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南充浩 オフィシャルブログ

客数30%減は危険な兆候

2011年9月27日 未分類 0

 ライトオンとジーンズメイトの9月度売上速報をまとめる。

ライトオン
既存店売上高が前年比1・3%減
既存店客数が同4・4%減
既存店客単価が同3・2%増

ジーンズメイト
既存店売上高が前年比17・8%減
既存店客数が同31・9%減
既存店客単価が同20・7%増

となっている。
ライトオンは明らかに下げ止まりの傾向であるが、ジーンズメイトの客数減には歯止めがかかる気配がない。

ちなみに しまむらグループの9月度売上速報は
しまむらの既存店売上高が前年比1・8%減
アベイルの既存店売上高が前年比3・7%増

となっており、堅調だといえる。

こうして見ると、ジーンズメイトを除く2社は先月までの堅調さをある程度維持していることがわかる。

ジーンズメイトは、客単価は上昇しているものの、客数減が大きすぎる。
毎回客数減への警鐘ばかり鳴らしていても仕方がないので、若者人口が減っているという現実を踏まえて、ある程度の客数減は当然という前提に立ってみたい。
人口が減っているため、客数は伸びることはないという視点で見ると、
客単価アップへの取り組みは正解である。

昨年までのジーンズメイトの商品価格が安すぎたともいえる。
それは、定価設定が低すぎたのではなく、処分在庫品を投げ売りしすぎていたというのが、昨年までの店頭を見た感想である。
この数年間、意外にジーンズメイトで購入した商品を多く所有している。
ただし、格安価格で購入している。

夏用の半袖シャツ、Tシャツ、ポロシャツ類を昨年も一昨年も買ったが、990円以上で購入したことがない。
最高で990円、安ければ590円で購入している。
また、昨日のブログでも登場した今年の正月に買ったダウンジャケットだが、2900に値下がりした時点で買っている。ちなみにこのダウンは7900円→4900円→3900円と値下がりし、期間限定で1000円引きされたので2900円で買うことができた次第である。

冬物のウールのセーターも990円に値下がりした時点で買った記憶がある。

さて、ジーンズメイトの単価増は20%前後なので、
例えば、これまで990円でセールしていたものを1200円で販売して購入してもらえれば、これで20%増である。590円の物は710円で、2900円の物は3500円で販売すれば達成できる。

こうして具体的に数字化してみると、販売することがそれほど難しい価格上昇ではない。
今春夏の店頭を見ると、昨年よりも投げ売り価格が減ったことがわかる。そのための客単価上昇であろう。

他方、客数減だが、若者人口が減少しているという背景を考えるなら、ある程度の減少は仕方がないのかもしれない。前年同数~5%減や10%減までは「当然」と見なしても良いのだろうか。
しかし、30%減が慢性化しているのは、危険な兆候であると言わざるを得ないだろう。

これは明らかに現状の店舗が消費者に支持されていない証拠だろう。
それは販売価格を20%上げたからではなく、店作りが今の消費者の志向に合致していないからである。
個々の商品がそれほど悪いわけでもない。ジーンズメイトの扱っている商品を個々で取りだしてみれば、それなりにデザインも良く、それなりに品質も維持されている。
ただ、それが集積すると何故か「良く」見えない。

ジーンズメイト本体が店作りを見直すことを期待したい。

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