
リカバリーウェアは老人向け衣料品として最大のヒット作になるのではないか?
2025年5月30日 商品比較 0
リカバリーウェアを毎晩着て寝ているが、いまだに洗い替えの2着目が買えていない。
ワークマンは売り切れだし、AOKIも五分袖・七分丈は楽天市場で2度目の品切れになっている。そこで当方は、2社に問い合わせてみたところ、ワークマンの半袖・半ズボンは完売で追加生産は無しで、8月下旬から9月下旬にかけて秋冬向けの長袖・長ズボンが入荷するまで待つ必要があるのとのこと。
楽天市場のAOKIはまた再入荷予定はあるそうだが、今のところ日程は未定とのこと。楽天市場に長袖・長ズボンはまだ残っているからそちらを買おうかと思案中である。
先日、ワークマンの不審者パーカの売れ行きが好調で完売という記事が東洋経済に掲載された。
「どのシーンで着るの?」ワークマン《不審者パーカー》売り切れ続出の裏に消費者意識の変化 | ファッション・トレンド | 東洋経済オンライン
実際のところどれくらいの数量が売れたのかというと、記事中に
今回は2万2000枚を販売したが、限定生産のため追加発注はできないそうだ。
とある。
これまでのワークマン取材の経験からいうと、ワークマンの話題商品の初回投入量はだいたい2万~5万枚であることが多く、追加補充が効かない場合が多い。なので、推測すると半袖・半ズボンのリカバリーウェアセットもこの範疇の生産量ではないかと考えられる。
ワークマンにせよ、当方が知る限り2度目の品切れとなったAOKIにせよ、リカバリーウェアの売れ行きは概して好調といえるだろう。リカバリーウェアというカテゴリー全体としては、衣料品業界ではかなりのヒット作と呼べるのではないかと推測できる。
ただ、例えばAmazonで検索すると、有象無象の聞いたこともないようなブランドの低価格リカバリーウェアが大量にひっかかる。恐らくは多くの中国ブランドや国内パクリメーカー品だと思われるが、怪しげである。
そこで厚生労働省が説明会を開いたことは以前にもこのブログで紹介した。
厚労省が〝リカバリーウェア〟に関する説明会 自主点検促す | 繊研新聞
ただし実態は、「腰痛など痛みや生理痛の症状の改善、冷え性などの体質改善など定義を逸脱している製品も見られる」と指摘した。
とあるように、疲労回復や凝り以外の病気治療に効くというような過剰な宣伝文句も有象無象のパクリメーカー品や中華ブランド品には多く見かけられる。明らかに過大広告といえる。
そこで、先日こんな警鐘記事も掲載された。
なぜ“怪しい”のに売れている? リカバリーウェアという不思議なヒット商品:スピン経済の歩き方(1/6 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン
けっこう長ったらしい記事で、著者の窪田順生氏は様々な媒体に寄稿されている著名ライターではあるが、この記事に限らず、全ての記事の主張に対して当方はだいたい2割前後しか同意ができない。
とはいえ、この記事でも触れられているように過大広告のリカバリーウェアも少なからず見かけるのも事実であり、率直に言って怪しいのもまた事実である。
当方の使用感からいうと、「身体がポカポカしてくる」とか「内臓が軽くなるとか」とか、そんな効果は一切ない。逆にそんなことを感じる人がいるのかと驚くほかない。
当方は基本的にリカバリーウェアに限らず、全ての事柄においてプラシーボ効果を感じにくい人間だが、リカバリーウェアに関しては「何となく倦怠感がマシになった気がする」という感じ方である。
これまでの疲労感や倦怠感を100とすると、リカバリーウェア着用後には1割~2割軽減されたような体感があるというのが正直な感想である。圧倒的に気分爽快になったり、身体がポカポカするとか、そんなことは全く感じない。
とはいえ、当方は苦痛に弱い性質なので、苦痛が1割でも2割でもマシになったと感じるならそれはそれで値打ちがあったと評価をしている。
で、先の記事に戻ると、窪田氏はリカバリーウェアの好調の要因を
コメンテーターたちが喧伝(けんでん)すればするほど、高齢者たちがリカバリーウェアを買い求めて、「効果」を体感するというワケだ。
高齢者になれば分かるが、人間は歳をとるほど不眠に悩まされる。日本の高齢者の3割が不眠に悩んでいるという調査もある。そこに加えて、高齢者は「うつ病」が多く、認知症に次いで多い有病率だとのデータもある。不眠や腰痛・神経痛がうつ状態を引き起こすケースもある。
と指摘している。先ほども述べたように氏の主張には常に2割前後しか賛同できない当方だが、リカバリーウェアは老人層に牽引されているという指摘には全くその通りだと賛同する。
以前にも書いたが、当方は若い頃から気分爽快に暮らしたことが無い。疲れ知らずどころか、疲れしか知らないくらいの倦怠感で暮らしてきた。
しかし、40代後半ごろからさらに倦怠感が増してきた。また、元々浅い睡眠だが、浅い上に長時間寝られなくなってきた。
要するに若い頃にも増して倦怠感・疲労感を強く感じるようになったわけである。
苦痛に強い性質の人なら、我慢できるのだろうが、我慢強くない当方は何とかして軽減しようとする。その結果が運動もさることながら、サプリ摂取であり、飲酒を控えることだったり、水を2リットル飲むことだったり、ピルクルミラクルケアを飲んだりしたわけだが、それでもあまり軽減されないとなると、リカバリーウェアでも試してみようかという気になったわけである。
実際、当方の知り合いの多くも50代になるとやたら早起きになる人は男女問わず多かったし、父母も晩年はやたらと早朝に起きるようになっていた。
そうなると、やはりこれを何とか軽減したいと感じる老人層は少なくないのは当然だろう。
今回のリカバリーウェアもそうだが、数年前のヤクルト1000ブームも老人層を中心とした中高年層が支えていた(支えている)と見た方が良いだろう。
現在、団塊世代が後期高齢者に突入し始めていて、当方世代から団塊ジュニア世代も50代となっている。団塊世代の大半はあと15年くらいで死んでしまうだろうが、団塊ジュニア世代の大半が死ぬまでにはあと30年くらいかかる。その間、リカバリーウェアやその他の疲労軽減商材は売れに売れるのではないかと考えられる。
衣料品業界でいうと、人口の多い老人層に対してこれまで「アクティブシニア向けブランド」の立ち上げによって消費を活性化させようとしてきたが、これまでに成功したアクティブシニアブランドは皆無だった。
当方は、ジジババがアクティブシニア向けブランドの服なんて買うはずがないと当初から想定していたわけだが、リカバリーウェアというのは、老人層に対しての最大のヒット衣料品として今後30年間君臨し続けることができるのではないかと見ている。
あと10年で前期高齢者になる当方だが、アクティブシニア向けブランド服なんて買いたいとは微塵も思わないが、疲労軽減服なら定期的に買い足し・買い直しをすると確信を持てる。
この年齢になると、モテとかイケてるとか、そんなことはどうでもよくなっていて、ひたすらに快適であることの方が重要だと感じる。そして、お迎えが来るのが何歳になるのかはわからないが、ピンピンコロリを目指して調整していきたいと切に望んでいる。