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南充浩 オフィシャルブログ

大規模なカジュアルファッションブランドには値下げ処分セールは必要不可欠

2025年11月5日 企業研究 0

いわゆる職人向けのワークマンは郊外やロードサイドに出店していることが多いので、当方はペーパードライバーなどで滅多に行くことがない。

ワークマンプラスやワークマン女子は駅近くや商業施設に出店していることが多いので定期的に見に行っている。

 

 

多種多様な商品があるが、個人的にずっと変わらず注目しているのが防水スニーカーである。これまで、コンバース、コロンビアの防水スニーカーを買って試してみたものの、期待したほどには防水性は高くなかった。おまけに値段もそこそこ高かったので、古くなって防水性が落ちたコンバースを捨てる際にはちょっと悲しい気持ちがあった。

それに比べると、以前にもこのブログで紹介したワークマンの防水スニーカーは当時2300円でいまだに防水性が落ちていないから非常にコスパが高いし、実用的で今も重宝している。

とはいえ、購入から3年くらいが経過しているので、そろそろ買い替える時期が近くなってきているとも感じる。

 

 

あとは、リカバリーウェアの「メディヒール」である。とはいえ、今秋冬向けにはすでに上下セットを1組買ってしまったし、6月に買ったAOKIの長袖長ズボンセットもある。2組あるので、洗濯ローテーションが組み立てられるので、もし買うとするならメディヒールのシングルサイズのシーツ(1900円)だろう。

他人と寝ることが無い当方にとってはシングルシーツしか必要ではない。

 

 

さて、定期的にワークマン女子に通っていると、多分、店名も早晩ワークマンカラーズに変更されるはずなのだが、例のワークマンカラーズ発表後、如実にカジュアルファッションっぽいアイテムが増えたと感じる。

今秋の店頭の様子でいうなら、中高年男女の買い物客が多いと感じる。その理由としては

1、今秋冬商品は価格がジーユーよりも安いと感じる物が多い

2、それでいてジーユーよりも中高年男女向けのデザインが多い

という2点ではないかと思う。

 

 

ジーユーにも中高年男女の客は増えたがやはり若者の方が多い。

中高年女性はそれなりに見かけることがあるが、中高年男性は少ない気がする。オーバーサイズ化で体格が大きくなった中高年男女でも着やすいブランドになったとはいえ、デザインはやはり若者向き商品が多い。中高年男性が少なめに見えるのはその点が大きいのではないかと思う。

それと価格である。ユニクロは昨年秋冬に比べてほぼ全般的に500~1000円値上がりしている。ジーユーも同様に数百円~1000円くらい値上がりしている。

そうなると、ワークマンもいささか値上がりしているとはいえ、据え置きの商品も少なくないため、ジーユーを大きく下回る価格の商品が多い印象を受ける。

 

 

 

食料品、光熱費の値上げで節約志向が高まっているマス層中高年にとっては、ユニクロはもちろんのことジーユーよりもワークマンという消費行動になっても全くおかしくない状況にある。

さて、そんなワークマンだが、特にワークマン女子やワークマンカラーズタグの商品には、値下げ販売品が一時期よりもさらに増え始めた傾向が売り場では見て取れる。

「値札から〇〇%割引」

と書かれた黄色いシールが貼られている商品が何品番か常にある。

 

 

当方はこれを悪だと言いたいわけではない。逆に1000億円を越える規模で、さらにカジュアルファッション化したワークマンなら極めて当然の措置であると思っている。

 

 

ワークマンの2026年3月期決算の売上高にあたる営業総収入は1471億5200万円(対前期比7・5%増)と見通されている。まだ第1四半期が終わったばかりだが、12・2%増の増収なのでこのペースを保つことができるなら余裕で達成できる確率が極めて高い。

またチェーン店全店の売上高は1929億7000万円と見通されており、近いうちに2000億円を突破するだろう。

 

これほどの売り上げ規模に達し、なおかつワークマンカラーズとしてカジュアルウェアを成長エンジンと位置付けるのなら、値引き処分品が増えるのは当たり前なのである。

かつてのワークマンは値引きせずに長期間かけて売り切ることが特徴だった。

ワークマン仕掛け人激白!値引とはお客様への裏切り行為である。 | ワークマン式「しない経営」 | ダイヤモンド・オンライン

 

2021年2月の記事である。ほんの4年半前のことだ。

正確に言えば、当社の定価販売率は98%以上だ。
では残りの2%は何か。

一度売り出したプライベートブランド(以下PB)製品は原則5年継続して販売する。
5年経って販売終了するときに「3L」や「S」などの端サイズやド派手な製品だけが値引対象となる。

 

とある。これが成り立っていたのは、まだ当時は職人向け作業服がメイン商材だったからである。屋外で作業をする現場職人の作業着はすぐに傷んで買い替えになる。作業服といえどもカッコイイにこしたことはないが、突き詰めるとカッコヨサよりは機能性や価格が重要になる。そうすると多少気に入らない色や柄、形であってもどうせ1か月~3か月で使い潰すのだから機能性と価格を重視してそれを買う。すぐに買い替え時期は来る。

だから、モデルチェンジせず5年間売り続けることができた。

これをカジュアルウェアに導入できるかというと難しい。そんなことが可能ならユニクロもジーユーも無印良品もとっくに実現している。

 

カジュアルファッションでも売り上げ規模が小さく、顧客の顔がほぼ把握できているようなブランドやショップならその売り方は可能だが、それで1000億円を越える売上高には到達できない。

ワークマン女子から順次置き換わっていくワークマンカラーズは、今後どれだけ上手く不振商品を値下げ処分できるかに利益額が大きく左右されることになる。

 

 

 

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