ファッション雑誌の「不定期刊行」化は実質的に廃刊と同じ
2026年1月22日 メディア 0
今でも一応、書店に行くとメンズのファッション雑誌を一通りパラパラと眺める。
買ってまで読もうとは思わなくなっていて、速読法もびっくりなスピードでパラパラめくって終わりという感じである。
メンズのファッション雑誌はどれも往年の勢いがない。ページ数も軒並み薄くなっていて広告が減っていることが丸わかりである。
レディースファッション雑誌には興味も無いし、それを読まねばならない仕事も無いのでスルーしているが、レディースファッション雑誌もメンズと同様に軒並み厳しそうに見える。
実際、雑誌の誌名としてはレディースファッション雑誌の方がメンズよりも圧倒的に多い。圧倒的に多いから、廃刊・休刊のニュースも多い。
そんなレディースファッション雑誌がまた一つ消える。
ファッション誌「ミーナ」が月刊終了、不定期刊行化 歴代モデルに田中美保ら
ファッション雑誌「ミーナ(mina)」が、1月20日発売の2・3月合併号をもって定期刊行を終了すると発表した。今後は不定期刊行とし、「紙媒体という枠だけにとらわれず、企画やコンテンツに応じて、時代に合ったメディア形態で『mina』らしい発信を続けていく予定」だという。
とのことである。
記事はさらに
ミーナは2001年3月に創刊。出版社は主婦の友社で、創刊号の表紙はMAXのMINAが務めた。当初は20代前半の女性をターゲットにカジュアルスタイルを提案。月2回発行だったが、2009年4月号から月刊誌に移行した。2019年1月発売の2019年3月号からは発行元を主婦の友社から夕星社に変更。ターゲット層も「女性としての生き方のターニングポイント」と位置付ける26歳以上の女性に変え、キャリアではなく週末の過ごし方にフォーカスしたライフ&ファッション誌に刷新し、ライフスタイル分野を強化しているほか、男女でシェアできるコンテンツを発信し、ウェブでの展開にも注力している。2020年時点の印刷部数は約6万部だったが、2025年には約1万3000部に落ち込んでいた。公式サイトのページビューやフォロワー数などを含めたトータルオーディエンスは約22万7000人としている。
と「ミーナ」の実情を伝えている。
2025年の印刷部数は1万3000部にまで落ち込んでいたとのことだが、この部数はいかにも苦しい。よほど人員を削減しないと成り立たないレベルの部数である。一昔前のミニコミ誌並みである。
ただでさえ厳しい数字だが、実は「印刷部数」なので実際に購読されている部数はもっと少ないと考えらえれる。印刷した部数すべてが売り切れるわけではないことは物販をしたことがある人ならだれでも容易に想像できるだろう。
書籍も同様でよほどの人気でない限りは、印刷した物が1か月で売り切れることは無い。(ミーナは月刊誌だった)
となると、実際に売れる部数は多くても毎月1万部だろう。下手をすると数千部という月すらあっただろうと考えられる。
その購買部数ではビジネスとしては到底成り立たない。
記事では「今後は企画やコンテンツに応じて時代に合ったメディア形態で発信を続ける予定」とされているが、恐らくはウェブメディア化だろう。
紙媒体は「不定期刊行」とのことだが、実質的には廃刊といえるだろう。発行日が決まっている月刊誌でも売れない本を不定期刊行にすれば、さらに売れなくなる。
発売日が決まっている月刊誌の方が、消費者からすると買いやすい。毎月〇日になれば買うという習慣化しやすいからである。一方不定期刊行になるといつ発売されるかわからないから、自分で発売予定日を調べなくてはならない。そんなめんどくさいことを続けてくれるコアなファンはさほど多くないから、必然的に購買部数は月刊誌の時よりもさらに減るだろう。だから実質的には廃刊である。というか、本当に不定期刊行されるかどうかも怪しいのではないだろうか。
では主体になると目されるウェブメディアとしてはどうだろうか。
ウェブメディア自体に課金してもらうという方法があるが、これは結構難しい。課金メディアの単価は基本的に安い。安くしないと課金してもらいにくい。そうなると、人数を集めないと売上高は稼げない。売上高は単価×買い上げ客数である。
とはいえ、ミーナという媒体がめちゃくちゃたくさんのファンを抱えているとは思えないから、少数スタッフで運営することが大前提となるだろう。
あとは広告出稿料をどれほど集められるかということになるが、フォロワーや登録者数の多さ、PV数の多さなどを誇示して広告スポンサーを集めることになる。だから、ネット記事はPV数稼ぎのためにショッキングな見出しを付けることが多発してしまう。これはYouTube動画も同様だ。「〇〇の闇」とか「炎上覚悟の〇〇」「削除覚悟」とかクリック詐欺一歩手前みたいな見出しだらけになってしまう。
まあ、東スポの見出しと同じである。
メンズ、レディースともにファッション雑誌がゼロになることはないだろうが、今後ますます淘汰は進むだろう。特にメンズよりも誌名が多いレディースファッション雑誌の淘汰は一層激しさを増すと見ている。