MENU

南充浩 オフィシャルブログ

ダウンブルゾンを何枚か手放して回収に協力した理由

2025年4月10日 トレンド 1

最近ちょくちょくとたまっている服を処分している。

といっても、捨てたのは古びて汚れているものばかりで、まださほど傷んでいないのは回収に持っていたりしている。

その中でも、先日、何年も前のダウンジャケットを3着回収に渡した。いずれも10~17年前に買った物である。

それでもまだそのくらいの時期に買ったダウンジャケットが3枚くらい残っているが、まだ時々は着てみようかと思って残している。

 

回収に渡したのはこのプロジェクトである。

UMOUプロジェクト始まります!

15年くらい前からの知人であるクレアトールオキさんの告知だったので協力も兼ねてさらにはやっぱり終活をせねばならないという思いもあって回収に協力した次第だ。

 

ダウン(羽毛)というのは水鳥の食肉を生産する時にできる副産物です。そしてその最大消費国は中国で全世界の75%を消費しています。10億人以上が水鳥を食する中国がダウンの命運を握っているのですが、世界的に食肉生産のコストダウンに伴ってダウンの品質も徐々に下がっているのが現状で、高品質なダウンは今後さらに入手が難しくなりそうです。

その様な背景もあり、現在では羽毛メーカーさんの努力により採取した時よりもクリーンな羽毛にリサイクルできる様になりました。

高品質なダウンは元々化石になるくらい丈夫できちんと洗浄・回復加工をすればなんと100年以上も使えるということです。

 

とのことである。

 

その一方で、当方は昨年末にいくつか中綿入りブルゾンを買って本格的に着用してみた。

24秋冬は久しぶりの寒い冬だったが、中綿入りブルゾンで何の問題もなかった。昔の中綿入りブルゾンというのはダウン以上にモコモコで触感も分厚かった。また少し重かったような記憶もある。

しかし、最近の中綿入りブルゾンは結構薄手になっていて、しかも寒冷地でもない限りそんなに寒くない。重量も随分と軽量だったので、ダウンの必要性をあまり感じなかった。

たしかにダウンは世間に流布されているほどにはデリケートな素材でもない。洗濯機でも洗えるというのはこのブログでも何度か書いている。

それでもやっぱり扱いにはやや気を使う部分があったが、近年の機能性合繊中綿はそれ以上に気を使わずに取扱いができる気分である。

おまけにダウン特有の羽抜けが無い。

 

 

以前にも書いたが昨年秋にはたまたまミズノの機能性合繊中綿テックフィルサーモブレスの会見に出席させてもらったわけだが、あれもかなり薄手の機能性中綿だった。

アダストリアやアーバンリサーチでも機能性合繊中綿はあるし、その他ブランドでも頻繁に使われている。

中学生・高校生時代のイメージから合繊中綿を敬遠してきたが、改めて体験してみると、技術の進歩に驚くと同時にもう機能性合繊中綿で十分ではないかと思えてくる。

 

 

今回のクレアトールオキさんの告知ではないが、今後、ダウンという素材の需要が無くなることはないだろうと思うが、ダウンは高額品に限定され、愛好者たち向けの商品になるのではないかと思う。

中・低価格のマス層は合繊機能性中綿入り防寒アウターが主流になると思われる。

ただ、最近の店頭商材を見ていると、ダウンなのか中綿入りなのかは一見しただけでは判別ができにくくなっている。触ってみればわかるのだが、一見したデザインでは区別するのがかなり難しい。

 

 

その理由の1つとしては、かつてダウンジャケットといえば、あのミシュランマンみたいなステッチだったが、現在のマストレンドではあの横方向のステッチは支持されていない。

もちろん横方向ステッチ商材は今もウルトラライトダウンを筆頭に残っているが、中肉以上のパーカ類だとノーステッチの物が主流になっている。

また中綿入りでも横方向ステッチの商材も珍しくない。

ノーステッチ商材だともちろんのこと、横方向ステッチが入った商材でさえダウンか中綿入りかは一見しただけでは区別できないわけである。

そうなると、格別に素材にこだわった愛好家でもない限り、中綿入りブルゾンでも構わないという考え方になっても不思議ではない。

 

ましてや保温力や軽量感などはダウンと同等かそれに近くなっているわけだから、天然素材でないと我慢ができないという愛好家や数寄者以外は中綿入りブルゾンを中・低価格で買うということになる。

これまで若い頃のイメージのままで中綿入りブルゾンを敬遠してきた当方だったが、24年冬に現在の中綿入りブルゾンを着用してみて大きく考えが変わった。

一見して区別も出来ない上に、保温性や軽量感もほぼ遜色なく、おまけに洗濯や保管も楽で羽抜けも無いのであれば、合繊中綿入りブルゾンだけでよいのではないかと思うようになった。

それもまた今回の回収に協力しようと思った理由である。

 

この記事をSNSでシェア
 comment
  • イトウチュウ より: 2025/04/10(木) 1:00 PM

    「相手に知識がないことは自分を有利にするものだと思った」
    去年末、過去の服を処分していた時、28年前(自分が学生時代)に来ていたイッセイミヤケのブルゾンが出てきた
    5年程前にNETでの販売価格が最大30万を思い出して、再度検索すると買取価格が50万になっていて驚いた。
    直ぐ買取店にて50万で交渉成立。大満足である。
    メンズ服なんて売れるほど価値がないものだと思っていた。
    元値は7万ぐらいだったが、古着として海外のアーティストが着ていたとの情報だった、、、
    店員は正直服の価値などわからない、たたNETの販売実績で100万を超えていたから50万は即答の買取であるという。
    しかしその販売をNETで見ているが、未だ売れていない。
    もう春になる、暑くなる、売れ残るそれを見ていると、なぜだか微笑んでしまう自分がいる。

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ