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南充浩 オフィシャルブログ

ドラッグストアでの衣料品販売がジワっと増えているという話

2026年1月14日 企業研究 0

2000年代半ばまでの各ファッションブームのような盛り上がりは、今後生まれないだろうと個人的には見ている。

もちろん、2010年代半ば以降もプチブームや界隈だけのブームはあったが、過去のような全体的なムーブメントには育っていないし、今後もそういうことはないだろうと思っている。特に2000年代半ばまでのように2万円・3万円する特定の商品がマス層に売れるということは最早考えにくい。

理由は様々ある。ファッションテイストが細分化・分散化してしまったことも大きい。それに加えて、低価格ブランドの商品デザインやシルエットが随分とマシになってしまったということも大きい。

 

 

当方のように金を惜しみながら使う層にとっては、DCブームのころにはそれと似たような商品が低価格店では売っていないから仕方なくDCブランドで買っていた。

ビンテージジーンズブームの頃には、低価格店でそれと似たような商品が売られていないので、仕方なくリーバイスやエドウインのビンテージレプリカを買っていた。(ケチなので高いエヴィスやダルチザンなどは絶対に買わなかった)

それが今はどうだろうか。凝ったデザインとか凝った素材の商品は再現できていないが、例えば無地のダンボールニットのフーディーなんて、素材的にもデザイン・シルエット的にもジーユーの商品とナンタラブランドの商品に大差はない。あるとすると、ナンタラブランドの方が身幅が〇cm大きいとか、着丈が〇cm長い(もしくは短い)とかそういうミクロの差異でしかなく、着用時に大きく印象が変わることは無い。色合いも黒・白・グレーなどを選べば全く大差ない。

そうなると、よほどの変態マニアな人以外は、ジーユーのダンボールニットフーディーで十分だろうということになる。もちろん、当方もその一人である。

 

 

あとは消費者が抱くイメージの問題だろう。昔は「主婦の店」と呼ばれたしまむらでさえ、今ではクソダサい店とは思われていない。どちらかというと好イメージを持たれている。となると、背伸びをしてイケてるとされる高級店に行く必要も無い。

このイメージの転換に失敗したのが、大手総合スーパー(GMS)各社ではないかと思う。しまむらで服を買うことに抵抗を感じない人は増えたが、GMSで服を買うことに抵抗を感じる人は減っていない。体感的には増えたのではないかとさえ思うほどである。

 

 

 

そんなわけで、商品的には良い物も含まれているにもかかわらず、GMSの衣料品売り場は縮小の一途をたどっており、イトーヨーカドーなんて完全に自主売り場を放棄してしまった。イオンはがんばってはいるが、マス層の評価を覆すには到底至っていない。

GMSは先祖返りして、総合スーパーではなくなりつつあり、食品と日用雑貨の専門店に戻りつつある。その一方で、総合化しつつあるのがドラッグストアである。

本来は薬屋に過ぎないが、まず食料品を扱いだした。これはほとんどの大手ドラッグストアがそのようになっていて、食料品の競合はスーパーマーケットである。ただ、個人的に見て回るとスギ薬局の食品よりは、万代の食品の方が概して安いので、当方はスギ薬局ではあまり食品は買わない。

 

 

さて、食品に進出したドラッグストアが次に食指を伸ばすとすると衣料品・繊維製品ではないかと思うが、徐々に既成事実化しつつあるようだ。

「ウエルシア」の衣料品 買いやすい最寄りの売り場として認知広がる | 繊研新聞

有料部分がほとんどなので引用の意味をなさないが、要するに、ウエルシアに衣料品売り場が広がっているという内容だ。それもデイリーユースな肌着類とか靴下類とかである。

 

 

当方の知る限りにおいて、格段に衣料品売り場を拡大しているドラッグストアはウエルシアくらいしか無いのだが、以前にも書いたようにスギ薬局にもその兆候はあって、タオルの「エアーかおる」や今治タオルなどの販売が以前から始まっていたし。昨年にはリカバリーウェアの「Red」の販売も始まった。今後徐々に衣料品の取り扱いはスギ薬局でも拡大するだろうと思われる。

 

大手ドラッグストアで衣料品を販売することのメリットは、ドラッグストア側にもあるが、納入するメーカー側にもある。大手ドラッグストアの店舗数は多い。500店とか1000店舗ある。各店舗に10枚ずつ納品するだけで最低でも5000枚くらいの生産ロットになる。5000枚もあれば相当に生産しやすい。

これと同じロジックでアパレル製品に進出したのが、コンビニのファミリーマートである。全国1万6000店舗という圧倒的な店舗数の多さで、生産のミニマムロットを軽々とクリアしてそれなりの低価格に抑えることができている。

 

今後は、この動きに追随するドラッグストアは増えるだろう。

 

ただ、コンビニウェアを見ていてもわかるように、ファミマは軌道に乗ったといえるが、ローソンは継続できていないしセブンイレブンは追随する気配もない。衣料品販売を継続的に続けるには、企画デザイン、製造も含めた逸れ相応のノウハウが必要で、ファミマはそれがあったが、ローソンとセブンにはそれが無かったということだろう。

ドラッグストアでも同様で、そのノウハウが無い、もしくは蓄積する努力をしないと必ず失敗する。ウエルシアは相応のノウハウを持っているようになっていると思われるが、他社大手はそうではない。隣の芝生は青いからと言って無策で飛び込むと大けがをするのが繊維・衣料品である。

 

 

 

 

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