
ファッションデザイナーと一緒に仕事をして感じたこと
2025年6月12日 考察 0
みなさんこんにちは!
USです。
いよいよ6月ですね。今年も折り返しになります。
今年は趣味の自転車で目標を掲げて達成すべく日々努力しておりましたが、前月にも書いた通り、2度の事故により日々の練習が進まず、達成が絶望的になってしまいました。加齢と共に怪我や病気からの回復力も衰えていると痛感しております。
そんなことはさておき、縁があってぼちぼち有名なファッションデザイナー様の案件で仕事をさせて頂く機会がありました。その時に洋服づくりについて改めて感じたことがあるので今回はそのことについて書いていこうと思います。
まず、洋服を作ろうとした場合、(洋服をつくる場合だけではないと思いますが)かなり大雑把な流れですが「デザインを考える→デザイン(画)から服(形)にする方法を考える→量産に移る」という流れになります。
今回の話では役割分担的にはデザインを考える=デザイナー側、
デザイン(画)から服(形)にする方法を考える→量産に移る=生産側とします。
デザイナー側は自由な発想で自由にデザインを作ります。
それがデザイナーの仕事なので当然のことです。しかし洋服作りにおいてこの点が問題になることがあります。
自由な発想でデザインをするあまり、物理に的に実現が不可能な場合が発生してしまいます。
例えば洋服の形が実現不可能であったり、プリントや加工技術の限界や染色堅牢度・物性・寸法変化率などの問題で対応ができない場合があったりします。
(この点においてはもう少しデザイナーサイドが工業的な視点や加工技術に理解を頂きたいということは思わなくもないです。しかし、理解がない方が常識に囚われないデザインを作れるという利点もあり難しい問題です。)
ここに関しては生産サイドの組み立て次第で、より画に近い物が作れるか、問題が起きない洋服が作れるかということが決まります。また、画を形にするために発生する問題解決のために様々な工夫をします。言うまでもなく過去の経験や知識が非常に重要となります。
形にしていく上ですぐに完成品に近い物ができあがれば良いですが、容易く上手くいくものではありません。より完成度の近い物を作るためには何度も試作(サンプル)を作る時間が必要となります(すぐにはできないことが多いです)。いうまでもなく、経験値や知識が多い所(もしくは得意な分野は得意な所)に依頼した方がより早く、また完成度が高い物ができる確率が高まります。
昨今の洋服づくりにおいてデザイナーのデザイン力の低下を嘆いているのを見たり、聞いたりしますが、生産のリードタイムが少ないために、形にしやすい洋服を作らざるを得ないということも感じます。また、生産側が難しいことにチャレンジする機会が減り、知識や経験を得る機会が減少しているとも感じます。
ファストファッションや生産リードタイムの短縮により、素早く、高品質な洋服が作れるようになっていますが、こういった影響によりしっかりした物づくりができる土壌が減っていることは残念でなりません。
どっちが良い、どっちが悪いとも言い難いことではありますが、洋服づくりにおいては両方の要素が必要だと感じています。
安い物があるから高い物の価値があり、高い物があるから安い物に価値がある、高い物・安い物の両方が存在することこそ価値があります。
最近SNSでは他社の商品をこき下ろし、自分たちの商品が本物であるという主張をする方もいらっしゃりますがそういう方を見るとさみしい気持ちなります。
以上USでした!