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南充浩 オフィシャルブログ

ファッショントレンドは平均化・平準化・コモディティ化しているという話

2026年1月5日 トレンド 0

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

みなさんはどのような年末年始を過ごされただろうか。当方は年末は大掃除と正月用食料品の準備、年始は息子、娘の来訪受け入れと、叔父宅への年始訪問と変わり映えしない有様である。実際、変わり映えさせたいとは1ミリも思っていない。

それと、恒例行事としては年末年始の墓参りと、1月3日朝の町内会の消火訓練である。

 

 

さて、年末の早朝に墓参りに行ったときのことである。シルバー人材センターの人が3人組で墓地に来ていて、ゴミ収集を行っていた。

もちろん、何の変哲もなく、ファッション業界とは無縁の風貌の老齢弾性3人組である。一見したところ、年齢は70代だろうか。極めて率直にいうと「オシャレでも何でもない普通の田舎のジジイ」である。

墓参りをしながら、何となしに3人の作業風景を眺めていたら、気が付いたことがあった。何と「オン」のスニーカーを履いておられるのである。

 

 

ファッション好きの間ではナイキのスニーカー人気に一服感が出て、オン、ホカなどのブランド人気が高まっていると3年くらい前から頻繁に報道されるようになった。

大阪市内で電車に乗っていてもオン、ホカのスニーカー着用者は確実に増えていると感じる。またファッション系インフルエンサーやファッション系ユーチューバーなども最新トレンドと称して盛んにホン、ホカを取り上げることが増えている。

まあ、例えばこのタイアップ記事もその一例だろう。

「オン」のスニーカーはなぜ人気なのか?知らなきゃ損な6つのモデルを解説

 

当方は最新トレンドについては参考資料程度にしか気にしていないことに加えて、オンとホカのスニーカーが高いので買う気が全くない。

オンのスニーカーは公式通販サイトだとだいたい1万円台後半~2万円台半ばである。こんな高いスニーカーを当方は買ったことが無い。

そんなわけで、いつも5000~6000円で買ったナイキエアなんたらか、7000円台に値下がりした時に買ったリーボックのインスタポンプフューリーを履いて暮らしている。そしてそれで何の問題も無い。

 

 

ただ、レビューを読むとオン、ホカのスニーカーは大手スポーツブランドのスニーカーと比べてもクッション性が段違いに高く足が疲れにくいという声が多い。

そのうちにABCマートで5900円くらいで投げ売りされるようになったら買って試してみたいとは思っているが、現時点の価格で買う気は全くない。

ただ、田舎の墓地の清掃を担当するシルバー人材センターの人がオンを履いていることには驚いてしまった。

 

 

それこそ、最新ファッショントレンドが全体の空気感としてもっと盛り上がっていた80年代、90年代、2000年代半ばまでではこのような着用はほとんど見られなかった。

例えば、1996年当時にエアマックス95が大人気を博し、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリが存在しなかったという当時情勢も相まって、着用者から追いはぎをするという事件まで起きたほどだった。

その当時に、墓地の清掃人がエアマックス95を履いている風景は観たことが無い。

同じ「最新トレンド人気スニーカー」とはいえ、30年間で着用者や着用シーンは随分と幅が広がったものである。

 

 

1月3日には恒例の町内会の消火訓練である。正直なところ近所付き合いに全く興味が無い当方としては、亡くなるまですべて父に丸投げしていたが、父が亡くなると誰も代わりにはなってくれないので、仕方なく町内会の行事には参加している次第である。

消火訓練に参加している近所の面々に若者はいない。最低でも40代である。20代・30代は若かりし頃の当方と同じで父親や祖父、祖母、母親に近所の行事参加を丸投げしている。

 

 

さて、今回の消火訓練には風貌からの推定で50代後半から60代半ばくらいの女性が参加していた。恐らくどこかの家の母親か祖母か、という立場の女性だろう。

容貌だけでいうと年相応で、別にイケオバでも美魔女でも全くなかった。

その女性が、赤ミミセルビッジ付きのビンテージ風ジーンズを着用していた。ちょっとダボっとしたシルエットだったので、いわゆるアメカジレプリカ系ブランドだろう。

 

 

古着人気の盛り上がりによって、2020年代に入って、若者を中心に再びビンテージジーンズ人気が再燃しているといわれている。とは言っても95年当時のようなマス人気には遠く及ばないと感じられるが、新しい潮流であることは間違いない。

それがこんな田舎町の町内会のしかも60代と思しきオバチャンが赤ミミジーンズを穿いて消火訓練に参加しているのである。

これも95年のビンテージジーンズブームのころには考えられない着用者の幅の広がりである。

 

 

このような事例を身近で見るにつれ、ファッショントレンドは平均化・平準化・コモディティ化していると強く感じられる。

今回のオンのスニーカー、赤ミミジーンズに限らず、例えばフード付きダウンパーカ―とワークパンツというメンズカジュアルのコーディネートは、若い人もしているし、中年もしているし、老人もしている。

着用している服だけ見れば完全にエイジレスになっている。それがもう10年以上前から当たり前の生活習慣になっている。

 

それが、今はコーディネートだけではなく、使用ブランドまでエイジレス化している。もう人気ブランドも最新コーディネートもイケてる若者だけの物ではなくなってしまっている。2000年代半ばまでのような「イケてるブランドはコレ」とか「イケてるコーディネートはコレ」という売り方ではまったく差別化できなくなっているし、消費者は踊りにくくなっているということを業界は強く認識すべきだろう。

 

 

 

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