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南充浩 オフィシャルブログ

秋物からの値上げを撤回したハニーズ

2011年7月20日 未分類 0

 以前、今秋物から衣料品の価格が少し上がる方向にあると書いたことがある。
しかし、今夏のセールを見ていると、安値競争も極致にあるように思える。
例えば、期間限定出店とはいえ、心斎橋ビッグステップ1階にパルグループのアウトレット店がオープンした。
そこでは当初、3枚3000円で昨年春夏物が販売されたが、6月下旬からは3枚1990円とさらに値下げされた。

またユニクロではアニメや芸能グループとコラボレーションした半袖Tシャツが次々と値下げされて、最終的には1枚500円で販売されているし、無印良品でも1990円の50%オフとか、店舗によって異なるが、春物70%オフなどの商品が溢れている。

こういう状況に消費者が慣れきってしまっているところに、秋物からの値上げは受け入れられるのかどうか、かなり疑問を感じる。

7月7日の繊研新聞に「ハニーズ 価格は上げられず1980円商品再強化」という記事が掲載された。
今年3月にハニーズは「原材料高騰のため、秋物から主体だった1980円の価格帯を2480円にシフトしていく」と公表した。しかし、その後の既存店大幅客数減から一転して「1980円価格帯を維持する」ことを決めたという。

たしかに、月次売り上げ発表でもハニーズは、苦戦を続けており、既存店売上高・既存店客数ともに大幅に減っている。一方、同じカジュアルチェーン店でもあまり売上高や客数が減っていない企業もあり、ハニーズは明らかに苦戦組に入っている。
今回の「1980円維持」の決断もやむなしというところだろう。

ただ、逆説的に考えてみると、
1980円を2480円に値上げしたからと言って、客数がさらに何割も減るだろうか?
ハニーズは、今現在1980円を維持しているにも関わらず客数が20%近く減っているのである。その価格を秋以降維持したからと言って、客数が増えるのだろうか?良くて現状維持ではないか。

現在、日本の衣料品販売価格は世界一安いと思う。
その割に物性品質は高い。同じ価格帯ならH&Mやフォーエバー21などは日本ブランドの足元にも及ばない。
安値競争に警鐘を鳴らす際に「値段を下げたからといって、売れる枚数が2倍に増えるわけではない」という言い方をされることがある。
たしかにその通りで、ユニクロが1500円のTシャツを500円に見切り値下げして、そのTシャツを3枚買う人がいるだろうか?おそらくほとんどいない。たいがいの人は1枚か2枚しか買わない。ところがこのTシャツは2枚販売しても1000円で、定価よりも500円安い。
500円Tシャツは4枚まとめ買いするお客が増えて、初めて「値下げによる販促効果が表れた」といえる。

となると、ハニーズが500円値上げしたことによって、
客数が今よりも何割も減るとは思えないし、販売枚数が大きく下がるとは思えない。
むしろ、価格以外の「何か」を訴求したり、仕掛けたりして2480円でも今と同等の客数を維持することを考える方が効果的ではないか。
その「仕掛け」とは、年初に放送されたような意味不明なテレビCMではないことを蛇足ながら付け加えておきたい。

以前、某団体の役員が「マスコミが衣料品値上げキャンペーンを張るべきだ」と主張されたことがあるが、
マスコミがキャンペーンを張るのではなく、衣料品業界が一丸となって値上げキャンペーンを展開するべきなのである。そうでなければ、衣料品の価格は永遠に上がらないだろう。

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