中高年にバブル期の政治家の服装を連想させてしまう「半袖ジャケット」
2025年7月28日 トレンド 2
天気予報によると、今週の大阪は最高気温40度近くの日が続くとのこと。
37~39度の予報が連日続いており、その数字を見るだけでグッタリとしてしまう。当方は本当に夏が嫌いである。来週からはいささか下がって33~34度が続くという予報なのだが、この予報が的中すると、猛暑のピークは今週だということになる。一刻も早くピークアウトしてもらいたいものである。
これだけ長期間に渡って猛暑日が続くと、頑なだった業界内からもクールビズの是非を問う声がほとんど挙がってこなくなった。
いくら、室内で冷房がかかっているとはいえ、仕事では外回りもあるためクラシカルなスーツスタイルでこの猛暑を過ごすことは耐え難い苦痛だし、場合によっては健康を害する。
暑さが嫌いな当方は95年当時からクールビズ大賛成である。
半袖シャツだけ、ポロシャツだけ、というスタイルは暑さの観点から大歓迎である。またスーツにシャツを着る際もネクタイ無しで第一ボタンを開けるのも大賛成である。あれだけで体感温度は結構変わる。
見た目はあまり良くないが半ズボンも賛成である。
そんなクールビズマンセー派の当方でも抵抗感があるのが「半袖ジャケット」「半袖スーツ」である。
かつて、総理大臣などの有力政治家が強烈にプッシュしても「半袖ジャケット」は業界内外で定着することは無かった。
ところが、記憶では昨年か一昨年ごろから、トレンドメンズブランドの多くが「半袖ジャケット」「半袖スーツ」の販売を開始した。
その時、当方は「故・羽田孜・元総理」の姿を思い出した。というより、それが羽田孜・元総理ルックにしか見えなかった。今でもそれは変わっていない。
ただ、今夏も半袖ジャケット、半袖スーツの提案・販売は続いている。
半袖ジャケットに透ける環境問題と解放──削ぎ落として核心に迫る「ヨウジヤマモト プールオム」
ヨウジヤマモト プールオム2026年春夏コレクションの最初のパートで登場したのは、極薄のシルクジョーゼットを用いた半袖ジャケット。裏地や縫い代を極力排除しながら、テーラリングの立体を維持する建築的な仕立てが印象的だ。袖口から半袖シャツをのぞかせ、裾のボタンを一段外すことで、テーラードの規範も柔軟に解釈。ゆとりのあるシルエットが、心地よさとモダンな余白を両立させている。
とのことで、画像では容姿端麗な男性モデルが着用しているので、何となくカッコよさげには見えてはいるが、当方の大脳は羽田孜・元総理の姿を鮮明に投影し続けている。
当方が毎月、修業も兼ねて購入しているアンドエスティでも5~6ブランドで半袖ジャケット、半袖セットアップの販売がなされており、羽田孜・元総理の幻影を重ねながら商品をチェックしている次第である。
とりあえず、1点だけアンドエスティから画像をお借りして以下に貼り付けておく。

これについての記事が2018年に掲載されている。
羽田氏が愛した元祖クールビズ 老舗が込めた創意工夫 – 日本経済新聞
省エネルックがお目見えしたのは1979年。第2次石油ショックを受け、当時の大平正芳内閣が提唱したのが始まりだ。省エネ対策として、政官が盛んにPRしたものの、定着には至らなかった。そうしたなかにあって、後に首相となった羽田孜氏(1935~2017年)がこだわり、愛用し続けていたことをご記憶の方も少なくないだろう。
とのことで、元祖は大平正芳首相だったようで、79年のことなので当時9歳だった当方にその記憶は残っていない。当方が今も鮮明に残っているのが羽田孜・元総理で、記事によると91年から本格的に着用したとのことである。
その舞台裏をよく知るのが、1894年(明治27年)創業の老舗メーカー、カインドウェア(東京・千代田)の渡辺喜雄会長だ。
渡辺氏が羽田氏のために省エネスーツを仕立てるようになったのは1991年、羽田氏が宮沢喜一内閣で蔵相に就任してからという。「羽田氏とは親戚関係にあった」というのがきっかけだ。
とある。
91年といえば、当方は21歳の大学生だから、記憶は今も結構鮮明に残っている。
ハッキリ言って当時は大学生の間では全く話題にならなかった。その後、総理を退任してからも羽田孜・元総理は半袖ジャケット、半袖スーツを夏場に着用し続けていた記憶があるが、世間的には評価されなかった。
衣料品業界に就職してから、業界内の声を聞けるようになったが、大不評だった。あのスタイリングを褒めている業界人には現在に至るまで会ったことが無い。
そんな大不評だった半袖ジャケット、半袖スーツがまさか2020年代に突入してからトレンドブランドやデザイナーズブランドで提案されるようになるとは予想だにできないことだった。
もし、彼が存命だったならかなり喜んだことだろうと思う。30数年後にあれがトレンド商品に浮上するとは彼も思っていなかっただろう。
半袖ジャケット、半袖スーツが提案された背景は、決して羽田氏らの省エネスーツに40年の時を経て賛同したからではなく、酷暑・猛暑に対応するための施策の1つに過ぎず、結果的に同じような見た目になってしまったというのが実態だろう。
ただ、面白いのはその当時の記憶が無い若い世代はこの服装を奇異に感じることが無いという点である。それはちょうど、80年代後半~90年代半ばまで全盛だったオーバーサイズが、20数年後の2010年代後半から復活したことと似ている。
バブル期のオーバーサイズに対して、その記憶が鮮明に残っている世代はずっとNGだったが、その当時の記憶が無い(生まれていないから)若い世代は抵抗が無く、むしろ斬新だと評価したわけである。
そんなわけで、しみじみと大平正芳氏や羽田孜氏の画像と見比べながら、今夏の半袖ジャケットを公式通販サイトで眺めている次第である。
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細野 より: 2025/07/30(水) 12:52 PM
それよりも、モデル写真の真珠のネックレスの方が気になった。最近、メンズで真珠のネックレスをしている人を見かけた時はびっくりした。
こ、これは、細身のイケメン以外は絶対に着ちゃダメなヤツ( ºωº )