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南充浩 オフィシャルブログ

ビットコインに参入したアパレル各社の厳しい株価

2026年3月6日 企業研究 0

世間では詐欺っぽいと感じられる暗号資産「サナエトークン」に注目が集まっているわけだが、金融庁が動き始めており、かなり厳しい追及がなされそうなのでその行く末を見守りたいと思っている。(今回は金融庁を強く応援している笑)

 

暗号資産というと最も著名なのがビットコインだと思われるが、現在のところ、そのビットコインも6か月連続下落に直面しようとしている。

ビットコイン、2018/19年以来初の6ヶ月連続下落に接近 | Phemex News

 

そんなビットコインに相次いで参入しているのがアパレル企業なのだが、参入した各社の決算や株価はなかなか悲惨な状況に陥っている。

ただ、今回の株価低迷はビットコイン下落に加えてアメリカによるイラン侵攻の影響も大きいが、最も後発にビットコイン参入を表明したダイドーリミテッドはその翌営業日から早速株価の大暴落が始まっている。

ダイドーリミテッドが21%急落でストップ安 配当半減、優待見直し、ビットコイン投資に失望売り

加えて市場の注目を集めたのが、最大10億円のビットコインの購入方針だ。インフレや円安リスクへの対応、資産ポートフォリオの多様化を目的としているが、本業であるアパレル事業との関連性が見えにくいとの見方もあり、財務戦略への評価は分かれている。

 

とのことで、常々投資家の判断基準は当方と大きく異なるために理解に苦しむことが多かったが、今回のビットコインへの懸念は当方も全くの同意見である。

 

 

で、イラク情勢は予断を許さず、その後も株式相場全体が不安定なことは前提としつつも、ダイドーリミテッドはさらに株価が下落している。暴落と言ってもよいだろう。

「ニューヨーカー」展開のダイドー株が2日で46%急落 減配ショックとビットコイン戦略に市場動揺か

ダイドーリミテッドの株価が急落した。3月3日の東京市場で前日比265円安(マイナス24.77%)の805円まで売られ、2日続落。前日のストップ安に続く下落となり、わずか2日間で46.67%安と、異例の急落劇となった。

加えて、市場の評価が分かれているのが最大10億円規模のビットコイン購入方針だ。インフレや円安リスクへの対応、資産ポートフォリオの多様化を目的とするが、本業であるアパレル事業とのシナジーは見えにくいとの指摘もある。財務戦略の転換と映る一方、株主還元の縮小と同時発表となったことで、不安心理を強める結果となった。

 

とのことで、その後、3月6日現在でも低迷した株価は横ばい状態を続けている。

 

一言でまとめるとビットコイン参入は完全な裏目に出てしまったといえる。

 

 

 

ダイドーリミテッドに先んじてビットコイン参入したアパレル企業は主要なところで、ANAP、ジーイエット(旧マックハウス)、ビットコインジャパン(旧堀田丸正)の3社が挙げられるが、いずれも株価は低迷し続けている。

高騰することもあるが暴落することも多々あるビットコインという商材に突っ込むことがハイリスクであることは、当方ごときド素人から見ても明らかであり、そんな会社の株式を買おうとは思えなくなるのは極めて当然の心理ではないだろうか。

当方からするとなぜそんなハイリスクな商材にわざわざ突っ込むのか理解に苦しむ。

 

 

 

 

ただ、当事者的立場で考えてみると、上に挙げた4社はいずれV字回復できるようなブランドや商材を持っていない。もちろん、ダイドーのニューヨーカーやブルックスブラザーズは強いブランドだし、傘下のモモタロウジーンズも一定規模のブランドである。しかし、V字回復できるような「勢い」のあるブランドかと問われるとそれは無い。堅実に現状維持から微増が現実的な予想だろう。ANAP、ジーイエット、ビットコインジャパンに至っては、その「堅実なブランド力」すらあるかどうか怪しい。

そうなると、必然的に何か「飛び道具」を求めたくなるのは当然の心理で、その「飛び道具」としてビットコインを選んだのだろうと思われる。まあ、当方なら飛び道具としてもビットコインは選ばないのだが。

 

 

 

先日、20年来の知人であるベテランのアパレル関係ライターに久しぶりにお会いした。東京を拠点に活動しておられ、当方ごとき場末の人間とは異なり、大手メディアにもそれなりに露出のある同年配の方だが、雑談がてらに「なぜ、わざわざハイリスクなビットコインに参入するアパレルが続出しているのか?」と尋ねてみた。日常的に他人との接触が無い当方としては他人の意見も聞いてみたかったわけである。

そうすると、当方と同じ見方の答えが返ってきた。「本業の洋服で大きく売上高の伸ばしにくい環境だから暗号資産に手を出したのだろう」と。

 

 

 

現在、よく報道されるように衣料品市場は「ユニクロ一強」である。まあ、もう少し正確にいうとユニクロ、しまむら、ジーユーが圧倒的に強く、それに続くのがアダストリア、無印良品、ワークマン、パル、ユナイテッドアローズなどとなっており、これらの売り上げ上位10社で市場の7割を寡占していると報道されている。非上場ながらビームスも売上高750億円内外と伝えられており、寡占大手の一画を占めていると思われる。

マス層からすれば、大手低価格ブランドと大手セレクトショップチェーンの2つの販路で事足りてしまい、例えば伝統あるニューヨーカーやブルックスブラザーズに急激にシフトすることは考えにくい。そのため、ダイドーに限らず、「良くて微増、現状維持が当たり前」という商況が続かざるを得ない。

 

企業業績を成長させようとすると、畢竟、「衣料品以外の何か」が必要という結論に至ることは当然である。ただ、その「何か」がビットコインという判断だったといえる。

だが今のところ、ビットコインは逆効果しか生んでいない。ハイリターンは無いだろうが他の金融商品にした方が賢明だったといえるだろう。

 

 

 

 

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