マス層の興味はファッション衣料よりもエンタメへ
2026年4月1日 トレンド 0
入荷から短期間で完売する人気アイテムはいくつかあるものの、かつての「〇〇ファッションブーム」みたいに、ファッション店舗の前で長蛇の行列ができることは少なくなった。
完売人気アイテムという概念はいまだに存在はするものの、経営効率を高める観点から各社・各ブランドともに商品計画の精度を高めており、機会損失よりは売れ残りの処分値下げを警戒して、少なめに商品を仕込んでいることも原因の一つになっているのではないかと思われる。
ファッション店への長蛇の列は見かけなくなった代わりに、エンタメ系への参加者はすごい勢いで増えている場合が多い。
例えばこのコラム。
なぜ鈴鹿のF1は、3日間の来場者数が1年で5万人も増えたのか? – WWDJAPAN
昨日までの3日間は、三重県・鈴鹿市でF1日本グランプリの取材(というより、ほぼ観戦w)をさせていただきました。来場者は、3日間で31万5000人。昨年よりも5万人弱増えたと言います。鈴鹿や三重県で宿を取ることは難しく、多くのファンや関係者は名古屋、もしくは京都から名古屋を経由して鈴鹿に通います。行きも帰りも、車は大渋滞。
とある。
3日間合計で昨年よりも5万人弱増えたということは平均すれば1日あたり1万5000人強が増えたということになる。1万5000人増えたら会場近辺は結構すごいことになっていただろう。
余談だが、当方が大学生のころ30年くらい前のことになるが、F1ブームがあって、地上波テレビでレースが週に何度か放送されている時代があった。
当方はペーパードライバーであるくらいに自動車にさっぱり興味が無いのだが、周囲の友人たちが熱心に観ていたので、試しに観てみた。
自動車にさっぱり興味が無い当方にとっては全く面白くないのでそれ以来観るのもやめている。
当方の感覚で言うと、F1自動車が同じコースを何週もぐるぐる廻っているいるだけで正直眠くなってくる。ファイナルラップは盛り上がるらしいが、ファイナルラップにたどり着くまで自動車グルグルを見続ける気力と興味が当方には無い。
そんなわけでいまだにF1レースの何が面白いかさっぱりわからないのだが、観客数が一気に5万人も増えるということはそれだけ支持が厚くなっているということだけは理解できる。
先日、WBCが始まる前に、京セラドームで強化練習試合が何試合か組まれていた。3月上旬のことだ。
野球の試合結果はほぼ全てチェックしているが、試合をテレビで観ることはあまりない。阪神の優勝決定戦とか日本シリーズくらいである。
そんな時、もう20年来交流のある東京の知人が、京セラドームでの4試合を観戦するためにわざわざ来阪するという。すごい熱意だなと感心していたが、同行する人がダメになったとのことで、1試合だけ代わりにお付き合いさせていただいた。
韓国代表VS阪神タイガースという練習試合で、月曜日の昼12時に試合開始である。
侍ジャパンとの練習試合とは異なり、この試合はネット中継すらないし、ネットのテキスト中継も無い。何なら試合があるという告知すらほとんど見かけない。平日月曜日の昼12時ということで、当方は「客入りはせいぜい5000人くらいだろう」と高をくくって出向いたわけだが、球場に入ってみて驚いた。予想以上に客が入っていて、スタンドはどうだろうか体感的に3分の2くらいが埋まっていた。

これにはびっくりした。
試合終了後、隣接するイオンモールは球場帰りの客でごった返していてすごいことになっていた。
帰宅後、インターネットで入場客数を調べるとなんと17000人強だったと発表されていた。月曜日の昼12時に17000人も集まったことに驚いた。しかも告知も少なくテキスト中継すらない練習試合である。
これらのスポーツ観戦もエンタメだとするとマス層のエンタメに対するニーズは極めて高い。
以前にも書いたが、一時期は「コスパの悪い映画館なんて誰も行かなくなる」とまで言われていたが、コロナ明けから興行収入100億円越えの映画が相次いでいる。
特に2025年は特大ヒット作がたて続けに生まれていて「国宝」が200億円、「鬼滅の刃」が400億円、「チェンソーマン」が100億円を記録した。
もっとも、エンタメであれば何でもヒットするというわけではない。客入りがガラガラのライブもあるし、興行収入が低すぎて大爆死した映画も多数ある。
マス層の興味は明らかに「エンタメ>ファッション衣料」といえる。
純然たるファッション提案だけでは衣料品は売れにくくなっていて、エンタメやエンタメの中でもサブカルとの組み合わせが好調を維持しやすい状況にあると感じられる。
例えば、上場以来メディアに注目されているヒューマンメイドだが、その好調要因は様々考えられるが、その一つがサブカルを取り入れたことだとされている。好調要因についてはまた後日にこのブログでまとめてみようと思っているが。
NIGO氏創業のHUMAN MADE、上場初日13%高-サブカルから世界へ – Bloomberg
青山学院大学の中野香織客員教授は、ヒューマンメイドの新規株式公開(IPO)は日本のストリートカルチャーがサブカルの域を超え、「資本市場で価値ある事業体として認定された象徴的な出来事」とみる。
と指摘されている。
個人的にはポケモンなどのキャラクターとのコラボ商品が無ければヒューマンメイドがここまで売上高を伸ばすことはなかっただろうと見ている。
先日、映画製作やアニメ制作などを手掛ける東北新社がTシャツブランド「グラニフ」を買収した。
グラニフはプリントTシャツを得意とするから東北新車が抱えるキャラクターやエンタメ番組とのコラボTシャツを容易に企画・販売することが可能である。
買収とはいかないまでも今後はこのようなエンタメ産業によるアパレル企業の活用法は確実に増えるだろう。
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