「ガチ固定客」だけが残ったと思われるキャンプ市場
2025年7月30日 考察 1
突然に終了するブームというのは少数派でいつの間にか、しぼんでしまう方が多い。
先日、デカイ馬のロゴと数字を貼り付けたラルフローレンのポロシャツを着ている中年男性を見かけたが、久しぶりだったので懐かしく感じた。
そういえば、2000年代後半からブームとなったデカい馬ロゴポロシャツだったが、いつの間にかメディアにも取り上げられなくなったし、着用している人を見かけること自体が激減した。
逆に今では昔ながらの小さい馬のロゴのラルフローレンのポロシャツを着用している人を圧倒的に見かける。
これと同様に感じるのが、コロナ禍に起因したゴルフブームとキャンプブームである。
コロナ自粛下において数少ない好調市場だったが、23年のコロナ自粛明けから徐々に報道されることが目に見えて減ってしまい、どちらにも興味も接点も無い当方レベルの人間だとすっかりと記憶の彼方に消え去っていた。
そんな中、2024年のキャンプ市場の統計が発表されたわけだが、案の定減少の一途をたどっている。不振というよりはコロナ自粛バブルが終わり、適正規模の落ち着いたきたというのが正確だと当方は考えている。
24年のキャンプ市場 猛暑、物価高で打撃 遮熱機能や小型エアコンなどで快適に | 繊研新聞
猛暑と物価高の影響で人口、市場規模とも縮小――日本オートキャンプ協会(JAC、田代嘉宏会長)が発表した「オートキャンプ白書」によると、24年のキャンプ参加人口は590万人(前年比1.7%減)となり、3年連続で減少した。用品市場規模も698億円に落ち込んだが、平均宿泊数や実施回数はコロナ前の水準を上回った。JACでは「キャンプの根強い支持は続く」と見る。
とある。
個人的には25年のキャンプ市場も引き続き減少すると考えているが、減少幅は狭まるだろうと見ている。
JACという組織はキャンプを推進するための組織なので「平均宿泊数や実施回数はコロナ前の水準を上回った。キャンプの根強い支持は続く」とポジティブコメントを残しているが、それは違うのではないかと思っている。
コロナ自粛バブルで大量に参入した新規勢がほとんど抜けて、従来からのキャンプファンだけが残った状態に近づいているのではないかと思う。もちろん、新規勢の中にも「キャンプの面白さ」に目覚めて残った人もいるだろうが、そんなに多くはないだろう。
ゴルフにせよキャンプにせよ、長期間のコロナ自粛によって、室内の娯楽が著しく制限された。そのため「代替案」としてゴルフやキャンプなどに流れた人が多かったというのが実態だろう。
飲み会、カラオケ、ライブ観戦などのインドア派も仕方なしにゴルフやキャンプに参加したのが実状だと考えた方が正解だろう。
ちなみに、当方はその期間は一人で自宅に籠ってYouTubeを見ながらガンプラを作っていた。代替案としてもゴルフにもキャンプにも興味が無かったからである。
当方の孤独生活はさておき。
24年の参加人口は減少したとはいえ、前年比1・7%減にとどまっているので、底打ちが近くなっているのではないかと思われる。恐らく580万人くらいが「キャンプガチ勢」だと考えられ、根強い固定ファンだといえる。
一方で、市場用品規模の落ち込みはすさまじい。記事では698億円と金額は表記されているが、前年増減比は書かれていない。なのでどれほどの落ち込み具合かがさっぱりわからない。
そこでウェブを検索すると次の記事が出てきた。同じ繊研新聞ウェブ版の記事を転載したものである。
23年のキャンプ市場 縮小も19年上回る ソロ比率上昇で人口減、日常に近いレジャーに | 産業別動向記事 | プレミアム | ニッキンONLINE
市場規模は前年比15.3%縮小も19年は上回り、年間キャンプ回数は過去最多に――日本オートキャンプ協会(JAC、明瀬一裕会長)が7月11日に発表した「オートキャンプ白書」によると、23年のキャンプ用品市場規模は803億円となり、この10年で最も落ち込んだ。ただ19年(753億円)と比べるとその規模は上回っており、JACは「コロナの影響が大きかった20~22年を除けば、市場は順調に伸びている」と見る。
とある。
23年のキャップ用品市場規模は803億円もあった。24年の用品市場規模は698億円となっていて700億円を割り込んでいるから実に100億円以上も減少してしまっている。そしてこの803億円でさえ、前年比縮小しているので、用品市場規模の急落ぶりはすさまじいというほかない。
ちなみに22年の市場統計記事は以下である。
キャンプメーカーが〝場〟作りを強化 22年の参加人口は100万人減、市場も縮小 | 繊研新聞
日本オートキャンプ協会(JAC、明瀬一裕会長)が7月に発表した「オートキャンプ白書」によると、22年のキャンプ参加人口は前年の750万人から650万人に減ったことが分かった。人口減に伴い、キャンプ用品市場も948億円となり、前年の998億円から5%縮小したが、コロナ禍前は上回った。メーカーは、アウトドアに触れる機会を増やすため、キャンプ場やバーベキュー(BBQ)ができる〝場〟作りを強化する。
とあり、21年の用品市場規模は998億円、22年は948億円だったことがわかる。23年は22年よりも105億円も減少し、24年はさらに105億円減少しており、急落が止まらないことがわかる。
さらにいえば、コロナ禍以降、物価高で物の値段は上がっている。商品価格は上がっているのに市場規模は105億円ずつ下がって行っているのだから、いかにキャンプ用品が売れていないのかが伺える。
参加人口もついに600万人を下回ってしまった。
記事では、「平均宿泊数や実施回数はコロナ前の水準を上回った」ことを持ち上げているが、これは残った「キャンプガチ勢」が今までにも増して熱心にキャンプをするようになったことを表しているだけだろう。マニア化した客がより熱心に活動するようになったというわけである。
ただ、先述したように参加人口の減少幅も小さくなってきており、そろそろ底打ちではないかと思われる。
今後、キャンプ市場は580万人前後と推察される「ガチ勢だけ」を相手とした商売が主軸となるため、競合他社からのパイの奪い合いが激化する一方となるだろう。
私が、むかーし、渓流釣りに誘われた時に買ったSnowPeakのチタン製マグカップと、一回だけ使った寝袋は未だに家に置いてありますが、キャンプ用品って消耗品以外は一回買ったら、そうそう買い替えないもんですよね。
コロナ禍で始めたニワカキャンパーの人たちも、そのまま続けるにせよ最初に用意したキャンプ用品はそのまま使えるから、消耗品と何か不足してるモノを買い足すくらいでしょう。調子に乗って在庫増やしたり過剰に設備投資した会社はお疲れ様でしたってところですね・・・