「ブランドジーンズ」への注目度が低くなったきっかけを考えてみた
2025年8月1日 ジーンズ 1
先日から、何度か某欧米ジーンズブランドの国内販売に関する意見を求められている。
とはいえ、当方ごときの意見がそんなに重要視されるはずもないので「自分はこう思いますよ」という程度のことをお伝えさせていただいている程度である。
メンズかレディースかによって異なる部分はあるとは思うのだが、2000年代後半と現在を比較してみると、「ジーンズブランド」にこだわらないという人が大幅に増えているのではないかと感じてしまう。
かくいう当方は、心身の老化によってめっきりとジーンズを穿く回数が減った。まず、猛暑なので夏場は穿かない。次に雨の日はなるべく穿かない。濡れると乾くまで時間がかかるからだ。
通常の店頭で売られているジーンズはだいたい11~14オンスくらいで、綿100%か綿高混率である。これが濡れるとなかなか乾かない上に重くなる。なので雨が降っている日はほぼジーンズを穿かない。これは今後も変わることがない。
90年代後半のユニクロブームから低価格ジーンズの伸長はあった。しかし、それでも「ブランド」にこだわる人は当時のメディアが思っているよりも多かった。
だから、2000年代前半のローライズブーム、2000年代半ばのブーツカットジーンズブームでも「ブランドジーンズ」がクローズアップされ、レディースでは百貨店のジーンズ売り場が好調だった。
一時期のジーンズ離れから一転して現在は、若者層にジーンズ回帰が見られる。ただ、そこには2000年代半ばまでほどの「ブランド信仰」は見られないように感じる。
傍から眺めている限りにおいて明確にブランドが判別できるジーンズを着用している人は以前に比べると多くない。実際に百貨店のレディースジーンズ売り場も以前ほどの活況は取り戻せていないし、ジーンズチェーン店が苦境に陥っているのはこれまで何度も報道されている。
では、ジーンズブランド信仰が薄れてしまった原因はなんだろうか?
もちろん、可処分所得の伸び悩みはあるだろうが、当方が直接のきっかけだったと感じるのは、2008年以降のスキニージーンズブームである。
ブーツカットブームが終わり、スキニージーンズが新たなトレンドとして注目された。
これまでのジーンズには無い貼りつくような細身のジーンズである。登場した当初こそ「ヌーディージーンズ」あたりのブランドが注目を集めていたと記憶しているが、2010年頃になると目ぼしいブランド名は聞こえなくなった。にもかかわらず、男性女性ともに多くの人がスキニージーンズを制服のように当時は着用していた。
どこかで買っていることは間違いない。当方はその多くがユニクロやジーユー、無印良品、ハニーズなどの低価格ブランドだったのではないかと考えている。
低価格ブランドは匿名性が高くて、特徴的なディテールが無いから、バレにくい。
本来なら「ジーンズらしさ」を求める層は一定数必ず存在するから、そういう人たちが良くも悪くも何らかの声を挙げるはずだが、その声は大きくならなかった。
スキニージーンズに求められることは細身のシルエットと高ストレッチ性で、いわゆる「デニム生地らしい色落ち」とか「デニム生地の風合い」ではなかった。
ブーツカットブームまでは生き残っていた「タテ落ち感」だとか「アタリ」だとか「ヒゲ」なんてことには注目されなくなってしまった。
そうなると、いわゆる「ブランド物」でなくとも構わないと考える人がマス化するのも当然だろう。
実際に当方も当時のスキニージーンズで「ブランドジーンズ」を買ったことが無い。ユニクロ、ジーユー、無印良品でしか買っていない。個人的には当時買った中では無印良品のスキニーが最も気に入っている。
2020年頃から古着人気が高まったことによってビンテージジーンズへの注目も一部界隈では復活したきらいもある。また、それによる「リーバイス」ブランドへの再注目を感じることも増えた。
しかし、だからと言って2007年までのような「ブランドジーンズ信仰」や「ビンテージ感覚の色落ち」がマストレンドにまで広がるとは当方は到底思えない。
一つのジャンルとしては復活するだろうが、マストレンド化するようには到底思えない。
まして、以前にも書いたように2020年ごろからのジーンズ回帰は、特定のブランドやデザインに注目されているわけではなく、デニム生地で作られた衣料品全般が再注目されていると感じられる。
定番的な5ポケット型ジーンズだけでなく、スラックス型やワークパンツ型など幅広い。いわば「デニム生地で作られたズボン」に再注目されているといえる。
さらにいえば、今の再注目が長続きするかどうかすら、当方は疑問視している。今回のジーンズ回帰は、デニム生地がトレンドに浮上したためだと当方は見ており、このトレンドが去ると、ジーンズ回帰も同時に終了してしまうのではないかと考えている。
以上の背景を踏まえて、欧米ブランド好きという層に年間数億円売るという方法なら、その某欧米ジーンズブランドも軌道に乗るのではないかと考えている次第である。
最近の イケてるジーンズ だいたいドメブラ