ライトオンが売上高至上主義から脱却したことは正しいという話
2025年10月21日 決算 1
さて、世間的には興味を持っている人は非常に少ないと考えられるが、個人的に興味があるのでライトオンの再建を眺めている。
業界メディアでもライトオンの決算については報道されるが、具体的な再建策は報じられていない。しかし、端的に言って、金融機関に見捨てられてワールドに買収された経緯から考えると、経営再建は急務である。
同じ、ジーンズカジュアル専門店チェーンのマックハウスは買収後に社名変更、ビットコイン参入、という形で効果の良し悪しは別として再建策らしきものを矢継ぎ早に実施している。
それに比べると、報道ベースではライトオンの再建策は報じられていないので、どうなっているのかと気になって仕方がないわけである。
ここ1年間のライトオンの動きを見てきて、個人的には「基本に忠実に」「当たり前のことを当たり前に」「凡事徹底」という言葉が想起される動きだった。地味で堅実なことしかやっていない。
恐らくそれが「再建策」なのだろうと思われる。
今回はライトオンの中期計画が手短ではあるが掲載されていたのでご紹介したい。
ワールドグループのライトオン、EC関与売上は33%減の14億円。「過度な値引き販売を抑制」 | ネットショップ担当者フォーラム
ライトオンは2025年8月期を初年度とする5か年の中期経営計画を推進。初年度は構造改革を最優先で実行した結果、対計画では全ての利益段階で計画を達成したという。重点施策として①不採算店舗の退店を早期に実施②退店に伴う人員配置の見直し、および本部・店舗組織のスリム化③全従業員の粗利・経費への意識と規律の徹底④業務プロセス効率化による固定費削減――などを実行した。
とある。
不採算店の撤退、人員配置の見直しとスリム化、固定費削減というのはやはり想像通り「基本に忠実に」という方針だったことがわかる。逆に旧ライトオンはこの基本ができていなかったということにもなる。
個人的に評価したいのが、③の全従業員の粗利・経費への意識と規律の徹底である。
これまでの経験でいうなら、「経費」に対してうるさい小売店舗は少なくない。小売店舗のみならず通常の事務所でも同様だ。
個人的な長い従業員経験から言うと「単に経費節約という言葉だけ」を上から押し付けられたところで、何をどれだけ節約すれば良いのか全く分からない。
そうなると、とりあえず全部を節約する、ということになる。実際これまで働いたすべての事務所、店がそうだった。
具体的な項目も目標金額も知らされず「経費節約」とだけ言われても従業員からすれば皆目見当もつかない。これを多くの上層部は見落としている。
また「利益」「粗利」に関してもそうで、単に「利益を増やせ」と言われても何をどのようにしてどれくらいの金額増やせば良いのかさっぱりわからない。
そうなると、とりあえずすべての値引きは止める、というぐらいしかやりようがない。
「意識と規律を徹底」というくらいだから、ワールドは具体的な項目と目標金額を提示しているのだろうと思われる。そうでなければ、掛け声倒れに終わるだろう。
ワールドがライトオンに「粗利」の意識と規律を強調している理由は、旧ライトオンの経営者が「売上高至上主義」だったためだと考えられる。売上高を増やすことのみに主眼を置いて、不採算店の出店・維持、無理な在庫量の仕入れ・製造、などを行い続けてきた。そのため、金融機関にも見捨てられるほどの赤字を計上して今に至るわけである。
ワールドは常々、ライトオンに対して「売上高至上主義からの脱却」を進めていて、その方針は旧ライトオン経営陣の見識よりもはるかに正しい。
すでに「従来型ジーンズカジュアルチェーン店」という業態がマス層から支持されなくなっているという世論において、旧ライトオンのようなやみくもな店舗数拡大は自殺行為でしかない。売上高至上主義は高度経済成長期・バブル期の世情を反映したものであり、経営陣がそのころからのやり方を変えられなかったことが旧ライトオンの最大の敗因だろう。
続けて、26年8月度の方針を見てみよう。
なお、2025年8月期は未達成事項としてECプラットフォーム強化をあげている。ECチャネル単独での利益改善はしたものの、トップライン対応はいまだ不足と説明。親会社となったワールドグループの指導・助言を得ながら売上拡大とECチームの生産性向上を進めているという。
2026年8月期のEC関連の取り組み
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ワールドグループのインフラを活用した調達物流コストの効率化
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OEM機能を通じた売れ筋商品の再設計や共同開発を進め、売り場の鮮度維持と粗利改善
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Eコマース強化として店舗とオンラインを連動させた販売体制の構築
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生販/在庫を一体で管理できる基幹システムを導入し、在庫回転率を向上
とのことで、ECに関してはまだ伸ばせる余地があると見ているようで、それは当方も同感である。
ライトオンのEC化率は4・8%しかない。
ライトオンの2025年8月期のEC関与売上高は前期比33.0%減の14億円だった。EC化率は同0.4ポイント減の4.8%。
当方はEC化率は青天井で高くなるとも、高ければ高いほど優秀企業とも、毛頭考えていないが、4・8%はあまりにも低すぎる。最低でも10%に高めることは可能だろう。
一発逆転を狙った博打のようなマックハウスよりも、基本に忠実で堅実な姿勢を見せるライトオンの方が、個人的にははるかに評価できる。
マックハウスのビットコイン投資(投機?)、10/15の記事の時と比べると、今日10/21では含み益4億3000万円くらい減りましたねw
なんか、ウクライナの有名投資家は仮想通貨で45億円くらいだったか損害だして、ランボルギーニの車内で自殺してたとかいうニュースも見ましたが、マックハウスとライトオンの行方やいかに?