MENU

南充浩 オフィシャルブログ

ブラックフライデーの知名度は高くてもそこでは買わないのが関西人

2024年11月22日 販促 1

2010年頃から新たに定着した販促イベントはハロウィンとブラックフライデーだろう。

アメリカの風習を輸入した形だが、これまで販促的に大きなイベントが無かった10月と11月を埋められるわけだから、供給側としてはメリットはある。

導入されてからすでに10何年が経過しているので、この2つの販促イベントのにかかわらず、ある程度は定着したといえるだろう。

多くの商業施設やブランド店は今年は11月22日からブラックフライデーが始まる。アメリカではブラックフライデーは大きな値引きセールイベントとされており、海外の生活紹介動画では開店前から行列を作るアメリカ人の動画が公開されていたりする。恐らく感覚的には日本人にとっての正月初売りバーゲンみたいな感じなのだろう。

 

 

ただ、当方はこのブラックフライデーでわざわざ物を買った記憶が無い。

10年くらい前は「ブラックフライデー開始」という宣伝メールが送られてきたら、期待しながら通販サイトへジャンプしたものだが、当方の好む商品がすごくお買い得に値下げされていたということが無かったので、何も買わなかった。今ではわざわざジャンプすることすら稀になっている。

Amazonでも他の通販サイトでもブラックフライデー以外の日に「投げ売りに近い処分値下げ」されることがある。その時に買った方が支出が減らせて断然お得なのである。

逆にブラックフライデーでは思ったより値下げをされていない商品の方が多いと感じる。

まあ、言ってみれば正月バーゲンで買うより正月バーゲンが終わった後の最終値下げで買った方がお得に買えるというのに似ているかもしれない。

関西在住の当方としては、実生活において身の周りで「ブラックフライデーでこれを買った」と言っている人をほとんど見たことが無い。

当方にとってブラックフライデーとは「行事に沿った行動はしないけれど、聞こえてくる季節の風物詩」と言った存在であり、「土用丑のウナギ」とか「バレンタインデー」とか「ホワイトデー」と言ったものと同様の存在でしかない。

 

 

そんなことを考えていたらこんな記事を拝読した。

関西女性のブラックフライデーセール、認知度は7割超も利用率は46.6% | ネットショップ担当者フォーラム

サンケイリビング新聞社とリビングくらしHOW研究所は11月18日、関西在住の女性を対象とした「ブラックフライデーセール」に関する意識調査の結果を公表した。

調査は10月5日から9日までの期間、地域情報サイト「リビングWeb」を通じてWEBアンケート形式で実施。関西在住の女性698人から回答を得た。回答者の平均年齢53.9歳。

調査によると、関西女性の「ブラックフライデーセール」認知率は72.8%。認知は高い一方、実際に2023年のセールを利用したという回答は46.6%にとどまった。

とのことで、さすがは関西人、そう簡単には物は買わない。

ちなみにこの記事に掲載されているグラフによると、「ブラックフライデーの買い場」という質問に対して「利用していない」という答えが最多で53・5%になっている。

ブラックフライデーでEC(ネット通販)も含めた「買い場」では物を買っていないという人が半数以上いるという結果になる。

 

 

その一方で、記事中にもあるようにブラックフライデーの認知度は73%弱にも達しており、10年以上にわたって販促が続けられた結果、高い認知度を誇るようになったことが分かる。

ただ、当方が見てきた限りにおいてブラックフライデーで「驚くほどのお買い得品」というのはほとんど見たことが無い。となると、わざわざこの時期に買う理由が無い。その結果、販促イベントは知っているが買わないという行動を当方はとってしまう。

そして、このアンケートのキモは「関西女性」という点だろう。当方も含めて関西人は価格にシビアである。悪く言えばケチ、吝嗇である。そうなると、いくらイベントとして認知度が高くともわざわざ買うということはしない。恐らくはそういうことだろう。

 

平均支出額は「5000円未満」が64.8%で最多。一方、1万円以上の支出を回答した割合は3割を超えており、「5万円以上」の回答も4.1%あった。高額消費者のほとんどはECサイトの購入だった。

ブラックフライデーに期待することについて自由記述式で回答を求めたところ、食品や日用品の大幅値下げを期待する声が多かったという。そのほか「高額商品ではなく安い商品も値下げしてほしい」「普段は買えないような高級なお菓子などが特価で買えればいい」といった声も上がった。

と記事は締めくくられているが、平均支出額は5000円未満が最多で、食品・日用品の大幅値下げ、安い商品のさらなる値下げ、と言った声を合わせると、関西人の財布のひもは著しく固いということがわかるだろう。

 

 

何も無いよりは販促イベントはあった方が気分は盛り上がりやすいという人が多い。当方とてその一員である。だから、旧来何もイベントが無かった10月と11月に新しいイベントを導入したことは商業においては好影響である部分が多い。しかし、一方でデメリットもあるといえ、特にブラックフライデーの場合は目玉が「値引き販売」である点に置いて、消耗品以外の商材の場合、12月のクリスマスセールや年末売り出し、1月の正月バーゲンなどの需要を先食いしているという性格も色濃い。その辺りはブラックフライデー導入のデメリットになっているだろう。

まあ、そんなわけで関西においては今後もブラックフライデーは認知度の高さに比べると期待したほどには物が売れない微妙な販促イベントという存在であり続けるのではないかと思う。

 

 

この記事をSNSでシェア
 comment
  • 細野 より: 2024/11/23(土) 12:28 PM

    そういえば、プレミアムフライデーなんてのもありましたが、無くなってしまいましたね。ブラックフライデーってそんなに認知度高いでしょうかね。家族や友人との話題に上がったことがないです。

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ