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南充浩 オフィシャルブログ

年間売上計画が高すぎるJR大阪三越伊勢丹

2011年6月8日 未分類 0

 大阪市内の大型商業施設のオープンラッシュから1カ月が経過した。
売上が順調といわれているのは、ルクアと阿倍野キューズモール。
大丸梅田店も好調だと聞く。
小型ながら「ヌー茶屋町プラス」もほぼ計画通りなので堅調といえる。

また意外なことに阪急メンズ館は好調を維持している。

評価が分かれているのが、JR大阪三越伊勢丹。

上記の5つは誰に聞いても「好調」との答えが返ってくるが、
JR大阪三越伊勢丹は「そうでもないらしい」という答えが半分以上含まれている。

ある商品作り関係者は「メンズフロア全体の初日の売上高は、予算の半分強だった」という。
またある商業施設関係者は「1カ月の売り上げは予算の6割程度と聞いている」ともいう。

たしかに入場客数は多いが、
計画予算どおりに売れていないのであるなら、見物客が大半だったといえる。

しかし、ここでJR大阪三越伊勢丹とルクアの初年度売り上げ目標を見てみると、
JR大阪三越伊勢丹が550億円、ルクアが260億円である。
現在、テナント関係者によるとルクアは「1日あたりの全館売上高が1億円ペース」というから、
単純計算すると、1億×30日=30億円(1カ月あたり)
           30億×12か月=360億円(年間売上)

となる。
開店当初のペースが年間持続することは珍しいので、
少し割り引くと、ルクアの初年度は300億円弱に落ち着くのではないか。
それでも売上目標を40億円上回ることとなる。

一方、JR大阪三越伊勢丹を計画比60%程度の売れ行きだとすると、
           550億×0・6=330億円

となり、少なくともルクアと同程度は売れるのではないか。

こうして考えてみると、JR大阪三越伊勢丹の売り上げ目標の設定が高すぎたのではないだろうか。

以前にも書いたように、
JR大阪三越伊勢丹は、陳列手法には見るべき物があるが、
ブランドのラインナップや品ぞろえはまったく目新しさはない。
年配層に向けてかなり保守的・安全的なブランドをそろえている。
(そろえざるを得なかったという側面もある)

ブランドのラインナップから言えば圧倒的にルクアが優れている。

「ファッションの伊勢丹」というイメージがあるが、伊勢丹が強いのは新宿店だけである。
地方店はからっきし弱い。京都店が例外中の例外だろう。
もし全国的に平準化したオペレーションする能力があるなら、吉祥寺店も小倉店も撤退するような状況には追い込まれていないはずである。
今回のJR大阪三越伊勢丹の保守的なラインナップを見ると、伊勢丹よりも三越の屋号の方がふさわしかったのではないだろうか。
それに元々は、北浜から撤退した「三越」になるはずだったものであり、
逆に急きょ「伊勢丹」にシフトチェンジした経緯がある。

もう一度、JR大阪三越伊勢丹の年間売上計画を見直してはいかがだろうか?

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