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南充浩 オフィシャルブログ

衣料品よりも他の娯楽への支出を優先する人が増えたと感じた話

2025年10月31日 トレンド 0

世の中、いつの時代も常に何かしらの問題がある。

例えば少子化、例えば衣料品支出金額の減少、という問題についてはいずれも「所得が増えれば好転するだろう」という意見を見ることが少なからずある。

しかし、個人的には「お金が増えれば」という意見には賛同できない。現在の税制が変わって可処分所得が増えたとして、今のマインドのままで少子化が解決したり、衣料品支出額が増えたりすることはあまり起きないと思っている。

ちょっとくらいは増えるかもしれないが、大幅には増えないだろう。

 

 

理由は、何度も書いているが、娯楽の多様化による支出先の多様化である。

動画配信・音楽配信の各種サブスクリプション、コスメ、ヘアケア、ネイル、アウトドア、スポーツ、ガンプラ、推し活、など様々な趣味がある。可処分所得が増えたとして、その増えた分をすべて衣料品に回す人はそんなに多くないだろう。逆に各種趣味への支出を増やす確率の方が高いだろう。

各種趣味・娯楽の中でも個人的にあまり共感できないのが「推し活」である。もちろん、当方にも好感を持っているスポーツ選手やタレントは多くはないが、多少は存在する。

ただ、彼らに定期的に支出し続けて応援したいとまでは全く思わない。画面越しにしか観たことが無い人間に対してそこまで親身に応援する気は全く起きない。

 

 

一部女性には、ホストに対して「推し活」として借金をしてまで応援しているという場合もあると聞くが、それも当方には理解ができない。当方は、そういう飲み屋には行く気もないが、多少は顔なじみになった居酒屋やカフェがあったとしても借金をしてまで応援したいとは思わない。カネが無くなれば生活防衛のために行かなくなるだけのことである。

ただ、借金ホスト通いの是非は置いておいて、「推し活」への支出額は結構馬鹿にならないらしい。

例えばこのアンケート調査記事。

正社員の3割が「推し活」を楽しむ 月の平均支出は?(1/2 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン

正社員は「推し活」に、どのくらい費やしているのか。マイナビによると、正社員で「推し活」をしている人は28.5%に上り、1カ月当たりの平均支出は30代が最も多く、1万4692円だった。

とある。

また

推し活に使う1カ月当たりの「平均金額」は、トップが30代で1万4692円、20代が1万4026円、40代が1万3093円、50代が1万2540円だった。

 

ともある。

 

 

先日発表された衣料品への1か月あたりの支出額は3000円台だったと記憶している。もちろん、この衣料品統計は全世代を合計しての平均値となるから、このアンケート調査記事と単純比較はできないことは前提である。

しかし、正社員の約3割が誰かに対しての「推し活」をしていて、1か月あたりの支出額は20代、30代、40代、50代すべてで1万2000円を越えている。

明らかに衣料品よりも推し活への支出を優先していることがわかる。

 

 

それに約30%というとそこまで多くない印象もあるが、およそ3人に1人とすると結構な高確率だという印象に変わる。

そして、推し活をしていない残り7割の人も何らかの最優先支出先が存在していて、それが衣料品でない確率が高いと考えられる。

 

 

今回のアンケート調査記事に採りあげられた推し活について考えると、今後、税制改正などで手取りが増えて可処分所得が増えたとするとこの「推し活」勢は、恐らくそのほとんどを「推し活費」に振り分けるだろうと当方は考えている。

「推し活費は今まで通り1万数千円にとどめておいて、手取りが増えた1万円分を衣料品にまわそう」などと考える推し活勢はほとんどいないだろう。逆に「今まで1万数千円しか使えなかったが、来月からは推し活に2万円使える」と考えるのではないだろうか。

 

 

別にこれは「推し活」趣味に限ったことではなく、他の娯楽愛好者にも同様のことが起きると思われる。

現在の衣料品愛好者だけが衣料品への支出額を増やすことになるだろう。

 

 

先日、機会があって渋谷109の運営に取材をさせていただいた。

そこで出てきたのが現在の消費の特色は

1、ファッショントレンドの多様化・細分化

2、娯楽の多様化による支出先の多様化

だった。

 

 

要するに2010年代半ばまでのようなビッグなファッショントレンドは存在せず、多様化して細分化しているということで、例えば、マストレンドでいうと、ジーユーにはワイドパンツ、スーパーワイドパンツがある一方で、細身フレアパンツもある。これが2010年頃だったらスキニーパンツ一色だった。

ユニクロにしてもワイドパンツもあるし、一部では古いと言われているアンクル丈パンツも未だに健在である。ということは、それだけマストレンドが多様化・細分化しているということになる。

 

 

そして、何度も書いているように娯楽の多様化である。

衣料品への支出を最優先するという人が減って、他の趣味への支出を最優先している人が増えた。その中の一つが今回のアンケート調査記事にまとめられている「推し活」である。当方には推し活する人の気持ちはさっぱり理解できないが。

各種娯楽は、一個人に対してお金と時間の奪い合いをしている状態にある。衣料品もその中に巻き込まれており、今後、他の娯楽分野からどのようにして消費者のお金と時間を奪うのか、という課題が突きつけられているのではないかと感じる。

 

 

 

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