タウンユース用防寒アウターに過度な軽量化は必要ない
2011年9月26日 未分類 1
通常の電車・バスによる通勤通学において防寒アウターの過度な軽量化は必要だろうか?という疑問が常々ある。なお、バイクによる移動や、自転車による長時間に渡る移動はこの範疇には含まない。
もちろん、本格的な競技向けスポーツや、1000メートルを越えるような冬山登山では、軽量化というのは一つの機能であることは承知している。服や靴などを1グラム軽くするだけで記録タイムが大きく変わったり、登山での疲労度が軽減されたりするからである。
今回、疑問を感じているのは、あくまでも日常生活的なタウンユースの場合である。
具体例を挙げると、ユニクロのウルトラライトダウンである。
昨年秋冬に発売されたウルトラライトダウンは206グラム、今秋冬商品はさらに改良を加えて199グラムであるという。
ウルトラライトダウンは本格的な競技用・登山用には不向きであり、あくまでもタウンユース限定である。バイク乗りに言わせると「寒すぎてバイク時の着用も不可能」であるという。
果たして、タウンユースにおいて7グラムを軽減することにどれほどの効果があるというのだろうか?わずか1円玉7枚分の重さを軽減したところで、タウンユーザーにはどっちでも良いことである。
まさか、7グラム軽くなったことで、通勤時における疲労度が圧倒的に改善されるようなことはありえないだろう。
じゃあ、全般的にどれくらいの重さだと防寒アウターは「重い」と感じるのだろう?
さっそく手持ちの防寒アウターを計量してみた。
まず
ユニクロの「ライトダウンジャケット」
今の「ウルトラライトダウン」が発売される前の商品である。
重さは500グラム
今年正月に購入したジーンズメイトの軽量ダウン
ちなみに価格は2900円にまで値下がりしてから買った。
重さは385グラム
2008年にファミリーセールで購入した「クロコダイル」の軽量ダウン
重さは375グラム
もうひとつ。
昨年秋に息子用にジーユーで購入した薄手のダウンジャケット
重さは310グラム
だった。
手持ちの中で最も重いと感じられる防寒アウターも計量してみる。
2000年のそごう心斎橋本店の閉店時に、閉店セールで買った「フォーバーズ」のロングコート
厚手のヘリンボーンツイードで織られており、丈の長さはひざ丈を越える。
ずっと重いなあと感じていたのだが、計ってみると
2キログラム
もあった。重いはずだわ。
知り合いのデザイナーさんからいただいた10年以上前の「グレンフェル」のロングダッフルコート
これも2キログラム
2007年ごろに買った「無印良品」のショートダッフルコート
これは少し軽くて愛用していたのだが、
1キログラム
だった。
なお、家庭用の計量秤を使用したので多少の誤差はあるかもしれない。
さてさて、ダウンジャケットは4種類計量してみたのだが、
そのどれもが手に取った感触で「重い」と感じた物はない。
ウールのコートは3種類計量してみたが、
「フォーバーズ」「グレンフェル」(各々2キログラムずつ)は明らかに手に取った瞬間に「重い」と感じ、
「無印良品」(1キログラム)は「まあこんなものか、ダウンよりは重いがそれほど苦にするほどでもない」という感想である。
この計量結果を踏まえると、
500グラム以下(500グラムも含まれる)のアウターの重さは、それほど気にならない方が多いのではないかと推測される。
残念ながら600グラム~900グラムの防寒アウターの手持ちがなかったため、どこからが「重い」と感じる境目なのかは今回は探求できなかった。
「ウルトラライトダウン」は昨年時点で重さが206グラムであるため、今秋冬商品で7グラムを軽減する必要はなかったのではないだろうか。
もっとも、毎年何かしらをバージョンアップさせるのがユニクロの姿勢であるため、7グラムの軽量化もその一環であることは重々承知している。
しかし、バージョンアップを図るのであれば、7グラムの軽量化よりも保温性とかウオッシャブルなど他の機能性に目を向けるべきではないだろうか。
冒頭にも書いたように、本格的な競技用、本格的な登山用であれば7グラムの軽量化は大いに取り組むべき課題である。しかし、ウルトラライトダウンの用途はタウンユースに限られている。あれを着て1000メートル級の冬山登山に臨むのは自殺行為である。
タウンユース用の防寒アウターであれば、500グラム以下の総重量は、ほとんど気にならないし過度に軽量化しても着用者に何の効果もない。
意味のない7グラムの軽量化は、まさに売るための「販促用語」に過ぎないのではないかと疑っている次第である。そして、ユニクロにはこの「販促用語」が溢れており、物事の本質をごまかしているとも感じられる。
ユニクロの「ウルトラライトダウン」に追随して、低価格ゾーンの他社アパレルでも過度な軽量化追求の動きを目にすることがある。元来、タウンユースとしてしか着用できない低価格ゾーンの防寒アウターに過度な軽量化はまったく必要ない。400グラム前後をキープすれば十分である。
「ユニクロが199グラムなら、うちは185グラムだ」などという過度な競争は製造コストを下げるだけの方便にしか聞こえない。200グラムを切ったタウンユース用のアウターを、そこから7グラム下げようが、15グラム下げようが利用者にはまったく何の着用メリットもない。
むしろ詰め物が減った分だけ防寒性がおろそかになっているのではないかとさえ思う。
他社が、無意味な「アウター軽量化過当競争」に参加しないことを望んでやまない。
えー 私的にはですね
軽いと頼りないし、重みが防寒に役立ってるとも思うんですよね!
掛け布団の羽毛も使いましたが軽くて頼りなくて
結局普通の掛け布団に戻しました。