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南充浩 オフィシャルブログ

「血行促進機能」は効果を実感しにくいという人が少なくないという話

2025年3月6日 トレンド 0

機能性繊維や機能性服への需要は底堅く、それどころか伸び続けているのではないかとすら個人的には感じている。

当方が好むのは

1、吸水速乾

2、防シワ(形態安定)

3、透湿防水

あたりだろうか。

このほかにも

4、軽量

5、ストレッチ性

などがある。

あくまでも当方個人だと上に挙げた3つの機能性を重視して服を買っていることが多い。とりわけ、汗っかきなので真夏は吸水速乾Tシャツ・ポロシャツしか着用できない。

夏以外の春・秋・冬だと防シワ性を求める。特にシャツ類は防シワを重視している。理由はアイロンをかけるのがめんどくさいからだ。なので綿100%ブロード生地のシャツなんかはどれほど安く値下がりしていても買うのを躊躇してしまう。

あとは雨が降った時に備えての透湿防水である。だいたい値下がりしたブロックテックを着用しているが、透湿は効果がわからないが防水は台風の時でも効果がはっきりとわかる。希望があるとすると、防水リュックをもっと多くのブランドから発売してもらいたいことである。

防水靴はワークマンの防水スニーカーを愛用している。

 

 

ただ、現状ではこれら以外の新たな画期的な機能性服というのはほぼ生まれていない。

個人的には真夏に着用すると体温を2度くらい下げてくれる強制冷却服を開発してもらいたいと願っているがこちらはようやくペルチェベストが昨年夏に市場投入されたところである。今後の発展に期待しているが、そろそろ当方も老境に差し掛かってきたので、それが完成するまで生きているかどうかも心もとなくなってきた。

そんな中、注目を集めている機能性服がリカバリーウェアだろう。

ちゃんと睡眠をとっているがイマイチ疲れが取れないとか、頭の重さが取れないとか、腰が重だるいとか、様々な症状を抱える人は多いのではないかと思う。ちなみに当方は若いころからそんなに爽快な目覚めを体感したことが無い。しかし、加齢とともに年々症状は重く感じられる一方である。

だから、リカバリーウェアなるものが本当に効果があるのであれば一度試してみたいと思っている。しかし、「血行を促進する」とか「疲労物質を取り除く」とかその手の効能というのは目に見えて実感しづらい。

当方は肩凝りの際には、「ロイヒつぼ膏」や温シップを貼る。これらは貼るとその場所がカッカとしてきて、実際に効果があるかどうかはイマイチわからないながら「効いてる」感がある。

だが、以前から何度か試しているリカバリーウェアではない「血行促進」系のアイテムはイマイチ実感が涌かない。効いているような気もするし変わらないような気もするという感じである。

 

 

リカバリーウェアは概して上下セットで最低でも1万円前後する物が多い。その中にあってワークマンは上下で3800円くらいで販売していてその分野では「破格の安さ」である。

これを試してみたいと思いつつ今に至る。

当方と同じように「効いているのか効いていないのか判断しにくい」と感じている消費者は業界が想定するよりも多いようで、先日こんな記事が掲載された。

厚労省が〝リカバリーウェア〟に関する説明会 自主点検促す | 繊研新聞

厚生労働省は〝リカバリーウェア〟と呼ばれている一般医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」に関わる企業を集め、同医療機器の定義や自主基準にのっとった事業活動をするよう改めて呼びかける目的で説明会を開いた。

説明会の背景は、「そもそも薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律)が十分に理解されていない」(同省医薬局医療機器審査管理課)ことや、「定義から逸脱した標榜(ひょうぼう)が散見される」ことだ。冒頭で同省は、薬機法と医療機器の定義などの基礎を説明。その上で家庭用遠赤外線血行促進用衣の定義と自主基準を照らし合わせ、定義を逸脱した不適切な標榜の事例を挙げて改善を促した。

同医療機器の定義は、「血行促進作用が認められた製品で、疲労や筋肉のこり等の症状改善を目的とした衣類形状の器具」。ただし実態は、「腰痛など痛みや生理痛の症状の改善、冷え性などの体質改善など定義を逸脱している製品も見られる」と指摘した。

とのことで、

一方で〝痛みに効く〟などと過度な期待をもって購入した消費者から、「効果を疑問視する声が厚労省にも届いている」と話し、「業界のイメージダウンにもなりかねない」と指摘した。

と締めくくられている。

 

元来「血行促進」系というのは本当に効果が実感しにくい。リカバリーウェアは未体験だが、昔、その手のサポーターを買ったことがあった。しかし、効いたのかどうかは実感が無かった。さらにそれ以前、2000年ごろ、鉱物練り込み系繊維の生地サンプルを当時の紡績からもらったことがあったが、これも効果の実感はなかった。

おそらくリカバリーウェアに対してそのように感じた消費者も相当数いたということが考えられる。

これが1000円前後の安い商品なら問題にはなりにくいのだろうが、リカバリーウェアは割と高価である。業界内最安値と思われるワークマンでも上下で3800円もするわけである。これで効果が実感できなければ、厚生労働省や消費者庁に不満を申告する人がいてもおかしくない。

新たに生まれた有望市場の一つだからこそ、リカバリーウェア業界には誇張のない誠実な販促が求められる。

 

 

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