マツオインターナショナルが経営破綻して会社更生法を申請
2025年12月12日 経営破綻 1
老舗ミセスアパレルのマツオインターナショナルが会社更生法を申請した。
要は経営破綻したわけである。
会社更生法の場合は、現経営陣が総退陣して新しい経営陣に交代する。
マツオインターナショナルが会社更生法を申請 負債は111億円 | 繊研新聞
信用交換所によると、婦人服製造小売りのマツオインターナショナルと松尾産業が12月11日、大阪地裁に会社更生法を申請し、同日保全管理命令、弁済禁止の保全処分命令、包括的禁止命令が下りた。負債額は両社合計で111億1194万円(マツオインターナショナル約76億8194万円)。申請代理人は北野知広弁護士ほか、保全管理人は中森亘弁護士が選任されている。
同社は、ミセス向け婦人服メーカーとしてスタート、自社ブランド「ジェヴァンタン」「ジェイケイツー」などを展開、専門店を主体に販路を形成していたが、その後百貨店中心に直営事業を拡大し、14年8月期には年商168億8400万円を計上した。しかし経費負担の増加などから同期は1億2300万円の赤字になるなど収益面は低下。その後、売上高は伸び悩んだが、19年3月に民事再生法を申請したロン・都(長野市)の一部事業を継承しピークとなる19年8月期には144億9167万円を計上したが、コロナ禍の影響で20年8月期は144億9167万円まで売上高は落ち込み、営業段階で8億2481万円の赤字、最終9億7121万円の大幅赤字に陥った。
以後も赤字が続き、24年8月期には金融機関からの支援を得るほか、25年に入り中小企業活性化協議会に支援を要請し、スポンサーを模索しながら事業を継続していたが、今回の措置になった。
スポンサー候補として、名証上場のバルコス(鳥取県倉吉市)を選定し、基本合意を締結している。
とのことである。
バッグメーカーのバルコスをスポンサー候補として選定し、基本合意を締結しているとのことなので、バルコスと金融機関から派遣された新しい経営陣によって企業としては存続し、再建を目指すことになる可能性が高い。
ただ、たまに合意しているのに、一転して支援中止というケースもあるから、現時点では100%確定しているわけではないことに注意が必要である。
また、バルコスのバッグの価格帯と客層はマツオインターの各ミセスブランドと親和性が高いので、バルコスにとってはシナジー効果は期待できるのではないかと思われる。
今回の経緯についてはこの記事がさらに詳しいのでご紹介したい。
【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~ | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
2019年8月期には売上高176億655万円にまで業容拡大した名門だが、コロナ禍で急激に経営が悪化。金融機関の支援を受け立て直しを目指したが、資金繰りが限界に達した。
しかし、事業拡大を借入金に頼っていたため、2019年8月期の有利子負債は57億1,518万円で、総資本に占める割合は58.3%と、業界標準の34.3%と比べるとかなり高い状態となった。それでも売上が拡大して利益も追いついてくれば対応できる可能性もあった。
こうしたなかコロナ禍が襲いかかった。2020年8月期は売上高144億9,167万円に対し、9億7,121万円の最終赤字を計上。2021年8月期も8億6,001万円の最終赤字に沈み、7億311万円の債務超過へ転落した。
2020年8月期の有利子負債は65億8,377万円、2021年8月期は70億2,450万円まで増え、有利子負債構成比率も2020年が73.4%、2021年には83.5%まで上昇した。
とある。興味のある方は元記事を全文お読みいただきたい。
この記事からは、名門ミセスアパレルとしての知名度と実績はあったが、借入金に頼った事業拡大を長年続けてきたということがわかる。そして、21年8月期からは債務超過に転落しており、以後経営が好転することはなく、25年11月に至ったわけである。
財務的なことは当方の専門外なのでこれ以上何の解説もできないが、当方が驚いたのは知名度の高さと過去からの実績の割には売上高が少なかったという点である。
百貨店向けミセスアパレルとしては小さくはないのだろうが、その割には店舗数が多すぎる。マツオインターナショナルの公式サイトによると22年8月期で371店舗もある。そして公式サイトによると22年8月期の売上高は140億5000万円とある。
1店舗当たりの平均売上高はわずかに3800万円弱しかない。この低さでは到底持たない。逆にこのペースでよく何十年間も百貨店向け(一部ショッピングセンターにも出店)ミセスアパレルとして企業存続できたと驚かざるを得ない。
コロナ禍による苦戦と表現されているが、売上高自体は急減しているわけではない。ピーク時の176億円と22年8月期の140億円を比較すると約20%減にとどまっている。これまでの重い負債が無ければ持ちこたえられるレベルの減収だろう。
記事にもあったように、借入金に頼った事業拡大のツケに加えて、活動すべてにおいて高コスト体質が慢性化していて利益が薄かったと見るべきだろう。
今後、バルコス主導で再建する可能性が高いと見られるマツオインターナショナルだが、現在の300店体制は維持できないだろうし、するのは愚策だといえる。当然不採算店舗は積極的に閉店するだろうが、マツオインターナショナルの各ブランドのテイストやデザインは現在のマス層の需要には対応できていない。
語弊があることは承知しつつも簡単に一言でまとめると、昔のデザイナーズブランドっぽいデザインのブランドばかりだからだ。しかもミセスからシルバーに偏重している。
ミセス・シルバー層にそういう需要は今もたしかにあるが、ボリュームにはなりにくい。DCブランドのころのままのマインドでいる中高年層の方が少ない。
そのため、今のテイストとデザインを維持するなら、小規模にコアな中高年ファンとその予備軍に向けて売るというのが堅実な方策になる。
規模を縮小して採算店だけで運営するのが賢明だろうと思って外野から眺めている。
私が日本に来る前の百貨店では、生地の反物を販売していたそうですね。
自分で服を作るご婦人のために。
それをビジネスにしていたのがマツオインターナショナルだったわけですが、
既製品の流通が多くなり、生地の販売が百貨店で出来なくなったので
製品の製造から販売にシフトしたということです。
そういういきさつの会社なので 百科店の店舗が多かったのでしょうね
南さんがご指摘のように 今自分のご婦人から支持されなさそうなデザインが多く
(梓みちよさんが着そうな服…悪口じゃないよ)現在の40代には支持されなさそうなデザインが多かったですからね
資本金をある時期に減らしたのは 資本金に応じて障がい者を雇用しなければならないが
販売員が多数を占める同社では 障がい者を雇用できないため資本金を減らしたそうです
良い生地を使用し デザイン性のある商品を作っても 売れなきゃ意味が無い
日本のもの作りの衰退を体現する事実をまた一つ見せられた印象です
と 素人の門外漢の感想です 失礼しました