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南充浩 オフィシャルブログ

早い梅雨明けと9月末まで長引く残暑という3か月予報に衣料品販売はどう対応するのか?

2025年6月25日 天候・気候 0

毎年「異常気象」と言われているが、今年も異常気象である。

もう異常気象が標準ということになるのだろう。

暑さと湿度に弱い当方にとって、梅雨入りからは年間で最も嫌いな季節である。そんな当方だが、今年6月は比較的過ごしやすいと感じていた。

最高気温もそうだが湿度も低めだった。16日までは。

 

 

6月16日、一転して全国的に猛暑になった。

そこから1週間はほとんど雨が降らずに最高気温が35度前後になる厳しい暑さが続いた。ちなみにこの現象は観測史上初で、実現する確率は1%しかなかったという。

例、6月中旬に梅雨前線が消滅へ、わずか1%の確率(杉江勇次) – エキスパート – Yahoo!ニュース

このように6月中旬に、天気図上から梅雨前線が消滅する確率はわずか1%です。(筆者調べ)

とのことだ。

 

 

55年間の当方の記憶をたどっても、6月中旬に猛暑日が続いた年は無い。いかに「異常」かがわかる。

6月23日からは再び梅雨らしい天候となっているが、6月前半とは異なり、かなり湿度が高くて嫌な蒸し暑さがある。まあ、これが本来の本州の梅雨ではあるのだが。

 

 

6月16日以降は恐らく、各ブランドで盛夏向け衣料、とりわけ吸水速乾素材服がよく売れたのではないかと思う。

またその手の肌着類の動きも活発化したのではないかとも思う。

しかし、天候の異常さはまだまだ続くようで、今週いっぱいで梅雨明けする地域が多く出そうだという。

 

 

来週は雨が降らない地域が多く、中には梅雨明け宣言が出される地域も出てきそうだという内容で、もし梅雨明けすれば史上稀に見る早期の梅雨明けということになる。

実際、大阪の2週間天気予報では29日の金曜日から最高気温が上昇しており、来週は最高気温35度・36度の予想が並んでいる。

大阪よりも高気温が多い名古屋では37度の予報が出ており、かなり危険な暑さになる。

その一方で、夏物衣料、特に吸水速乾素材服はかなり好調に動くのではないだろうか。

 

 

では、仮に来週梅雨明けをしたとして、その後の今夏の予報はどうなるのかというと、直近で発表された今年7~9月までの3カ月予報を元にした動画によると、猛暑続きは確定のようで、猛暑期間は長期化するだろうとのことだ。

 

 

9月末までの猛暑は現時点ではほぼ確実なようで、その一方で、これほど早期に梅雨明けすると盛夏の水不足が心配なところではあるが、台風が頻発するのではないかと予想されているので、台風による集中的な降雨によってそれほど水不足にはならないのではないかと思われる。結果的に降水量は平年並みになるだろう。

6月までは記録的に台風が発生しにくかったが、猛暑に転じてから台風は2つも発生しているので、今後は台風による被害にも注意が必要になる。

 

 

ちなみに元ネタの気象庁の3カ月予報は以下の通りである。

梅雨明け早く 真夏は平年以上の「酷暑」か 秋も厳しい「残暑」 3か月予報(気象予報士 吉田 友海 2025年06月24日) – 日本気象協会 tenki.jp

この夏は、太平洋高気圧とチベット高気圧の北への張り出しが強く、全国的に気温は平年を上回り、酷暑となる予想です。9月になっても厳しい残暑が続きそうです。7月前半から平年に比べ曇りや雨の日が少ないでしょう。

平均気温は、7月は沖縄や奄美は平年並みか高く、九州から北海道で平年より高いでしょう。8月と9月は全国的に平年より高い見込みです。

すでに晴れると猛烈な暑さとなっていますが、真夏は平年以上に厳しい暑さとなり、40℃以上の酷暑となる可能性もあります。また、9月も厳しい残暑が続き、暑さはなかなか衰えない見込みです。

 

とある。

 

衣料品販売の視点でいえば、この予報に則る限りにおいては9月末まで「伝統的な秋物衣料」はほとんど動かず、せいぜい「秋色夏素材」服辺りが販売の主力アイテムになるだろう。また、6月・7月・8月に買った服をそのまま着用し、涼しくなるまで買い控える消費者も多いのではないかと思う。

少なくとも当方は、6~8月に買った半袖服を着用して、9月は洋服を買わないという生活を送ることになるだろう。

 

 

 

問題は10月の残暑がどれほど長引くか、である。

衣料品関係者はそこに最大の関心があるのではないだろうか。大阪を基準とした気温で言うと、10月半ばまで夏日が続くことはもうすっかり普通のことになってしまった。

それでも順調なら10月10日~20日のどこかで夏日が終わるのが通例となっていたが、24年10月は月末まで暑さが衰えなかった。11月に入っても暑さは健在で結局11月17日まで夏日が続き、翌日からいきなり気温が低下して秋を通り越して冬の寒さが訪れたことは記憶に新しいだろう。

その結果、10月の衣料品販売は壊滅的で、11月も17日までは壊滅的だったが、18日以降ににわかに秋冬衣料の動きが活発化して11月の商況は締めてみると好調に終わった。

 

 

これまでの傾向からいうと、来月20日前後には10月末までの3カ月予報が発表される。衣料品関係者にとっては、次回発表される3カ月予報は今秋販売にとって最も重要になる。

 

 

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