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南充浩 オフィシャルブログ

今年のユニクロは昨年とほとんど同じに見える

2011年10月6日 未分類 0

 各社の9月度売上速報が発表された。

ユニクロの9月度売り上げは

既存店売上高が前年比10・7%減
既存店客数が同12・7%減
既存店客単価が同2・3%増

となり、前年実績を割り込んだ。
ユニクロ側は高気温だったことを理由に挙げているが、そうではないと思う。
売上高規模が違うにしても前年実績を上回っている企業もあるからだ。

マックハウスの9月売り上げは

既存店売上高が前年比7・5%増
既存店客数が同4・1%減
既存店客単価が同13・3%増

となっており、同じく気温要因で既存店売上高が伸びたという。
高気温だった前半は夏物の在庫が好調に動き、気温が下がった下旬は秋物が動いたとのことである。

ポイントの9月売り上げは

既存店売上高が前年比8・8%減
既存店客数が同13・3%減
既存店客単価が同5・2%増

ハニーズの9月売り上げは

既存店売上高が前年比10・9%増
既存店客数が同1・1%増
既存店客単価が同9・7%増

となった。
ハニーズは、前年が不振だったことから既存店売上が前年実績を上回ったという。
またポイントは前半の高気温で秋物の動きが鈍かったことを挙げている。

それぞれ基盤となる売上高の規模が違う4社だが、
マックハウスとハニーズは前年までの売り上げが苦戦しており、これが下げ止まり、または浮上しつつあるという状況にある。

さて、ユニクロだが、9月の商況が苦戦した理由として、売り場を見た印象では、
「この時期に買う物がなかった」のではないかと思える。

まず、9月20日ごろまでは気温が高かった。
夏物が求められていたと思うのだが、ユニクロの売り場にはその時期には、もはや「売れ残り感」丸出しの顔の悪い商品しか残っていない。新しく入荷しているのはウルトラライトダウン、ヒートテック、ラムウールセーターなど「冬物」ばかりである。これでは消費者の購買意欲はまったくそそられない。

9月20日以降の気温の低下によって、ユニクロの商品はある程度活発に動き始めたのではないかと思うのだが、そうなると「ベーシック特化」型の商品が多く、昨年以上に動きにくいのではないだろうか。

友人の奥様が「今年のユニクロの売り場は去年とほとんど同じ」という感想を述べられたが、一般消費者のこれが偽らざる本音ではないだろうか。
残念ながら筆者にも、今のユニクロの売り場は昨年10月とほとんど同じに見えている。
なぜなら、並んでるアイテムが昨年とほとんど同じだからである。

ウルトラライトダウン、無地のラムウールセーター、チェックのネルシャツ、フリース、ざっとこのくらいだろうか。
昨年とほぼ同じラインナップである。
もちろんネルシャツのチェック柄は少し配色が変更されているが、それほど変わり映えがしているわけではない。

先ほどから何度も「売上規模が違う」と書いているのだが、
ユニクロが単体で6000億円規模を維持するのであれば、この「ベーシック特化路線」で良いと思うのだが、国内1兆円構想に向けて、単体の売上高を1000億円上積みしようと考えるなら、ベーシック特化路線では不可能である。
今のユニクロでは、破損による買い替え需要しか見込めない。破損以外だと昨年と同じ商品の色違い・柄違いを購入するしかない。
例えば、無地のラムウールセーターを3枚所有していたとする。黒・グレー・薄いブルーだとしようか。
今年は、そこにオレンジを追加しようか、オリーブグリーンを追加しようか、という選択肢しかない。

まさか、ユニクロのラムウールセーターコレクターではないのだから、毎年全色買う人間などあまり存在しない。
ユニクロの服は「パーツ」であり、コレクティブな服ではない。
過去商品を「アーカイブ」としてズラリと蒐集して楽しんでもらうという性質はまったくもちあわせていない。

売上高をさらに上積みするなら、苦手と認めたトレンド商品・デザイン商品を小ロット多品種で打ち出すしかない。おそらく「究極の服」では上積みは無理であろう。あれはトレンドでもないしデザイン商品でもない。

その部分を強化・改良できないと、ユニクロが得意とする冬シーズンに突入しても前年実績からのさらなる飛躍はほとんど望めないだろう。

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