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南充浩 オフィシャルブログ

「1店舗当たりの平均売上高」で見ても際立つユニクロとジーユーの強さ

2025年9月5日 売り場探訪 0

衣料品専門店は大手専門店チェーンの寡占化が進んでいるという記事を以前にご紹介した。

24年度専門店売上高 中堅以下が苦戦、大手による寡占化進む | 繊研新聞

自分の体感としても大手チェーン寡占化は進んでいると感じている。

 

この記事を補足する記事が先日掲載された。特に「期末店舗数と1店当たり売上高」という表は資料的価値が高い。

《専門店ランキング調査から㊤》店舗数 2年連続で増加、不採算店舗の整理一巡 | 繊研新聞

繊研新聞社が実施した「24年度専門店ランキング調査」は、19~23年実績との比較が可能な83社合計の売上高が4兆8604億5900万円で、23年度比4.8%増、19年度比も9.6%増となり、コロナ禍前の水準を上回って回復が進んだ。店舗数は20年以降、減少傾向にあったが、23年に増加に転じ、24年も全体に増加が続いた。

とのことで、25年度は現在9月なのでまだ出そろっていないため、この24年度が最新データとなる。

以前の記事だとこの4兆8604億5900万円のうち、上位10社で7割の売上高を占めているという報道だった。当方の体感的もそれに合致する。

 

低価格ゾーンで買うなら、ユニクロ、しまむら、ジーユー、無印良品、ワークマンあたりがベースにあって、それに不足してる商品はアダストリア、ハニーズなどで買う。

高感度セレクト系なら、まずユナイテッドアローズ、ビームスあたりがベースになるという消費者は多いだろう。それに足りない物を中小零細セレクトや古着屋で探すという消費行動ではないだろうか。

 

 

 

なので、低価格ゾーンはもちろんだが、セレクト系でも大手チェーンのシェア率は高まりやすい。個人の生活スタイルは様々だが、衣料品の何から何までこだわりのブランドを選んでいるという人は業界内でもあまり見かけたことがない。業界内ですら見かけないのだから一般消費者間ではその人口はさらに少ないだろう。

もちろんそういう小規模市場を狙うというビジネスはありだろう。ただ、そのスタイルのままで大手規模に成長するというのはほとんど不可能に近い。

 

 

今回は、この記事の表から1店舗当たり売上高について見てみたい。

見やすいように記事内から表を引用させていただく。

 

これは店舗数の多さ順に上から並べられている。

1位しまむらで2207店舗である。これはしまむら以外のアベイルやバースデイなどの屋号も含めた店舗数で他社も同様である。

30位は赤ちゃん本舗で127店舗である。

もちろん「24年度」なので25年度版が発表されれば、各社の店舗数と順位は変動することになる。

 

面白いのは店舗数が500店台というのが1社も無いところである。14位のAOKIが603店舗で15位のジーユーが472店舗である。

500店舗台というのは維持するのが難しい店舗数なのかもしれない。上振れすれば600店舗台になるし、不調になれば400店舗台へ減るという傾向が強いのではないだろうか。

 

 

一方、右側には「1店舗当たり売上高」がそれぞれ記されているが、この高低は店舗数ランキングと全く比例しない。

ちなみにこの数値は、売上高を店舗数で割った1店舗あたりの平均売上高なので、それぞれの社の中にはこの平均を大きく上回る売上高の店舗もあれば、大きく下回る店舗も存在する。あくまでも1店舗当たりの平均売上高である。

 

 

この平均売上高を眺めると、圧倒的に多いのがユニクロで11億7000万円もある。1店舗あたり平均で11億円もの売上高があるのだから、強い。

そしてこの「11億7000万円」というのは他社に比べて突出して高い。これに迫る店舗売上高を記録しているブランドは無い。

 

2位がジーユーの6億7600万円だが、ユニクロとはダブルスコア近く離されているから、ユニクロの各店舗の強さのほどがうかがい知れる。

3位が意外にも赤ちゃん本舗で6億5700万円となっていて各店舗の売れ行きは根強い。ただ、衣料品だけに限った店舗ではなく、粉ミルクやベビーカーなど子供向け用品全般を扱っていることは留意が必要だろう。

4位は良品計画の5億9500万円で、衣料品の店内構成比率は低くはないが、これも食品や家具なども含めた売上高という点に注意は必要になる。

 

 

このように見てみると、衣料品がほとんどという店にもかかわらず、ユニクロとジーユーの店舗売上高の強さは際立っているといえる。

大手セレクトでは、ユナイテッドアローズとビームスの店舗売上高が強い。

ビームスは5億2200万円、ユナイテッドアローズは4億6900万円となっており、他のセレクトショップチェーンよりも図抜けている。

 

 

一方、取扱い商品や店舗面積にもよるが、1店舗あたりの売上高が1億円に遠く及ばない企業は概して厳しいのではないだろうか。

たとえば、店舗数3位のストライプインターナショナルは店舗あたり売上高が6900万円しかない。各店舗の採算性は相当低いのではないかと考えられる。

マックハウスの5200万円、パレモの6200万円も相当に厳しい。

 

靴下のタビオは6300万円だから、マックハウスとパレモの各店舗売上高は、商品単価の低い靴下専門店に及ばないということになるし、ストライプインターナショナルの採算性も相当に厳しい。

 

ローコストオペレーションゆえに都心部への出店が少なかったしまむらだが、店舗あたり売上高は2億9700万円もあり、金額としては上位にランクインしていることがわかる。近年の好決算も当然といえる。

外野から眺めていると下げ幅の大きさに目が向きがちなライトオンだが、店舗売上高は1億400万円もある。このため、不採算店を全閉店して採算店だけを残せば業績は好転するというのが、買収したワールドの読みなのではないかと思っているのだがどうだろうか。

 

 

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