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南充浩 オフィシャルブログ

一般消費者からの関心が薄いオフプライスストアストア業態は「ラックラック」と「ローカスト」の2強状態が続く

2025年7月8日 売り場探訪 0

先日、久しぶりになんばマルイに行った。

相変わらず低価格店の集積ビルで各階ともに結構な人入りで、この低価格店集積は正解だったと思われる。

それ以前のヤングブランド集積にこだわっていたら、今も閑古鳥が鳴いていただろう。

 

 

 

今回、半年ぶりくらいだったが、新店舗としてオフプライス「ローカスト」がオープンしていることに気が付いた。ちょうど同業他社の「ラックラック」と隣接していて、なかなか強気な配置である。

このローカストはパルと双日が組んで出店し続けているオフプライス店で、オフプライス業界の中では最後発になる。

しかし、このローカストの出店ペースがすさまじい。

というのも、当方が毎日チェックしている「流通ニュース」に新店オープンの記事がかなり頻繁に掲載されることに気が付いたからだ。

回数は数えていないが、結構な頻度で見かけるから、出店ペースが速いのだとわかる。

例えば直近だとこれ。

 

パルグループHD×双日/神奈川県に「LOCUSTさいか屋横須賀店」7/18オープン

 

この流通ニュースはほとんど記者の主観を入れずにストレートニュースだけを掲載するという特徴があるから、読んでて面白いわけではないが、逆に信頼性は高い。記者や識者の変な主観を混ぜられてポジショントークを「史実かのように」語られることこそ弊害である。

 

それで気になってローカストの店舗数を公式サイトで数えてみると、今日時点で34店舗あった。もしかすると数え間違いがあるかもしれないが、あったとしても1店舗か2店舗程度だろうと思われるので、34店舗としておく。

以前にローカストについてこのブログで書いた際、店舗数は22店舗だったと記憶しているので、12店舗も増えていることになる。

アンドブリッジを見てもわかるように出店ペースが遅いオフプライス業界にあってすさまじい出店スピードといえる。

 

 

一方、先行してオフプライス業界の中で勢力を大きく伸ばしていたゲオHDの「ラックラック」は現時点で数えてみると32店舗に留まっており、店舗数の多さでは後発のローカストが首位だったラックラックを追い越してしまった。

前回のブログで書いたラックラックの店舗数は29店舗だったと記憶しているので、3店舗しか増えていない。同じ期間で12店舗を出店したローカストの出店スピードが如何に異常な神速なのかがわかる。

ローカストの出店スピードは双日という商社の資金力のなせる業なのだろうか。

 

 

小売ビジネスはべつに出店スピードと店舗数の多さだけを競うものではないから、店舗数の多さは必ずしも優良さとはイコールではない。

また、営業利益率などがどうなっているのかは現時点では不明だが、ローカストの出店スピードは報道されてしかるべきだろうと思う。

ただ、オフプライス業界は当面の間、ローカストとラックラックの2強が支配的だと考えられ、アンドブリッジなどは後塵を拝し続けるか、早晩消えるかのどちらかになるのではないか。あとはショーイチやラックドゥなどの個人経営チェーン店が残るくらいだろう。

 

それにしても、2010年代後半から2020年頃にかけて「これからはオフプライス業態が熱い」と煽りに煽っていた有名コンサルタントたちはこの状況になぜ口をつぐんでいるのだろうか。

それこそ、30数店舗ずつの両巨頭がオフプライス業態に誕生したわけだから、大いに論じて語るべきだろう。それとも単に彼らはアンドブリッジ応援団だっただけなのだろうか。だとしたらポジショントークの極みである。もしくは利益共同体だったかだろう。

 

 

ただ、業界や識者が煽ってもオフプライスストアが消費者にさほどバズらなかったということも大きな要因なのではないかと思われる。

実際に身の周りで「オフプライスストアが~」と話題にしている一般消費者を見たことが無い。近所の人、親戚では皆無である。ユニクロ、ジーユー、ワークマンは話題にしている声を聞く。まだアウトレットモールの方が話題を聞くことが多い。

ハッキリ言ってしまえば「オフプライスストア」は一般消費者にとってわかりにくい。アウトレット店と区別がつかない。業界による定義はあるのだろうが、そんなものは一般消費者にとっては関係ないし認知する理由もない。当方の目から見ても、各メーカーや各ブランドが出店するアウトレット店と、さまざまなブランドから仕入れるオフプライスストアは、取扱いブランド数が異なるだけで、どちらも「在庫品の安売り」でしかない。

一般消費者の目から見ても「両方とも在庫品の安売り店」と認識されていることだろう。

すでにアウトレットが根付いて30年近くになる。アウトレットとオフプライス店の区別ができない消費者にとっては30年前から存在する在庫品の安売り店をことさらに区別して興味を持つ必要がない。

だから、業界が煽ったのに一般消費者にはバズらなかったのだろう。

 

 

一般消費者からの関心が薄く、メディアも煽らなくなったオフプライスストア業態に今後、大々的に新規参入する企業は出てこないと個人的には見ている。

財務内容や資金繰りが順調だったと仮定すると、ラックラックとオフプライスが両巨頭としてオフプライスストアはこの2店が分け合う形が続くだろう。

蛇足になるが、ローカストの出店先はイオンオールなどのショッピングセンターが多いが、各地のマルイも多い。なんばマルイに限らず、マルイ全店はローカストを中心とした低価格集積ビルに舵を切っていると見られ、かつてはヤングファッションで知られたマルイの変貌と徹底ぶりには驚かされるとともに感服するばかりだ。

 

 

 

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