国内ユニクロの売上高が1兆円越え(見込み)の衝撃
2025年9月26日 決算 1
先日、9月13日付けで日経新聞がユニクロの国内売上高が1兆円を越える見込みであることを報じた。
ユニクロ国内売上高、アパレル初1兆円超え 大型店やデータ活用寄与 – 日本経済新聞
ファーストリテイリングの2025年8月期の国内ユニクロ事業売上高が、前の期比10%増の1兆300億円前後になったことがわかった。アパレル企業で国内売上高が1兆円を超えるのは初めて。新型コロナウイルス禍を経てこの数年停滞していたが、店舗の大型化やデータ活用による需要予測で売り上げを大きく伸ばした。
とのことである。
ファーストリテイリング側からのニュースリリースは無いから、日経新聞の独自記事であることがわかる。日経新聞が試算したのか、ファーストリテイリングからのリークがあったのかはわからない。
これについて考察している記事がこれである。
ファーストリテイリングの25年8月期決算発表は10月9日になるから「ユニクロ売上高 国内1兆円超え」はファーストリテイリング側からのアナウンスか、9月2日に発表された8月度売上推移速報の「直営店+Eコマース売上高の期初からの累計前年比110.0%」を前期の国内ユニクロ事業売上高9322億2700万円に適用した1兆254億5000万円から推計したものと思われるが、「1兆300億円前後」と書いているから何らかのアナウンスがあったのだろう。
と推察している。
7月に発表した第3四半期連結では、ユニクロ国内売上高を8014億円(対前期比11・0%増)と発表している。ひどく乱暴な計算方法を行うと、単純に4シーズンで割ると、1シーズン辺り2000億円の売上高があることになるから、4シーズン合計では1兆円強という数値が推測される。
また8014億円を3シーズンで割ると、2671億円という平均値になるから、残り1シーズンも平均値の売上高があると仮定すると合計すると1兆680億円という数字が推測できる。
もちろん、ファーストリテイリングからの日経新聞へのリークもあったのではないかと思われるものの、それを除いて推計してもどの方法であっても売上高1兆円を越えることは確実とわかる。
単一ブランドの衣料品販売店で国内売上高1兆円を越えることは国内史上初めてのことである。
ついでにジーユーを見てみると、第3四半期決算で2562億円の売上高があるから、通期だと3300億円内外の売上高があると考えられる。
ついでに、国内第2位のしまむらの売上高を見てみると、
2025年2月期連結では売上高は対前期比4・8%増の6653億円となっていて、26年2月期の売上高は6926億円を計画しており、27年2月期には7000億円を突破することは確実だと思われる。
ファーストリテイリングの2ブランドと、しまむらの売上高を合わせると2兆円を越えることになる。もちろん、ジーユーの売上高には海外事業分も含まれているが、それを除いても3000億円は確実だろう。
かつての合計売上高は1兆5000億円だったが、ファーストリテイリングの2ブランドと、しまむらの売上高はさらに増えており、合計2兆円に達しようとしている。
言ってみれば、ファストリ2ブランドとしまむらの国内占有率はさらに高まったということになる。
ちなみに、国内アパレル総小売市場は矢野経済研究所によると、2024年は3・7%増の8兆3564億円となっている。2025年は終了していないのでまだ発表されていないが、8兆5000億円程度になるのではないかと個人的には見ている。
国内アパレル市場に関する調査を実施(2024年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
ファストリ2ブランドとしまむらの合計はこの国内アパレル小売市場で25%程度の占有率にまで達していることになる。
コロナ禍前の2018年は9兆2300億円、2019年は9兆1700円となっており、24年は回復傾向にはあるもののコロナ禍前の水準には戻っていないことがわかる。25年も回復基調は続いているだろうが、コロナ禍前の9兆円台にはまだ達しないのではないかと当方は考えている。
国内市場規模がコロナ禍前に達しないままに、ユニクロとジーユーがそれぞれ増収し、しまむらの全社売上高も増収しているわけだから、コロナ禍前よりも市場占有率は大きく高まっているということは容易に思い至る。
以前、繊研新聞が「大手チェーン店上位10社が国内市場の7割を占めている」という記事を掲載したことはこのブログでも紹介したが、その7割のうちの大半をファストリとしまむらが占めているということになる。
原因として社会保障費の徴収が増えているために可処分所得が減っているないし伸び悩んでいることは大きいだろう。しかし、大衆層・マス層の支出先として衣料品が優先されにくくなったという嗜好性の変化はそれ以上に大きいと思われる。娯楽の多様化である。各種のサブスク、キャンプ、自転車、ゴルフ、推し活など趣味の支出先が増えている。そういう人の多くは、衣料品への支出は抑えたいからユニクロ・ジーユーでいい、しまむらでいい、という買い方になるのは当然の帰結といえる。
ファストリ2社としまむらの国内市場占有率はしばらくの間上昇し続けることになるだろうと思っている。
祇園精舎の(以下略
幸之助亡き後の松下(→Panasonic、
中内亡き後のダイエー、
新機種出すたびに「ジョブスならこんなもの許さなかった」と叩かれるApple、
あるいは、三代目亡き後の創(以下自粛
のごとく、
強すぎるカリスマゆえに「柳井亡き後のFR」がどうなるか?に興味津々だったりも。
さすがにこの先2,3年でコケることはないでしょうが、
南さんのライター寿命が尽きるより先にファストリが凋落している可能性もないとはいえないんではw
そこで問題は業界全体が「柳井教」になっているとマズくて、
教祖を喪った後であっさり外資──おそらくは中国──に蹂躙されるのは
別段ネトウヨでなくとも見たくない光景ではありますね。
ま、いまでもケアラベルみればあらかた「中国制造」ですやん、といえば変わりはないかもしれませんがね