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南充浩 オフィシャルブログ

きちんとルールを守っていても事故に遭遇してしまうこともある、という話

2025年5月12日 品質検査 0

皆さんこんにちは!

 

今年の春は寒暖差が激しく体調を崩されている方をたくさんお見掛けしましたがいかがお過ごしでしょうか。

私は今年は後厄の影響なのか、既に2回も回避不可な交通事故に遭遇してしまい、3カ月以上のリハビリ通院生活が続いております。

みなさまにおかれましても、信号を守り、青信号で横断していたとしても、赤信号で突っ込んでくる自転車や人がいるかもしれない、という気持ちで慎重に歩いたり、自転車に乗ったりして頂きたいと思います。

当たられた方は怪我もしますし、保険などで受ける保障も満足でないことが多く、圧倒的に損をします。。。

 

 

 

 

 

そもそも事故というのは「 思いがけず生じた悪い出来事」であり、きちんとルール(手順)を守っていたとしても遭遇してしまうものです。

ことアパレルにおいても接客における事故や、製品における事故など、きちんとルール(手順)を守っていたとしても遭遇してしまうことは多々あります。

アパレル製品では事故(破損・汚損)が発生しないように、第三者機関などで生地の堅牢度や物性・寸法変化率を確認したり、製品検査で洗濯試験などを実施したりしていまうが、それでも事故が発生してしまう可能性はゼロではありません。

 

 

 

検査は全数検査ではなく、抜き取り検査であるという側面もありますが、同じものを同じように作ることが難しいという点があげられます。

例えば、染色においてはその日の気温・湿度などの条件で染め上がりに微妙に変化があります。また、縫製においても縫う人が変われば多少の違いは出てきますし、同じ人が縫製するとしても寸分たがわず同じように縫えるほど正確な技術がある人ばかりではありません。

時には些細な個体差によって事故が起きるかを分けることがあります。

その些細な個体差で事故が発生するということで「結局、検査をしたとしても事故が起きることもあるから意味がない」という話をされる方もいらっしゃいます。

しかし、事故を防ぐために検査をしており「検査をしても事故が起きました」というのと、何もしておらず「検査をしていなくて事故が起きました」ということは企業の姿勢として大きな差があります

それは「消費者に対する姿勢」や「物づくりに取り向く姿勢」であり良い物を消費者に提供したいという企業の想いがあるからです。

 

 

ところで、事故の発生原因については、製品上の性能の問題という側面もさることながら消費者の取り扱いの問題という場合も多くあります。事故品を観察すると、ある一定の割合で消費者が原因による事故というのも多くあります。

例えば、洗濯絵表示の確認不足による洗濯の失敗(メンテナンスの失敗)や、過度な不可を掛けての着用(着用の限界)などです。

このような場合においても第三者機関で検査をしていれば、「通常使用の場合は問題が生じないと考えらえる」などとの説明は可能になり、売側の責任は軽減されることになるでしょう。

 

 

 

 

ところで、以前参加した某検査協会の講演会で最近多い事故事例について「染色堅牢度不足の色落ち」を挙げてらっしゃりました。

講演会参加者の中から「技術が進化しているはずなのになぜ昔から事故の内容が変わらないのか」というような質問がありました。

結局のところ「堅牢度の検査をしていない物が一定数ある」ということもあるとは思いますが、個人的には生産拠点の変化も理由として挙げられるのではないかと考えています。

アパレル製品の生産拠点は以前は中国一辺倒だったところが、現在は中国以外の第三国で生産されるようになってきています。新しく生産を始める地域(工場)では経験のある工場管理者が管理をできている場合は良いですが、今までの経験値が少ない会社(人)が管理をしている場合が少なくありません。そのような工場で生産される場合においては過去の経験がないため、同じような間違えを犯してしまうということは十分に考えられると思います。

できるだけ事故事例は共有してもらい、不良品の発生確率が減って欲しいと切に願っております。

以上USでした!

 

 

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