今のリカバリーウェア市場の活況は「お試し購入」に拠るところが大きいという話
2025年10月8日 トレンド 0
リカバリーウェアの市場が過熱している。
衣料品業界にとっては近年メガヒットアイテムがほとんど見当たらないことから、大いに期待して相次いで参入している。
「Red」がスギ薬局で売られ始めたことから、一般消費者の目に触れる機会も飛躍的に増えている。また、すさまじい売れ行きはワークマンである。
先日、天王寺Mio6階の「ワークマン女子」を覗いたところ、メディヒールは完売していて、メディヒールのシーツは在庫が豊富に残っていた。シングルサイズが1900円なのでそのうちに買って試してみようと思っている。
リカバリーウェアは2020年頃から本格的に販売が始まった。徐々に消費者認知を高めてきたが、上下セット3800円というワークマンの登場は一気に購買客数を増やしたといえる。
それまで1万円~2万円台が中心だったリカバリーウェアに圧倒的な低価格で参入したため、「試しに買ってみよう」という人が急増した。
やはり、低価格は強いのである。
これまで何度も買いてきたが、たかが寝間着に1万円、2万円も支払いたくないという人が当方も含めてほとんどなのである。ましてや、着用効果がわかりづらい。
ワークマンやAOKIですら自社商品に「70%前後の人が効き目を体感しました」と表示するのが精いっぱいなのである。70%も効けば十分だと感じるかもしれないが、要は4人に1人、3人に1人は効果を感じないわけである。これはかなり体感差があると言わざるを得ない。そうなると高額品を買うことはさらにためらわれる。効果が無いならそこらへんで買った上下1000円のスエットを着て寝た方がマシである。
繊研新聞は先日アンケート記事として「リカバリーウェアの効果を体感できた人は50%」と掲載しているから、半分の人には効き目は感じられないわけである。そうなると尚更高額品は買いたくない。
着るだけで疲労回復? リカバリーウエア活況 低価格商品もヒット | 毎日新聞
着るだけで疲労回復を促すという「リカバリー(休養・抗疲労)ウエア」が活況だ。各メーカーが参入し高額商品が出回る中、低価格で大衆化をはかっているのが「ワークマン」の秋冬商品。9月に発売して2日間で既に昨シーズンの実績20万点を上回り、27万点が売れた。
とのことで、一般紙でも大々的に報道され始めた。
実際に当方も5月に購入して、4カ月以上着用し続けたのだが、効果としては「あんまりよくわからない」という感じである。以前にも書いたが、肩凝り・腰痛持ちだが、大して緩和されたとは感じられない。ただ、何となく続いていた倦怠感は軽くなった。そういう意味では「何となく効いているような気がする」というのが当方の偽らざる体感である。
ただ、倦怠感の軽減というのは、メンタルや普段の食事、運動、サプリの摂取など様々な要因が絡んでいるため、リカバリーウェアだけのおかげとは断じにくい。
さて、記事では
一般医療機器としてのリカバリーウエアの定義は「衣類形状を有する」となっているので該当しないが、寝具や雑貨などへ素材を使うことも増えているという。休養や抗疲労をうたった商品は、さらに広がり続けそうだ。
と締めくくっているが、今後、リカバリーウェア市場がさらに拡大し続けるかどうかは現時点では判断ができないというのが個人的な意見である。
なぜなら、今の活況は「お試しで買っている人が多い」からだと思われるからだ。
最近の報道を見て、ワークマンの値段なら「お試しで買える」と考えて購入した人がほとんどだろう。また、ワークマンが今秋物から生産数量を10倍に増やしていることから入手しやすくなった。
用法にあるように2週間くらい着用し続けてみて効果が体感できるので、着用し続けた結果、リピーターになるのかどうかである。
効果が体感できなければそこら辺で買ってきた上下1000円のスエットを着て寝る生活に戻る人もいるだろう。リカバリーウェアの市場規模というのはまだ確定していないと当方は見ている。
《ホリエモン発案の高級パン屋》まさかの大量閉店…“生”食パンブームにのった「小麦の奴隷」124店舗→56店舗に激減へ(大久保 一彦,マネー現代編集部) | マネー現代 | 講談社
まあ、タイトルを見れば内容はおわかりいただけるだろう。
この「小麦の奴隷」に先駆けて「銀座に志かわ」や「乃がみ」などの高級食パン店も大量閉店があった。あと、変な店名の高級食パン店各店も同様で、こちらはもうほとんど残っていないのではないかと思うほどに店舗が無くなった。
リカバリーウェアは出始めのころの「高級パン」と同様なのではないかと感じる。
結局、一時的にブームとして盛り上がった理由の1つに「話題になっているから試しに買ってみた」という人が多かったと考えられる。
パンというのは主食の一つなので、毎日、毎食くらい食べることになる。買って来た物を全て食べ終わったときに、再度購入するかしないかという判断が下される。
高級パンの価格は決して高すぎるわけではないが、毎日とか3日に1回買うには高い。そうなると別にリピートしなくて良いかな。という判断に至る人も少なくなかった。そのため店舗数が激減したわけである。
とは言っても、に志かわ、乃がみ、小麦の奴隷ともに何店舗かは残っているからその分だけの需要はあったということだろう。
リカバリーウェアのお試し購買期間はもう少し(長くてあと3年くらい?)続くだろう。しかし、その後、効果を体感した人だけが買い替え・買い足すという市場になる。体感しない人からすればワークマンの商品といえども、寝間着としては3800円は高すぎるから絶対に買い替え・買い足しをしない。
その際、ブランド数は淘汰されるだろうし、ワークマンも生産数量を今の200万点から減らして落ち着くことになる。多分、それがリカバリーウェアの適正規模ということになるのだろうと思って眺めている。