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南充浩 オフィシャルブログ

製造業のディスプレイ下手

2011年7月19日 未分類 0

 国内の大型展示会と言えば、東京ギフトショーや今週始まるIFF(インターナショナルファッションフェア)がある。
IFFよりも、東京ギフトショーの方が、大がかりな造作のブースが多い。
ジャングルみたいに植物を植え込んだものや、アドバルーンを上げたものなどさまざまである。

展示会の出展ブースは派手な飾りつけを行えば行うほど、費用は高くなるので、派手に飾りつけているブースに対して「もったいない。金の無駄やで」と揶揄する方々も多くいらっしゃる。
一方、シンプルすぎる出展ブースも多々ある。
ハンガーに衣服をチョロッとかけただけとか、棚に一列陳列しただけとかで、まことに味気ない。
よく言えば「質実剛健」とか「剛毅木訥」なのかもしれないのだが。

さて、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)という概念がある。
VMDに関しては大家が多くいらっしゃるので門外漢が多くを語ることは避けようと思う。というか積極的に避けたい!

下記のHPにVMDの基本概念がわかりやすく書かれており、参考にさせていただいた。

http://www.f-biz.net/kiso01/kisotisiki004.html

ここに消費者が購入を決める際の心の変遷に順番が書かれているので引用させていただく。

①Attention(注意):「あっ、何かしら、気になるわ。」

  4~8mの距離なので、が決め手になる。

②Interest(関心):「まあ、ステキ!ちょっと覗いてみよう。」

  2~4mの距離なので、デザインが決め手になる。

③Desire(欲求):「コレいいな、欲しいな。」

  1~2mの距離なので、素材感が決め手になる。

④Memory(記憶):「どんな服と合うかしら、でも、ちょっと他の店も見てみようかな。」

  45㎝~1mの距離なので、着まわし感が決め手になる

⑤Action(行動):「やっぱりコレにしよう!コレください!」

  45㎝以下の距離なので、着心地感が決め手になる

という順番になり、遠くからの認知は一番最初は色である。ここには柄も付け足して良いのではないかと思う。
色柄で認知して、さらに近付いて衣服のデザインを知覚する。
その後、さらに近づいて素材感(織り、編み、表面感などなど)を知覚する。
着まわし感というのは、頭の中で「手持ちのあれとあれをコレに組み合わせて~」と考えることであろう。
最後の着心地は、試着してみないとわからない。45センチ以下というよりは、試着して密着した距離であると考えた方が良いだろう。

こう考えてみると、展示会のブース作りも同じで、
まず最初に遠くからでも分かるような色柄や目立った造作が必要となるといえる。

ところが、多くの国内企業は
「うちの商品は触ってもらえればわかる」というスタンスを採っており、
これでは、なかなかお客を集めることは難しい。
なぜなら素材感がわかるためには、1~2メートルにまで近づいてもらう必要があるからだ。
言ってみれば、先の5条件のうちの③番からいきなり始めているようなものである。

これは海外展示会の出展にも通じることであり、シナジープランニングの坂口昌章さんによると
「海外展示会こそ、ブースの造作も含めた遠目からでも分かる演出が必要となるが、国内企業の多くは、ディスプレイをないがしろにし過ぎている」
とのことである。

普段交流させていただいている国内生地製造企業は、フランスのプルミエールヴィジョン(PV)や香港や上海の海外展示会にも出展されるケースが多い。
果たしてブースのディスプレイにも気を配っておられるだろうか?
生地を触ってもらうためにはブース全体の飾りつけも大いに影響する要素であるし、
また、自慢の生地にしても白無地や黒無地ばかりでは、触ってもらうには至らないことも指摘したい。
売り物である生地もやはり、最初に遠目から認知されるのは「色柄」である。
いかに、目を引く特徴的な色柄の生地を開発できるかという点も、展示会で成果を得るためには重要である。

国内企業が、海外の大型展示会で勝ち抜くためには、色柄提案やブース全体のディスプレイからの改善が必要といえる。

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