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南充浩 オフィシャルブログ

縮小し続けるクリーニング業界だが残存者メリットも期待できるという話

2025年12月3日 企業研究 0

先日、このブログでなるべくクリーニング店を使わないような服を意識的に買って着ている書いた。

特に離婚してすべての家事を自分だけでこなすようになってからは、省力できることは省力するように努めている。

クリーニング店を利用することは費用が発生することは当たり前としても、持って行って、持って帰るという作業がめんどくさい。だからウール素材系のスーツ、ウール素材系のコートはなるべく着用しないようにしている(着用する機会もめっきり減ったが)し、ダウンジャケット類は自分で洗うようにしている。この「洗濯」という視点だけで考えると気を使うダウンジャケットよりも洗濯機で普通に洗える機能性中綿入りジャケットの方が便利だということにもなる。

 

 

御近所や、知人たちと家庭のクリーニング事情について話すことがほとんど無いので、他の家庭のクリーニング事情は全く知らないのだが、当方と同じような生活スタイルになっている家庭も決して少なくないのではないかと思っているがどうだろうか。

男性でいえばウール素材のスーツやコートを着る機会は確実に減っている。通勤・退勤風景を眺めていても圧倒的にダウン・中綿入りのコートを着ているサラリーマンも多いし、便利な合繊ストレッチ素材のスーツを着ている人も多い。

それらなら家庭用洗濯機でも十分の洗濯が可能だ。

女性の生活スタイルは身近にいないからわからない。かと言って、仕事関係の面識のある女性に聞きまわるのは今のご時世ではセクハラコンプラ違反でえらい目に合ってしまうのですることはない。(笑)

 

 

セーター類にしても羊毛の原価高騰や円安基調もあって、低価格帯でのウールセーターはほぼ死滅しつつある。今秋冬の低価格ブランド、ファミリー向けブランドはほぼ合繊セーターとなっている。

ウールのセーターなら家庭洗濯は気を使うが、合繊セーターならトレーナーと同じ感覚で洗濯機を回せる。あと、セーターの代替品としてフリースが人口に膾炙しているが、フリースも洗濯機でガンガン洗える。

いずれは、中級価格帯・高級価格帯でも合繊セーターの比率が増えるのではないかと予想している。

 

 

さて、その数日後にこんな記事が掲載された。

スーツ離れやテレワークが直撃 街のクリーニング店が過去最多ペースで倒産・廃業 | 

街のクリーニング店が過去最多ペースで姿を消している。帝国データバンクの調査によると、2025年1〜9月に倒産したクリーニング店は18件、休廃業・解散は34件に達し、合計52件が市場から退出した。テレワークの浸透、ビジネスウェアのカジュアル化、自宅で洗える高機能素材の普及など、生活様式の変化が長期的にクリーニング需要を押し下げている。

倒産件数は9カ月間の累計で前年の17件をすでに上回っており、コロナ禍後に「あきらめ倒産・廃業」が相次いだ2023年(通年53件)に迫るハイペースだ。2025年は過去最多に達する可能性があるうえ、統計に表れない零細店の自主閉店も多く、実際の退出数はさらに多いとみられる。

とのことで、当方の生活スタイルも微量ながらこの傾向を後押ししていたのだといえる。

 

で、今回この記事が強く印象に残った理由は、記事掲載とほぼ同時に業界の知人から、多少の面識があった個人経営のクリーニング屋3社が最近、廃業と倒産したと知らされたからである。

 

 

その3社がこの統計に入っているのかどうかは不明だが、業界の流れとしては完全に合致している。さらにこの記事とほぼ同時に、こんな記事も掲載された。

負債は約1億2300万円 クリーニング会社が破産手続き開始決定 新型コロナの影響で来店客数が減少 神奈川県で工場開始するも赤字から脱却できず 長野・小諸市(NBS長野放送) – Yahoo!ニュース

長野県小諸市のクリーニング業「東京洗染」が11月14日、横浜地裁相模原支部から破産手続き開始決定を受けていたことが分かりました。

 

とのことで、クリーニング屋にとっては厳しい時代となった。ただ、今回の業界の苦境は今後強まることはあっても好転する可能性は極めて低いと考えられる。

通常の衣料品だと今後家庭洗濯の風潮はどんどん強まるだろうし、クリーニングを必要とされるような手の込んだ生地が使われることもどんどん減るだろう。

ホテルとか老人ホームとかそういう施設や組織との契約以外に、有望な取り組み先はちょっと当方では考えが浮かばない。

 

クリーニング業者はそういう施設や組織との契約を勝ち取れるかどうかが生き残りのカギになるのではないかと思う。

その一方で、特殊な技術を持って生き残っているクリーニング業者も存在するが、それはどの業界でも同様で、スターはほんの一握りだが出現する。

 

とはいえ、クリーニングという仕事の需要はゼロにはならない(手の込んだ生地の服は消滅しないから)ので、生き残っていれば残存者メリットはある程度は期待できるだろう。

廃業するという選択も立派な決断だが、残存者メリットを狙って苦しい中で生き残るという選択も立派な決断である。どちらを志向するのかは経営者の思想と個性次第だろうと思う。

クリーニング業の経営者としては難しい選択を迫られ続けることになるだろう。いやはや。

 

 

 

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