
アプリ一辺倒の危険と「現物」によるバックアップの不可欠
2025年6月3日 ネット通販 1
メディアやイシキタカイ系はデジタル化、ウェブ化を手放しで賞賛するように感じられてならないが、アナログや現物もあって両輪で成り立つものだと当方は思っている。
最近はどの店でも「メンバーズカード」なるものがあって、そこに登録すると何らかのメリットはあるのだが、デジタル化よりもはるか以前から「メンバーズカードが増えすぎて把握しきれない」という問題があった。
多分、根本的には今でのこの問題は解決していないが、スマホの登場・普及によって、アプリをダウンロードすることで実物のカードを持つという手間からは、完全ではないが、ある意味では解放された。
しかし、今度はアプリ増えすぎ問題が生じていて、こちらは解決できていない。また、アプリが増えすぎることによって管理すべきIDとパスワードが増え続けることになり、アプリが増えることよりも、当方はこちらの方が煩わしくてたまらない。
だから、当方はなるべく新規にメンバーズカードを増やすこともアプリを増やすこともしていない。何なら、終活のために減らしていこうとしているくらいである。
とはいえ、やむを得ない事情でメンバー登録したりアプリをダウンロードすることもあるが、積極的に当方が会員になることは無い。
それにしても、世の中のデジタルイキリたちが主張するほど、デジタル一本化が便利だとは思えない。逆にアナログや現物をバックアップしておく重要性を強く再認識している。
先日、HG赤いガンダムのプラモデルが発売された。現在放送中のテレビアニメ「機動戦士ガンダム ジークアクス」に登場する準主役機である。
8話まで見た感想でいうと、主人公たち3人組には何の共感も思い入れもできないし、死のうが生きようがどっちでもよいくらいの存在でしかないが、登場するメカと、初代ガンダムの世界がどのように改変されているのか、という二点だけが興味深い。
そんなわけで、プラモデルは買って楽しめている。
人気機体なので、いつもより早めに愛車のママチャリで近所のジョーシンへ向かった。開店10時だが、9時15分に到着した。到着時にはすでに15人くらいが並んでいた。
結局、赤いガンダムは24個入荷したようで、当方は17番目くらいに買えて、当方の後ろに並んだ人は7人くらいが買えたが品切れで買えなかった人も4人くらいいた。
早目に到着して正解だった。
そして、いざ、レジに並んでジョーシンのアプリを開いてメンバーズカードを提示しようとしたが、メンバーズカードが何度やっても開かない。
1時間前くらいには自宅では開くことができたので、相当に焦った。
レジの人いわく、「赤いガンダムを買った人が一斉に開こうとしているので、通信障害が一時的に起きているのではないか?」ということで、自分の電話番号や名前を提示してレジで検索してもらってカードにポイントを貯めることができた。
その後、10分くらいしてから再度開くとメンバーズカードが提示されたので、本当に一時的な通信障害だったということがわかった。
いつもなら、ジョーシンのメンバーズカードも念のために持ってきているのだが、この日は高を括って、カードを持たずにスマホだけを持って行った。完全なる油断である。油断大敵という言葉を痛感した。
この時に、スマホアプリだけに頼っていることがいかに脆弱なのかを再認識した。現物のカードがバックアップとして必要不可欠だと強く感じた。
スマホアプリだけでの行動はたしかに便利かもしれないが、通信障害で一発で使えなくなる。
当方のジョーシンとは比べ物にならないが、先日もこういう事件があった。
「最低の万博」 通信障害で5時間入場できず…70歳女性が怒り心頭「こんないい加減な対応ない」 | ENCOUNT
会場周辺では当日午前9時半~午後2時半頃にかけて、スマートフォンの通信障害が発生していた。午前9時の回のチケットを購入し、75歳の夫と2人、はるばる東京から来たという女性は、QRコードが確認できないという理由で、5時間以上もゲートで足止めされていると明かした。
4月13日の関西万博オープニングで起きて大々的に報道されたのでご存知の方も多いだろう。東京からきた75歳なんていう背景はどうでもいいとして、オープニングに大勢の人が並んで一斉にスマホアプリを開いたため通信障害が5時間も続いたという悲劇である。並んでいる人の苦痛は相当だっただろう。
後日、WiFiが強化されてその後は大規模な通信障害は起きていない(少なくとも報道されていない)が、この危険性は関西万博というビッグイベントだけではなく、ジョーシンのレジに30人くらいが並んで一斉にアプリを開いた程度でも起きるわけである。
結局、関西万博もしばらくの間は、紙にQRコードを印刷した物を持ってきてもらって対応していたから、「紙」「現物」のバックアップが必要不可欠だということがわかる。
これはメンバーズカードや入場証に限ったことではない。例えば、キャッシュレスに対する現金でも同様だろうし、デジタル文書・文章に対する印刷物も同様だろう。
インターネット初期には、デジタル文書・文章は永遠に保存が可能だと喧伝されてきた。しかし、現在だと20年前のウェブ内の文章ですら削除されて消え去っている物が多々ある。昔読んで勉強になった「あの記事」を検索しても存在していないことがしばしばある。
こういうときに実物の印刷物として残しておかなかったことの弊害を強く感じる。
ちなみにこのブログとて、年に1度当方がドメイン更新をしなければたちどころに消える。まあ、引退する際(2036年目標)にはドメイン更新もやめるだろうから、きれいさっぱり消え去ることになる。
デジタル、ウェブなんていうのは、その程度の儚い物でしかない。
大きくは万博、小さくは地元のジョーシンで、いとも簡単にデジタル会員証の不便さが露呈されたわけで、何でもかんでもデジタル化一本鎗という風潮はそろそろ見直す必要があると強く感じている。
ジークアクス、「ハンブラビあっけねー、サイコガンダムじゃなくエヴァじゃんW」とか楽しんで見てますが、
「赤いガンダムを買った人が一斉に開こうとしているので、通信障害が一時的に起きているのではないか?」
って、数十人で通信障害起きるんですね。それか、他のジョーシン各店舗でも一斉に開こうとしてたとか?なんにせよ、スマホなんて落として壊れたら使えないし、電池切れても使えないし、停電でレジが使えなかったらどうにもならんしと脆弱すぎるんすよねぇ。
とはいえ、日常生活はいろいろとスマホに依存しまくってる現代で、怖い限りっすね・・・