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南充浩 オフィシャルブログ

アニメイトとトレカショップとゲーセンで集客維持を図る「ヌー茶屋町」

2025年3月21日 売り場探訪 0

地方からの人口流入もあって東京の商業施設は増えてもそれなりに顧客をつかむことができる場合が多い。もちろん、それでも終わる商業施設もあるが、東京を除く地方都市ではそういう開発は通用しない。

現に、大阪市だって商業施設はほぼ飽和状態に達しており、新しい商業施設ができれば、既存の商業施設は寂れる。要するに既存の商業施設から客を奪わなければ新しい商業施設は成り立たない。

恐らく名古屋や他の地方大都市も同様の構図ではないかと思う。

大阪市の場合、それが顕著に表れているのが西梅田地区のイーマとブリーゼブリーゼの衰退である。ルクア、ルクアイーレ、グランフロント大阪の開業によって西梅田の商業施設は客を奪われた。イーマとブリーゼブリーゼはアパレルや雑貨のテナントがほぼ全て撤退してしまい「大都心の廃墟ビル」と揶揄されるほどで、現在はエステサロンや学習塾などのテナントで構成されている。

ついでに言うと、オープン当初は鳴り物入りだった西梅田の地下街「ディアモール大阪」もアパレルを含めたテナントは残っているものの、賑わっているのは飲食系ばかりでアパレル店はだいたいいつも閑散としている。ただ、人通りだけは多いから、この地下街が「単なる通路」として利用されていることが推測できる。

 

 

そんな中、また新たに大阪駅周辺に大型商業施設がグランドオープンした。グラングリーン大阪である。

《グラングリーン大阪南館の注目ショップ㊤》西の旗艦店多数 「CFCL」や「ZARA」など | 繊研新聞

オープンに先立ち、内見会があったようだが、当方は取材依頼も無かったので行っていない。そのうちほとぼりが冷めた頃に出も覗いて見ようかと思っている程度である。正直そんなに興味も無い。

このグラングリーン大阪がまたぞろ大阪駅周辺にグランドオープンしたことで、西梅田の次に没落しそうなのが茶屋町エリアである。

長年茶屋町エリアのランドマークだったロフト梅田店も閉店移転してしまった。

さらに続けて、グラングリーン大阪のグランドオープン直前にZARAも閉店してしまい、グラングリーン大阪内へ移転してしまった。先ほどの繊研新聞の見出しにあるZARAはそれである。

 

 

茶屋町のZARAは路面店で、たしかその昔はオーミケンシのアパレルブランド「ミカレディ」の店舗だった記憶がある。それがブランド廃止となり、空いたテナントにZARAがオープンしたという流れだったはずである。

ZARAの路面店が茶屋町エリアから撤退したことで、茶屋町エリアはさらに寂れる可能性が高くなったといえる。

相次ぐ梅田・茶屋町エリアからの移転…ZARAが3月に営業終了 » Lmaga.jp

3月20日で「大阪梅田店」の営業は終了するが、翌21日には、近隣のキタエリアにある商業施設「グラングリーン大阪」内に移転オープンするといい、新たにキッズ商品を展開する。

「ZARA 大阪梅田店」の営業時間は昼11時〜夜8時まで。「ZARA グラングリーン大阪店」は「グラングリーン大阪 南館」の2階に入店する。

とのことである。

 

ロフトの閉店移転、ZARAの閉店移転で茶屋町エリアに残っている主な店舗は「ヌー茶屋町」と「ヌー茶屋町プラス」だけになってしまった。

イーマ、ブリーゼブリーゼに続く第二の「大都市の廃墟ビル」になるのかどうかと興味を持っていたが、先日、たまたま梅田で時間が余ったので思い立ってヌー茶屋町とヌー茶屋町プラスを見物してみた。

結果からいうと、春休みシーズンということもあり、ビル内にはそれなりに客入りがありイーマやブリーゼブリーゼの廃墟ぶりとは程遠い状況だった。ただ、各テナント店舗が売れ行き好調かどうかはわからない。あくまでも外から見た客入り状態である。

 

 

さて、そんなヌー茶屋町だがテコ入れ政策としてアニメショップ「アニメイト」の導入が発表されたことは以前にもこのブログでお伝えした通りである。

その後の報道が無かったので、現地に行って眺めてみると、アニメイトのオープン後にはさらにトレーディングカードショップとゲームセンターがオープンしていた。あと100均のセリア、ペットショップもオープンしていた。ついでにいうと飲食店やカフェはそれなりに集客はできていそうだったが、アパレル店舗数はかなり減っていた。

 

今回何年かぶりでヌー茶屋町を除いて見たのだが、春休みシーズンとはいえ、予想よりも集客できていたことと、アニメイト、トレカショップ、ゲームセンターというサブカル、エンタメ系の新テナントの積極的誘致は結構効果的ではないかと思えた。

 

 

もちろん、オープン当初の「隠れ家的雰囲気でオシャレなアパレルブランドショップを集積させた」というコンセプトからははるかにかけ離れたテナント群となりつつあるが、商業施設として持続的な存在するつもりであるなら、そんな建前は捨て去って正解ではないかと思う。アニメイト、トレカショップ、ゲーセン、セリア、これがマス層を集めやすいラインナップで、特にアニメイト、トレカ、ゲーセンはJR大阪駅周辺のアパレル集積施設とは一線を画して差別化できているといえる。ヌー茶屋町の業績が堅調に推移するのかどうか、今後の成り行きを時々見てみたいと思う。

 

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