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南充浩 オフィシャルブログ

綿花輸入量が減少する理由

2026年1月29日 素材 0

2000年に父親が亡くなって完全に1人暮らしになり、だいたい週に2回のペースで衣類を洗濯している。

3~4日に一度、着ていた服を洗濯するというペースである。一人暮らしだとそこまで洗濯物が溜まらないので、3~4日に一度というのがちょうど適量である。

梅雨時とか秋の長雨とかそういう時期を除くと基本的に天日干しをしているので、特に冬場は気温が低いため「速く乾くかどうか」が最も気にかかる部分になる。

そういう生活習慣になると、冬場に厚手の綿素材の服を着るのも洗濯するのも億劫になる。なぜなら分厚い綿素材は冬場の気温では乾きにくい・乾くのに時間がかかるからである。

 

 

 

端的にいうと、厚手の綿100%ジーンズとか、厚手の綿100%裏毛フーディーとか、そういう服は洗濯することを考えると着用しなくなっている。

本来なら冬場こそ着用シーズンであるにもかかわらず、洗濯のことを考えるとそれらは着用対象外となっている。しかし、これらの綿厚手服は夏は暑すぎて着ることができない。気候の良い春、秋に何回か着るかどうかという登板回数となってしまう。

冬場に気温対応として着用が増える衣服は、合繊ダンボールニット素材のフーディーや、合繊厚手素材のズボンなどである。

 

ちなみに何度も書いているが梅雨時から10月半ばまでは大量にかく汗を考慮して、合繊吸水速乾素材の半袖Tシャツと同素材のズボンしか着用しない。

綿100%素材とか綿高混率素材で年間着用するアイテムは靴下くらいしかない。あと着用ではないが毎日使っている綿製品といえばタオルハンカチくらいである。

ことほど左様に、当方の日常生活から綿100%素材服、綿高混率服というのは着用が減っている。着用が減っているということは買う枚数も減っているということで、近年買った服のほとんどは合繊である。

 

 

繊維ニュースに興味深い記事が掲載されたので紹介したい。

2025年の綿花輸入 11万俵台まで減少 | THE SEN-I-NEWS 日刊繊維総合紙 繊維ニュース

日本綿花協会によると、日本の2025年の綿花輸入高(通関ベース)は11万3438俵(前年比13・3%減、1俵=480ポンド)だった。23年は12万俵台と歴史的低水準に落ち込んだ日本の綿花輸入は、24年に13万俵台まで盛り返していたが、25年は再び11万俵台まで減少した。国内紡績設備の縮小や他素材へのシフトが要因と考えられる。

 

とある。

2025年に始まったことではなく、近年、綿花輸入量は減少傾向だったが、2024年は少し増加したものの、2025年は歴史的低水準に落ち込んでいる。

この理由に対して

1、国内紡績設備の縮小

2、他素材へのシフト

の2点が挙げられているが、その通りだろう。

 

 

近年、国内の紡績工場はどんどん閉鎖されている。中小もさることながら大手紡績の国内工場が閉鎖されている。

例えば2025年のニュースだとこの2つ。

クラボウ、国内の紡織生産から撤退 愛知県の安城工場を閉鎖

 

ユニチカ 総社の子会社生産停止へ 9月、地元から残念がる声:山陽新聞デジタル|さんデジ

 

である。

クラボウは国内生産から撤退し、ユニチカは繊維事業そのものから撤退してしまった。

 

国内の紡績工場が減少すれば当然綿花輸入量は減少する。綿花を輸入したところで国内で紡績して綿糸にすることができないのであれば輸入する意味はない。海外から綿糸、綿生地を輸入することになる。

近年、繊維業界では国内での綿花栽培の事例が増えているが、国内で販売される衣料品に使われている綿花のほとんどは海外生産品で、国内の綿花生産量は依然として少量に過ぎない。

 

 

そして、「他素材へのシフト」は冒頭で書いたように、洗濯という観点から綿素材離れを起こしている当方のような消費者が増えていることも一因だろうと思う。

これはアンケート調査結果があるわけではないから正確な数字はわからない。しかし、近年、マス層が買っているユニクロ、ジーユー、ワークマンなどの低価格大手チェーンブランドの製品では綿100%の品番は少なくなっている。速乾も含めた各機能性商品のほとんどは合繊100%か合繊高混率である。

 

 

これらの大手チェーンブランドは売れる数量が百万枚単位だから、合繊100%商品が増えれば増えるほど綿花の総使用量は大幅に減る。

また、国産綿糸を使った商材は比較的高額なブランド製品が多いと思われるが、マス層が「ユニクロ一強」「大手10社で7割の市場占有率」という状態を考慮すれば、そういう比較的高額ブランド全体の売れ行きは鈍ったり低下していると考えられ、輸入綿花を使った国産綿糸の使用量も減っているのではないかと考えられる。

 

 

繊維・衣料品業界には熱狂的な綿愛好家が少なからずおられる。また肌が弱いということで合繊服を避けて綿素材服だけを買っておられる方もいる。

ただ、体感的にいえば業界でもそれらの人は決して多数派ではない。めちゃくちゃ少数派でもないが圧倒的マジョリティでもない。

業界内でそれだから、業界外の世間一般でいえば、熱狂的な綿愛好家というのは少数派に近いのではないかと思われる。

 

今後、消費者の機能性・利便性追求は留まることを知らないだろうから、綿愛好家が増える可能性は極めて低い。当方個人でいえば、死ぬまで一人暮らしをするつもりなので、洗濯と大量の汗という観点から今後も合繊素材服を主力にし続けることは間違いない。

 

「何かのブーム」でも突発的に起きない限り、綿花輸入量が今後圧倒的に増加する未来はないだろうと考えられる。

 

 

 

 

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