国内市場ではそれほどには支持が高まらなかったZARAとH&M
2025年7月10日 売り場探訪 1
最近めっきり心斎橋界隈に行く用事が減ったので、遅ればせながら知ったのだが、H&M心斎橋筋店が昨年12月1日で閉店していた。
【閉店】12月1日閉店!「H&M(エイチ・アンド・エム) 心斎橋店」 | リビング大阪Web
<大阪発>大阪メトロ心斎橋駅徒歩1分、心斎橋筋商店街内ユニクロ前にある「H&M 心斎橋店」が12月1日に閉店しました。
これは昨年12月23日付けの記事である。
ということは、当方は半年以上もあの付近に行っていないということになるが、用事が無いのだから仕方が無い。
それにしても関西の旗艦店と目された心斎橋店が閉店に追い込まれていたことには驚いた。ただ、開店以来2024年半ばまでの記憶に照らし合わせると、商店街の通路を挟んだ対面にあるユニクロ心斎橋旗艦店に比べると客入りが恐ろしく悪かったため、閉店するのも当然ではないかというのが正直な感想である。
オープン当初こそ、オープン景気でそれなりに賑わっていたものの、数年後くらいからは客入りが減少しており、通路を挟んだ対面のユニクロは大混雑なのに、H&Mはガラガラだった日が多かった。
また、2010年代後半からは、ユニクロにはひっきりなしに外国人観光客も押し寄せているのに対して、H&Mでは外国人観光客の集団も見かけたことがほとんど無かった。
世界的にはファーストリテイリングと並ぶ規模のH&Mだが、日本国内では大きく引き離されているといえる。
H&Mの日本国内公式サイトで国内店舗数を数えたところ、現時点では127店舗だった。
たしか、2023年にコロナ自粛の影響もあって117店舗にまで減少しており、そこから出店を再出店計画を発表していたが、2年経って10店舗しか増えていないばかりでなく、関西旗艦店と目されていた心斎橋店も閉店に追い込まれているので、この再出店計画は達成できていないといえるだろう。
国内有識コンサルタント諸氏が絶賛するZARAも世界規模ではファーストリテイリングを越えているものの、日本国内の店舗数は、日本公式サイトで数えると、現在は63店舗にまで減少している。
一時期、75店舗前後だったと記憶しているので、そこからさらに12店舗も減少している。
1店舗あたり5億~10億円くらいの売上高があると仮定すると、現在の国内売上高は500億円台半ばから600億円台と考えられる。
2010年代前半には、大阪市内の繁華街に複数店舗を出店して「ドミナント戦略だよ!」と有識コンサルタント諸氏に絶賛されていたH&MとZARAだが、そのドミナント戦略は長続きせず脆くも崩れ去っていたことがわかる。
ファーストリテイリングのユニクロとジーユーこそ、着々とドミナント戦略を構築し続けている。
関東の人にはつまらないかもしれないがお許しいただいて読み飛ばしてもらいたい。
大阪市内の繁華街で言えば、天王寺、難波、心斎橋、梅田にユニクロとジーユーは徒歩数分~10分圏内に複数店舗を出店しており、商業施設の改装に際して、さらに出店するという形をとっていて、「そんな近隣にいくつも出店して客の奪い合いにならないのか?」と外野ながら心配になるが、奪い合いにはならないようである。
先日。6月下旬に「なんばシティ」の地下2階に既存のユニクロに併設する形でジーユーがオープンした。なんばシティの道路を渡った対面には「なんばマルイ」があり、ここにもユニクロとジーユーがすでに入店している。この地下二階はかつてDCメンズブランドの集積地として賑わった改装だが、今はユニクロとジーユーとABCマートになっている。
徒歩わずかに数百メートルの距離である。
心斎橋だと、かつてのジーユー心斎橋筋商店街店の中にユニクロがあるにもかかわらず、そこから商店街の先にユニクロ心斎橋店を再オープンした。直線距離で徒歩10分程度である。
天王寺だと、駅直結ファッションビルの天王寺MIOにジーユーがオープンしたが、歩道橋でつながっている「あべのキューズモール」にはオープン当初からユニクロとジーユーが入店している。徒歩わずかに数分である。
大阪市内で最も人間が多い梅田はもっとひどくて、大丸梅田のユニクロこそ撤退したものの、駅直結のルクアイーレ(元大阪伊勢丹)にユニクロとジーユーがあるが、陸橋で直結しているヨドバシ梅田リンクスにもジーユーとユニクロが入店している。さらに、道路を渡って阪急電車の向こう側に行くと大型路面店「ユニクロOSKA」があり、その地価はジーユーになっている。
徒歩10分圏内にユニクロとジーユーがそれぞれ3店舗ずつあるという有様である。
結局、日本のマス層にはH%M、ZARAともにほとんど支持されなかった(全くされなかったとは言っていない)わけである。
H&Mのメンズでいうと、たまに面白い色・柄を見かけるものの、大半はベーシックなジーンズ、ワークパンツ、シャツ、スエットに終始しており、値段はそこそこ安い物のわざわざ買う必要性を感じられなかった。価格的にはジーユーの定価と同じくらいだが、デザイン的にも縫製仕様の丁寧さから言ってもジーユーの方が上であり、よほどのファンでない限り当方には買う理由が見当たらなかった。レディースはまた異なるのだろうが、そのレディースとてマスには支持されなかったから現在に至っている。
マスに支持されなかったのはZARAも同様だが、ファッション好きやファッション業界人に支持されている確率が高いと感じる。例えば、先日掲載された繊研新聞のアンケート記事を見てみよう。
26年春卒業予定者のファッション意識調査 よく買うブランドは「ジーユー」が2年ぶりに1位 | 繊研新聞
よく買うブランドは、昨年2位だったジーユーが1位、昨年3位だった「ユニクロ」が2位と、一つずつ順位を上げた。昨年1位だった「ザラ」は3位、4位は昨年と同じく古着で、1位から4位は一昨年と同じ順位になった。
とある。国内にたったの63店舗しかないZARAがファッション専門学校生の「よく買うブランド」3位なのである。いかにその層からの人気が高いのかが伺える。
また、当方のやや年上の業界人男性も「ジーユーを買っても構わない、若者と被ることが多いから避けている。ZARAは被ることがあまりないから買っている」と説明している。
ただ、「縫製仕様が酷い物が少なからずあり、左右で筒の太さが違うズボンなんかにあたることがある」とも言っている。
それ以外にもデザイナー物嗜好が強い業界人も「低価格品の中ではZARAを買う」と話していたことがあり、デザイナー物や欧米ブランドを好む人はそれらの低価格代替品としてZARAを買っていると考えられる。
しかし、ZARAを支持しているのはその層が多く、マス層はあまり支持していないともいえるので、国内では年々店舗数を減らし続けている。
ただ、先の繊研新聞アンケートでは現在のZARAの地位をユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシングやアダストリアの「ハレ」「ジーナシス」あたりが追い上げており、現状のままで時間が経過すると仮定すれば、10年後・20年後にはZARAの支持は低くなり、国内店舗数がかなり減る可能性も低くないと見ている。
低価格グローバルSPAブランド競争は、国内ではユニクロとジーユーがH&M、ZARAに圧勝したといえる。
ウチの県庁所在地では未だにZARAが健在でナゾ。
他県では南さんが指摘のようにURGやアダストリアのブランド群に追われて劣勢なんだろうに。
たぶんアロウズやアダストリアのショップが弱いので助かってる?
市内はURGはショップが小さいしアダストリアはレディースしかない。
県内他市の潰れたZARAは陳列が酷くてなんだこりゃ思ったが、
首都圏行ったらそれが普通で逆に驚いた。
地元のZARAは昔のようにSKU守る意識がまだある(崩れつつはあるが…)
たぶん地元は雇用が厳しいので従業員のレベルがまだましなんだと想う。
人手が余っててタイミーの仕事が全然ない。すぐ埋まる。時給も安め。
首都圏は人手不足だからZARAの賃金では店舗環境維持できないのかなとか思った。