2年目が終わろうとしている新生トップバリュコレクションの売り場を見た感想
2026年1月30日 売り場探訪 1
先日、用事があって大阪・大日へ行った。
大日には数えるほどしか行ったことがない。そういえば、大学の同級生で日本拳法部か何かに入っていて、下駄ばき通学していた男が大日に住んでいたということを思い出した。彼は今どうしているのだろうか。
大日に行ったついでにイオンモール大日を覗いてみた。当方はペーパードライバーなため、イオンモールには普段からあまり行かない。駅近隣のイオンモールもあるが、京都駅近隣のイオンモール、桂川駅近隣のイオンモールなどがあるが、京都には仕事でいくこともないし、京都観光が嫌いなので当然イオンモールにも行かない。多分自発的に行くことは死ぬまで無いだろう。

当方が最も行きやすいのが、イオンモール大阪ドームだが、大阪ドームにも行く用事が無い。あと関西で駅近隣というと、京都府と奈良県の県境にあるイオンモール高の原くらいしか思いつかないだが、これも用事が無いので行くことも無い。
そんなわけで今回は大日駅前のイオンモールを観察する絶好の機会だったわけである。
イオンモールをひとしきりまわってみた感想だが、めちゃくちゃに広い。1フロアが広大で歩くだけでかなりのウォーキングになる。
イオンモールの中で、トップバリュコレクションの売り場を目にすることができた。実はトップバリュコレクションが刷新されてから、新しい売場を一度も見たことが無かったので、ありがたい機会だった。
トップバリュコレクション刷新については、2024年3月に各メディアから一斉報道されている。例えば、これ。
イオン、衣料ブランド「TVC」に刷新 今期売上高7倍へ – 日本経済新聞
イオンの総合スーパー(GMS)子会社のイオンリテールは8日、イオンの衣料品ブランド「トップバリュコレクション」を新ブランド「TVC」に刷新したと発表した。30〜50代のファミリー層を照準にシャツやパンツなど普段使いのカジュアル衣料を取りそろえる。北海道や九州地方などを除く全国の「イオン」「イオンスタイル」289店舗で販売を始め、25年2月期にTVCの売上高を7倍に増やすことを目標とする。
イオンリテールは3月、カジュアル衣料品の企画や開発部門を同社の子会社トップバリュコレクション(千葉市)に移管し統合した。両社で開発していたカジュアル商品の重複をなくし効率化を図る。TVCの取扱店舗は従来の82店舗から289店舗まで増えた。TVCの売上高は24年2月期比で25年同期に7倍、29年同期に10倍まで増やす計画だ。
というのが概略である。
刷新後、もうすぐまる2年になろうかというタイミングである。ちなみに「TVC」というブランド名とロゴは何度見ても「テレビチャンネル(TVChannel)」の略にしか見えない。(笑)

一部の識者からは「良い商品も中にはあるがそれが消費者にキチンと周知できていない」という評価があるので、興味津々で店構えと気になる商材をいくつか売り場で調べてみた。
ここからは当方の「テレビチャンネル」、「TVC」の売り場と商品とブランドイメージの感想である。
売り場作りとしては、平場コーナーとしてはかなり頑張っていると感じる。一応、あくまでも一応はショップ感も表現できていて、もうすぐ終了してしまうイトーヨーカドーの「ファウンドグッド」の平場感満載の売り場作りよりは格段に良いと思う。ただし、あくまでも「一応ショップ感」で他のテナントショップと比べると平場感はぬぐい切れない。
総合的な品揃えではメンズはユニクロと青山とジーユーを足して3で割った感じがある。
各記事でも報じられていたようにベーシックカジュアルを重視しているという点では商品デザインはユニクロ感がある。一方ビジネスウェア(スーツ、ワイシャツなど)は青山商事、Aoki、タカキューあたりの雰囲気がある。

特筆すべきはブランドコラボ商品が複数品番で展開されており、現時点では「キャサリンハムネット」とのコラボカジュアル服がTシャツ、スエット、フーディーなどの複数品番で展開されていた。このキャサリンハムネットのTシャツ類には英文字で何かのメッセージがプリントされている。この辺りはジーユーのブランドコラボに近いテイストを感じた。


また商品の中にもジーユー的な物もあった。ジーユーがパフスエットと銘打って販売している薄手ダンボールニットとほぼ同じ肉厚の合繊スエットや、先ほどのメッセージプリントTシャツなどである。
ただ、売り場と商品を見た印象だと、たしかに悪くはないし、良い物も中にはあるだろうと思えるが、劇的に売れる要素は現時点では少ないと感じた。「最大限頑張っているスーパーの衣料品平場」という範疇を超えられるものでは到底無いと当方には感じられる。
それにしても、かつては大賀が製造販売していた10万円前後するスーツとして当方世代には知られている「キャサリンハムネット」がトップバリュコレクションとのコラボブランドになっていたことはなかなかに驚かされた。そしてこのブランドコラボがあまりにも報道もされず世間に周知されていないことも驚かされた。(笑)
ブランドコラボは報道されるように積極的に働きかける必要があるが、現状では全く奏功していない。イオングループとしては資金力はあるだろうから、もっと有効にカネを使ってみてはどうか。
ただ、今の売り場を見ただけの印象と広報活動と、でいうと、売上高の目標額は公開されていないので何とも言えないが、29年2月期までに10倍に増やすことは結構難しいだろうと当方は見ている。
実際のトップバリュコレクションの業績推移を決算公告のまとめから見てみよう。
トップバリュコレクション株式会社の情報 | 官報決算データベース
| 決算末日 | 売上高 | 純利益 | 利益剰余金 | 総資産 |
|---|
| 2025年02月28日 | – | ▲43億3,828万円 | ▲168億637万2,000円 | 34億4,254万2,000円 |
| 2024年02月29日 | – | ▲11億2,835万7,000円 | ▲124億6,809万1,000円 | 4億3,132万7,000円 |
2024年3月から新会社に刷新しているので、24年2月期までが旧会社の決算、25年2月期が新会社としての決算ということになる。
売上高は頑なに非公開だし、営業利益などの項目もわからないが、純利益が赤字続きなので、元々そんなに利益体質は良くないと思われる。特に新会社となってから一気に純損失が拡大している点が気になる。もう一つ、総資産が新会社になって一気に30億円も増加している。
総資産の項目も公開されていないのでわからないが、もしかすると不良在庫が増大している可能性があるのではないだろうか。不良在庫も資産として計上される。
さらにいうと、元記事をクリックして見てもらえばわかるが、2024年2月期以前もずっと純損失を計上し続けており、旧会社のときから慢性的な赤字体質だったのではないかと思われる。
果たして2026年2月期で劇的に改善されるのかどうかだが、今回、大日の売り場を見た限りにおいてはそれは難しいのではないかと感じる。ジワジワと改善していくことは今後可能だろうが、一気に黒字化することはかなり難しいだろうと思われてならない。
長くなってしまって申し訳ないが、最後に先述した日経の記事の著者欄に気になる一節があったのでご紹介したい。
スーパーの衣料品の売上高は、(中略)96 年の 3.1 兆円から大きく減少しましたが、23年でも0.8兆円を確保しています。(中略)今回の発表は、イオンによる0.8兆円の市場の活性化に向けた取り組みになりそうです。
とのことである。
スーパーの衣料品売上高は8000億円(0・8兆円と表記して大きくみせようという意図が意味不明)しかない。8000億円市場と言えば大きく聞こえるが、衣料品を扱うスーパーマーケットが一体何社あるのか。イオンを筆頭にイズミ、イズミヤ、ユニーなど相当数存在する。これらすべてを合わせた売上高が8000億円ということなので、1社あたりの衣料品売上高は相当小さいということになる。国内ユニクロよりもスーパー全社売上高は少ない。
スーパーの衣料品売上高は25年はさらに縮小しているだろう。
この縮小分野の中でどこが大きくない残存者メリットを受け取るのか、スーパーマーケットの衣料品とはそういう分野になっているというのが実状といえるのではないかと思う。
そういえばイオンも元は呉服店でしたね。
祖業の切り捨ては避けたい所でしょうが、ヨーカドーの二の舞にならなければいいですね。