「リピート(追加仕入れ)不要。売り切れ御免」という独自の考え方だろう。
同社は期中の商品追加補充はいっさい行わない(自動発注による定番商品補充などは別)。
小商圏では機会損失の防止より、売り場の鮮度維持、変化訴求が優先されるべきとの考え方に基づく。藤原に言わせれば「変化こそファッション。だから機会ロスなんて発想がそもそもおかしい。逆に品切れすることこそ正しい」ということになる。

とのことである。

この売りきれ御免という発想はZARAやH&Mと非常に近く、しまむらは日本版のファストファッションを実現できる可能性がある。さらに言えば、ZARAやH&Mよりも商品の品質は高い。

欠品させないというユニクロの考え方は量販店や大手チェーン店と非常に近いと感じる。
肌着や靴下などの実用衣料ではそれで良いと思うが、アウター類やカジュアル衣料には適さない。
一時期、話題となった「ユニばれ」「ユニ被り」という現象が出てきてしまう。
あまりにも大量の同一商品を販売してしまうと、同じ柄のシャツを着た人が周りにたくさんいる、同じウルトラライトダウン着用者に一日に何人も遭遇する、という「ユニ被り」現象が起きる。

また、うまくミックスコーディネートしても「そのシャツはユニクロですね?」と見破られてしまう「ユニばれ」現象も起きる。

ZARAやH&M、しまむらが重宝される理由は「被らない」「バレない」ことにもある。

100億円前後の小売店が「欠品しない」をモットーにしているのなら構わないが、6000億円の小売店が「欠品しない」を心がけるということは、勢い定番商品が増えるということになる。
一説には、ユニクロのレディースボトムスは、現在23型にまで絞り込まれているという。
わずか23型である。その代わりに1型あたりの生産枚数は軽く20万枚を越える。

そうすると、単純に同じ色・同じ形のボトムスを穿いた女性が20万人以上量産されるということになる。
これではますます「ユニ被り」現象は促進されてしまう。

ユニクロは、あえて一部の品番については「売り切れ御免」方式を導入するべきだと思う。

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