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南充浩 オフィシャルブログ

低価格を武器に衣料品売上高の拡大を狙うトライアル

2025年12月9日 お買い得品 0

様々な商品の値上がりが続いていることを痛感し続けている人は多いと思うのだが、当方もその一人である。

とはいえ、食料品なんかは必需品だから買わざるを得ない。値上がりした中でどのように安く買うか、工夫を凝らす日々である。

 

そうなると、削れる部分から削るというのは当たり前で、カジュアル衣料品は真っ先に削減対象となる。しかし、カジュアル衣料品も値上がりしている。特に値上がりを実感するのがユニクロである。

ウクライナ侵略くらいから如実に値上がりを実感し始めたが、今秋冬さらに値上がりした。これは以前にも同じことを書いているが、ユニクロのオックスフォードボタンダウンシャツが定価3990円にまで値上がりしたのは驚いてしまった。

他のブランドに比べて依然として安いとはいうものの、手軽に買える値段ではなくなってしまった。昔は1990円で、値上がりしても2990円だった。この2990円が1990円に値下がりした時に買っていた。これが3990円になると期間限定で2990円に値下がりしても手は出しづらい。

 

 

「低価格」で鳴らしたユニクロが決して低価格ではなくなってきている今、やはり下をくぐる企業が現れている。ワークマンは以前から巷で注目されていたが、今急速に注目を集めているのがスーパーのトライアルである。西友を買収してから積極的に価格競争を仕掛けてきて企業規模拡大を目指している。

食パンの定価が最も安いのがトライアルだということは先日もお伝えした。定価88円(税抜き)である。

そうすると、今度は衣料品も仕掛けてきている。

 

トライアル、西友の店舗に衣料品店をオープン 成長ドライバーとして期待 | 繊研新聞

スーパーセンターなどを運営するトライアルカンパニーは11月14日、衣料品専門店「リアルト」1号店をオープンした。グループ入りした西友の三軒茶屋店(東京都世田谷区)4階に入った。

300平方メートルの店内には「一番人気のチャンピオンアイテム」(加藤了執行役員商品本部ソフトグループメガ・専門店プロジェクトリーダー)というフリースジャケット(税込み998円)などオリジナル品が並ぶ。「一番使われる服」を志向した開発によって伸びている。同店に並ぶのは2500SKU(最小在庫管理単位)ほど。衣料品SKUの約半分で、人気商品を集めた。競合の激しい都市部で価格と機能を発信する。

 

とのことで、フリースジャケットが税込み998円というのは圧倒的な安さである。

先日、このフリースジャケットが東洋経済オンラインでも紹介されており、認知度を高めつつある。

トライアル「ダサかわいい」998円フリースが150万枚突破 爆売れ”生活密着アパレル”の正体 | ファッション・トレンド | 東洋経済オンライン

この「シルキーフリース」は2022年に正式に名付けられた商品で、2022年に40万枚、2023年に50万枚、2024年に60万枚と右肩上がりで売れており、シリーズの累計販売数は150万枚を突破している。2025年は80万枚の売り上げを目指す。

とある。

トライアルのフリースは無地もあるが柄物もあり、この記事では柄物がアイコンとなって主婦層の支持を得ていると伝えている。トライアルのフリースかどうかは分からないが、たしかにスーパーなどで変な柄物フリースを着たおばちゃんを見かけることがままあるので、おばちゃんと柄物フリースの相性は良いのだろう。

 

東洋経済オンラインの記事によると、

 

現在、衣料品の売上構成比は3%。だが、今後はアパレルの構成比を高めていきたいと抱負を語る。

 

とのことだが、先ほども挙げた「リアルト」のオープン記事を見てもわかるように、トライアルが衣料品の売上高を拡大したい意図があるのは明らかである。

 

 

トライアルは九州が拠点なので、関西にも関東にも店舗数は少なく、日常的に利用している人は少ないだろう。西友を買収したことから関東への拠点ができ、これから積極的に関東での拡大を図ることになるのは明白だ。一方、関西でいうと、元来、西友の店舗数は少ないので、関西で店舗数を拡大できるのはもっと先のことになるのではないかと思われる。

 

家事の時に着用したりワンマイルウェアとして着用するのであれば、よほどのこだわりがなければ、トライアルの998円フリースで構わないと考える人は相当数いるのではないかと思う。当方も動物柄は着用する気は無いが、無地なら着用しても構わないと思う。今のユニクロの商品はそのように考えると、少し高くなってきていて、ある程度の需要はトライアルやワークマンに奪われるのではないかと見ている。

 

「小売りの輪」理論は広く知られているが、ユニクロがファッションブランド化して値段を上げたことで、その下をくぐる安さの新興ブランドが積極的に攻勢をかけるというのは、まさに「小売りの輪」の移り変わりそのものだと感じさせられる。

このトライアルに限らず、ワークマン、靴のヒラキなどなど、低価格を武器に衣料品を積極的に拡大する新興勢力の今後に注目したい。

 

 

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