値下げ処分セールをする規模になったファミマ服
2026年1月23日 企業研究 0
コロナ禍が始まるまで、ガンプラは値下がり品が簡単に買えた。
ジョーシンでは2割引きが当たり前だったし、Amazonでは3割引き・4割引きが当たり前で半額で売られていた機種も珍しくなかった。
離婚して一人になって「安あがりな趣味」としてガンプラを買うようになった。
コロナ禍が始まると、巣籠り用趣味ブームと転売ヤーの増加によって、品薄状態となり、ガンプラの転売高騰が始まった。メルカリはそもそもが転売サイトなので高額転売ガンプラばかりが並ぶのは理解できるが、Amazonが転売ヤーの巣窟になるのはいかがなものかと思わざるを得なかった。ちなみに高額転売ガンプラはいまだに買ったことが無い。今後も買うことは無い。
さて、そんなガンプラだが、2025年下半期くらいから、店頭陳列量が一時期よりは増え、Amazonでも割引販売が復活している。
これは特定の何種類かの機種を定期的にバンダイナムコが再販出荷するようになったため、需要を大きく上回る供給量に達したためと思われる。また、過熱ブームに嫌気がさした人の中にはガンプラから撤退した者もいるし、転売ヤーもガンプラ商材から撤退し始めたことも大きいだろう。
ただ、再販出荷が少ない「レア機種」はいまだに高額転売されているが。
物の値段というのは、基本的に需要と供給のバランスで成り立っている。作り手がいくら「魂を込めました」と力説したところで、需要が少なければ値下がりする。
一方、需要が供給量よりも多ければ販売価格は上がる。
昨年下半期からのガンプラの状況からも明らかである。
さて、衣料品も全く同様である。供給量が需要より多ければ値下げ処分されるし、需要が供給よりも多ければ定価で完売する。場合によっては高額転売される。
ユニクロ、ジーユーでもそれは顕著で人気品番は定価のままで完売するし、不人気品番や人気はあるが供給量が多すぎた品番は必ず「新価格」と銘打って値下げ処分販売される。
衣料品業界や衣料品業界メディア、一部の衣料品業界コンサルは「値下げ処分販売ゼロ」ということを過剰にステイタス視していると感じられる。
値下げ処分すれば、粗利益が削られる。そうなると必然的に営業利益も低下してしまうことにつながりやすい。そのため、なるべく値下げ処分販売をしないという方針は理解できる。
ただ、不良在庫を積み上げる前には適度に値下げ処分すべきだし、それは決して悪ではない。要は一定水準の営業利益が確保できれば別段値下げ処分は悪ではない。
衣料品業界で「値下げ処分ゼロ」という実績を誇っているブランドやアパレル企業は売り上げ規模がさほど大きくない場合が多い。
逆にユニクロやジーユーなどの大規模ブランドになると、全品番をヒットさせることは難しいので値下げ処分販売は避けて通れない。
これまで値下げ処分販売ゼロだったブランドの一つにファミマのコンビニ服がある。
ファミマのコンビニ服については、成長ブランドがなかなか出現しにくい情勢もあって、メディアでは注目されてきた。
直近の決算だと売上高は130億円にまで成長したとのことで各種報道がなされている。
例えばこの記事。
ファミマ発アパレル、5年で売上130億円超となったワケ 前年比160%超成長も
これは昨年8月の発表を基にした記事だ。
ユニクロ、しまむら、ジーユーなど大手10社で国内市場の7割を占めるとまで言われるほどに大手の寡占化が進む国内衣料品小売市場において、近年は大規模に成長するブランドが生まれにくくなっている。その中において5年で130億円になったファミマ服はメディアとしては注目したくなるのも当然と言えば当然である。
とはいえ、ファミリーマートという超巨大コンビニエンスストアにすれば、実はファミマ服の売上高はさほど大きくない。
ファミマのチェーン店全店売上高は3兆2438億8800万円もある。130億円の売上高なんてファミマからすればあっても無くても同じという水準といえる。
ファミマにとって「ファミマ服」は主要な品目というよりは、「広告塔」に近い位置付けなのではないかと思う。
恐らくは、2026年2月期決算でもファミマ服の売上高は伸びると思われるが、そろそろ「値下げ処分販売ゼロ」ではやっていけなくなる規模感に突入したといえる。
それがこの記事である。
また、“クリアランスセール”では、“リヒート”や“コットンカーディガン”、“ローケージソックス”など、一部の商品が50%オフのセールを実施する。
とのことで、これはとりもなおさず、不良在庫品番の半額処分セールである。
ファミマ服は1店舗あたりの陳列品番数はさほど多くない。しかし、靴下などの年間定番品もあるが、季節商材もある。また、なんやかんやと毎シーズン新品番も投入されているので、不良在庫品番も発生せざるを得なくなってくる。年間定番品は値下げせずに長期間かけて売り減らせば済むが、シーズン品番はそうはいかない。どこかの時点で値下げ処分販売してしまわないとならない。
国内市場で考えると、130億円を越えた規模になると、必ず不良在庫品番が少なからず発生して、値下げ処分販売は避けられなくなると思われる。今後はファミマ服の値下げ販売という光景も決して珍しい物ではなくなることになるだろう。