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南充浩 オフィシャルブログ

タビオの国産比率は97%

2011年10月5日 未分類 0

 先日、8年ぶりに靴下のタビオを取材した。
取材に応じていただいたのは企画の方と広報の方。

もともと国産にこだわって、製造されていることは知っていたが、
現在でも国産比率はなんと97%にも上る。
製品は奈良、和歌山、加古川の工場で製造されており、中国生産は3足1000円の商品だけだという。

その3%程度の中国生産品も、人件費の高騰や労働争議などの要因からメリットが見いだせなくなり、徐々に中国生産を減らしつつある。

以前、国内産地の参考事例として純国産で100億円以上の売り上げ規模を誇る、デニム生地製造の最大手カイハラのことを書いた。今回のタビオは靴下の製造小売り(SPA)を全国で展開しており、製品企業の国産品のあり方という点で非常に参考になる。

すでに業界紙だけではなく、経済誌や一般紙、経済テレビ番組にも盛んに採り上げられており、多くの方がご存知であることは重々承知している。

それにしてもいまだに国産比率が95%を越えているのには驚かされた。

繊維業界の国産品に対するシンポジウムでは、カイハラの貝原良治会長とタビオの越智直正会長が双璧で招かれることが多いのだが、なるほどと納得できる。

上場しているので、決算も公開されている。

2011年2月期は

売上高142億4100万円
営業利益3億9800万円
経常利益4億2600万円
当期利益1億5100万円

で微減収減益である。

しかし、この規模の会社がほぼ純国産で製品作りを続けているというところが凄いと感心させられる。

しかも商材は「靴下」である。
特殊な機能製品を除いては、だいたい1足数百円~という値段設定になっており、いわゆる「高額・高付加価値」商品ではない。1足630円としても、靴下というジャンルではやや高めかもしれないが、「超高級品」ではない。
それほどの粗利益があるとは考えられない。

また、靴下というアイテムはファッション要素もあるが、通常のトップスやボトムスに比べて損傷する度合いが激しく、定期的に破損する。このため、日常消耗品としての性質も色濃くある。

通常の理論では、「高額・高付加価値」商品を開発することで国内生産が可能になるとされている。例えば某ブランドが発売しているような何万円もするような高級ジーンズがその好例だろう。

ところがタビオは「中価格・デイリーユース」品を国内生産している。
販売先は直営店が大半で、一部にフランチャイズ店があり、一般の卸売りはほぼ皆無である。

このシステムを確立するまでには相当の苦労があっただろうが、普通の中価格帯の一般衣料品を製造しているアパレル企業でも、やる気と根気さえあれば十分に国内生産が可能ではなかっただろうか?
目先の利益に飛びついて安直に中国生産にシフトしただけではないのか?

しかし、このタビオも国内生産には課題が山積みだという。
生地工場と縫製工場で働く職人・工員の高齢化と人数減少であり、各産地の染色工場・整理加工場の廃業・倒産である。
これはタビオに限らず、国内の繊維製造業に共通する悩みである。

グローバルだ、アジアのゴールドラッシュだと浮かれ騒ぐのもけっこうだが足元をおろそかにしていては、道化のダンスに過ぎないのではないか。

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