ジーンズ生産数量が減り続ける理由
2011年7月21日 未分類 0
昨日、日本ジーンズ協議会から2010年度のジーンズ生産統計が発表された。
例年だと秋以降の発表になるので、今回は予想外に早い。
ボトムス合計数量は4591万本で、
2009年の5063万本よりも約500万本減産している。
内訳をみると、
ブルージーンズが2425万本
カラージーンズが1564万本
ショートパンツ・スカートが602万本
で合計4591万本となる。
http://www.apparel-mag.com/pdf/papers/p005_jeanstokei_2010.pdf
先日もこのブログで書いたように、
ボトムス合計の生産数量は2006年から比べても2000万本以上減産している。
http://blog.livedoor.jp/minamimitsu00/archives/2873264.html
ボトムス合計で生産量が最も多かったのが、1998年の7614万本である。
またブルージーンズだけの生産量が最も多かったのは、 2005年の4945万本である。
1998年のボトムス合計が多いのは、この当時カラーストレッチパンツブームだったことから、カラージーンズの生産数量が増えたためで、カラージーンズブームは2000年まで続く。
またブルージーンズの生産量がピークとなる2005年はプレミアムジーンズブームで、レディースの生産本数がズバ抜けて多い。ちなみに2005年のレディースブルージーンズの生産数量は3010万本であり、メンズの1708万本の約1・5倍の数量を生産している。
そして大きく生産数量が減るのが2008年であり、その理由は、プレミアムジーンズブームが終了したことに加えて、ジーンズのOEM/ODM生産が主流となり、ジーンズ協議会非加盟企業が多数ジーンズを扱いだしたことによる。
以前にも書いたが、日本ジーンズ協議会に加盟しているジーンズ専業アパレルは、10社ほどであり、ユニクロ、しまむら、ハニーズ、ポイント、無印良品、ウィゴーなど低価格ゾーンを大量生産販売しているSPA企業の生産数は、毎年の生産統計に反映されていない。
また専業アパレルでもボブソン、ブルーウェイ、ドミンゴも非加盟であり、ジーンズカジュアルブランドとして確立した感のあるジョンブルも加盟していない。
もちろんエヴィスや東洋エンタープライズ「シュガーケーン」、ウェアハウスなどビンテージ系のブランドも加盟していない。
さらに量販店向け大手ジーンズメーカーであるカイタックインターナショナル、コイズミクロージングも加盟していない。
おそらく、これら非加盟企業のボトムス全体の生産数量は4000万本以上に上ると推定される。
来年後半に発表される2011年ジーンズ生産統計では、生産数量はさらに減少し、非加盟企業の推定生産本数がさらに増えると考えられる。おそらく2011年度統計では加盟企業と非加盟企業の生産数量は逆転するのではないだろうか。
以上から、ジーンズ生産数量が減少している理由は、
ジーンズブームが去ったから
日本ジーンズ協議会の非加盟企業が力を持ち始めてきたから
という二点に集約される。
正直申し上げて、すでに「日本ジーンズ協議会」という枠組みそのものが現状に即していないのではないかと思う。
日本ジーンズ協議会が現状に即した組織となるためには、先述したユニクロを筆頭とするSPA企業や、ビンテージ系のブランドなどを加盟させる必要があるのだが、果たしてそれを古参の加盟企業が認可するかどうか。