古着市場は新品市場より小さい上にマス層はセカンドストリートにすでに押さえられているのではないかという話
2025年11月11日 未分類 0
衣料品メディアやそれに登場する有識者(自称含む)による「古着が盛り上がっている論」は市場規模的にはどうなのかといつも疑問を感じている。
もちろん、古着に注目が集まっているという気運はわからないではないが、それでいうと、95年のビンテージ古着ブームもあったし、その後も衣料品愛好家の中には古着を買い続けている人もいる。
そんなわけで、メディアや有識者が煽るほどに古着人気が拡大しているとは思えないままでいる。マス層の大部分は低価格カジュアルブランドであることは間違いない。そこに味付けとして古着を取り入れる人はいるだろう。
そんな中、一定の目安になりそうな数字が示されたのがこの記事で参考になった。
この記事に次の一節がある。
「服好きの方の中には好んで古着を選ばれる方もいますが、古着を日常的に着るという人を調べたところ2割程度しかいません。古着は誰が着たものかわからない、独特のにおいがするというイメージを持つ方もいらっしゃいます。ですから清潔感には徹底してこだわっています。回収した服は、さまざまな条件の元一点一点選別。クリーニング専門企業とともに、素材に合わせてカスタマイズしたプロセスで洗濯を行っています。誰もが安心して選べるのがユニクロの古着なのです」
この調査結果が正確かどうかはわからない。ただ、2割くらいしかいないというのは比較的冷静な調査ではないかと思う。ただ、注目したいのは「日常的に古着を着る人」であって「定期的に古着を買う人」ではない点である。これなら5年前に買った4点の古着を日常的に着るという人もその中に含まれてしまう。ユニクロにせよ他社にせよ、古着販売をビジネス化するために必要なのは、「定期的に古着を買う人」がどれだけ存在するかである。そういう人は当方の体感的には2割を下回るのではないかと見ている。
個人的には古着を買うことは無い。記事で指摘されているように「体臭っぽいニオイ」が気になる。もちろん、当方には華麗なる加齢臭があるが、自分の体臭は気にならないのである。しかし、他人の体臭は気になるし、そういう物を近づけたいとは思わない。
で、この記事はユニクロが古着販売をするためのタイアップ記事っぽいので、これ以降は別段読む必要もないのだが、メディアにしろ業界有識者(自称含む)にしろ、古着ファッションの広まりを論ずる際に無意識なのか意図的なのかはわからないが、ゲオの「セカンドストリート」には言及しない。
それでいて「ユニクロの古着販売に期待」とか「無印良品の染め替え販売」をやたらと持ち上げているのだから、市場占有率や店舗数の多さを無視していて、ほぼ無意味に等しいと感じてしまう。
以前も書いたようにセカンドストリートは、ユニクロよりも国内店舗数が多く、今年春の時点で国内1000店舗を突破している。
となると、マス層向けの古着販売の最大手はセカンドストリートなのである。それこそ、大都市都心繁華街から田舎のロードサイドまで店舗が存在している。
自宅の近所の国道沿いにもセカンドストリートがあって月に1度か2度通りかかるが、自転車で乗り付けた70代くらいの爺さんが買い物に来ているのを毎回見かける。
以前にも書いたようにセカンドストリートにはそこそこの高額古着もあるが、500~900円の安い古着もある。それが値札から半額に下がることもあるから、安い古着が欲しければセカンドストリートに行くのが正解で、毎回自転車(ママチャリ)で乗り付けている70代と思しき爺さんは極めて正しい選択をしているといえる。
「最近ユニクロ高くない?」と思っている方に朗報 #ユニクロ古着 販売強化の兆し #エキスパートトピ(砂押貴久) – エキスパート – Yahoo!ニュース
ここでも「ユニクロ古着販売」が取り上げられているが、以前にも書いたようにユニクロの古着取扱い店舗数は増えていない。多店舗化計画は明らかに難航しているといえる。
理由は古着を取り扱うオペレーションシステムの確立の難しさと、利益体質になるような価格設定の難しさ、にあるといえる。
特に以前、取り上げたテレビ番組では価格設定の難しさが注目されていた。洗濯をして、場合によっては染め直しをしたり、パッチワークなどのリメイクを施したりする。それらの工賃を上乗せしたうえで、ユニクロの新品商品を下回る店頭販売価格に設定しないといけないので、なかなか採算ベースに乗らない。
逆に採算ベースに乗せると、新品商品と同等かそれ以上の価格になってしまう。そうなった場合、ナルシスト的イシキタカイ系環境ガーの人か、変態的ユニクロファンか、くらいしかその値段では買わない。その値段を出すなら普通の人はユニクロで新品を買う。
話を戻すと、ユニクロの調査では古着を日常的に着る人は2割しかおらず、定期的に古着を買う人の比率は不明である。ただ、着る人に限定したところで2割で、その市場のほとんどを1000店舗あるセカンドストリートが占めているのではないかと思える。またこだわり層には、いわゆる高価格・高付加価値古着店が支持されている。そうなると、各記事が提示している「ユニクロ新品が値上がりしたから、安いのが欲しいマス層はユニクロ古着を買う」というスタイルは成り立たなくなる。そしてそもそもセカンドストリートにもユニクロ古着、ジーユー古着が並んでいる。
ユニクロ古着がユニクロ新品のように国民販路になるかというとその未来は難しく、その座はすでにセカンドストリートが占めていると考えられる。