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南充浩 オフィシャルブログ

「デジタル後片付け」のトラブルが今後は急増してしまうだろう

2024年11月21日 ファッションテック 0

先日、SNS上で無印良品の自動レジの中で現金のみという台を揶揄している某インフルエンサーを見かけたが、揶揄する意味が当方には理解できない。

スーパーや百均の自動レジ台には「キャッシュレス専用機」という台がある。キャッシュレス専用機があるのだから現金専用台があったとて何の問題も無いだろう。

逆にイキリインフルエンサーはなぜそんなにキャッシュレスに固執するのか甚だ理解に苦しむ。

 

当方は、買い物は現金かクレジットカードかの2択である。ナンタラペイは何一つとして使わない。一応、Yahoo!ショッピング内はペイペイポイントが貯まるように設定しているが、貯まっているポイントは何十円レベルで、それもYahoo!ショッピングでたまに買い物をしたときの端数支払いに充てる程度である。

流行りのサブスクも現在、無料でAmazonプライムを契約した以外は何もない。

鈴木亮平主演の「シティーハンター」を視聴するためにネットフリックスを1か月だけ790円で契約したが見終わったので1か月後に解約した。790円というと映画館で映画を1本観るよりも安いからである。

現在の生活に不自由を何一つ感じていないので、今後もナンタラペイは使わないし、サブスクも一切契約する気がない。

Amazonプライムも1年間の契約が終われば、サブスクを継続する気が無い。

 

 

 

父が亡くなって4年半になり、当方の親族間では葬儀は一服している。とは言っても、父方の伯父も80歳を超えたし、母方の叔父も後期高齢者に突入したので、また近々葬儀ラッシュが訪れることは自明の理である。コロナ禍が始まってからお会いできなくなったうちに、23年と24年で知り合いの業界人が3人も亡くなっていた。一人は当方よりも10歳年長のOEM会社の社長、もう一人は当方よりも1つか2つ上の元子供服アパレル社員、もう一人は当方よりも10歳くらい下の産地企業社長である。

ざっくりと60代前半、50代半ば、40代半ばというお三方である。

当方もいつ死んでもおかしくないと痛感してしまった次第である。

 

 

で、亡父の死後にいろいろと後片付けをやったわけだが、一応はすべて終わった。いわゆる通常の手続きで全て終わる事案ばかりだったので、手間と時間はかかったが、どうしようもないという事件も起きなかった。携帯電話の解約もスムーズに終えた。

以前から何度も書いているように亡父はクレジットカードさえ持っておらず、携帯電話も通話のみしか使えないという人間だったので、その点は非常に楽でありがたかった。

しかし、当方も含めたこれから死ぬ世代、もっと将来死ぬ世代の後片付けはかなり厄介ではないかと思っている。現に、当方のSNSには本人が亡くなってそのまま放置されたアカウントがかなり存在している。

SNSを消してもらうという作業はこれから必須になるが、SNSアカウントの放置自体はさほど実害がない。そこに支払いが発生するわけでもない。

だが、有料会員制カードとかサブスクサービスなんかは解約しないと支払い義務は無限に続くことになってしまう。

 

 

最近、デジタル犯罪の伸長のせいか、やたらと各サイトサービスのセキュリティが強化されており、指紋認証やらパスワードの二重設定やらほとほとめんどくさい。

そのため、当方はサブスクどころか新しいネットサービスの会員に登録することすらしたくない。なるべく今登録しているものだけで生活したいし、何なら登録数を今後は終活として減らしていきたいほどである。

そこそこに若い知人(とは言っても40代~60代ではあるが)が亡くなったときに、ネットサービスやらサブスクサービスの解約という後片付けは相当にめんどくさかったのではないだろうかと想像をたくましくしている。

 

実際にこんな記事が掲載された。

故人が契約したサブスクが解約困難! 「デジタル終活」の留意点とは? | 通販通信ECMO

スマホやパソコンでオンラインサービスを契約していた利用者が死亡し、その遺族が解約できずに困っているという相談が寄せられていることから、国民生活センターは11月20日、「デジタル終活」の留意点について情報提供した。

50代女性の相談事例を見ると、弟が亡くなり、生前中に「コード決済サービスに数万円入金したが使っていない」と聞いていたため、女性は相続手続きについてカスタマーサポートに電話で聞き、必要な戸籍謄本や住民票を送付した。しかし、1カ月経過しても残高の回答さえもないという。

80代女性からは、配偶者が亡くなり、携帯電話を解約したが、クレジットカードの利用明細書に不明な請求があり、すぐに解約ができないという相談が寄せられた。女性はカード会社から「スマホのセキュリティのサブスクではないか」と聞き、サブスク事業者に問い合わせたところ、「IDとパスワードがわからなければ、すぐには解約できない」と言われた。

とある。いずれもありがちな事案である。使っている本人でさえIDとパスワードを忘れてしまってイライラすることが珍しくないのだから(笑)。

同センターによると、故人のスマホ・パソコンのパスワードを知らないと、第三者がロックを解除することは困難で、デジタル遺品の確認も難しくなる。また、故人がサブスク契約をしていた場合は、契約者が死亡したとしても、相続人の遺族などが解約手続きを行う必要がある。

このため、生前中に、スマホ・パソコンのロックを解除するパスワードを遺族が確認できるようにしておくことや、サブスク契約などについてはサービス名・ID・パスワードを整理しておくことをアドバイスしている。

とのことであり、当方も終活としてノートに書き記したり、プリントアウトしておかなければならないと思っている。

 

イキリインフルエンサーやIT系はキャッシュレス化やサブスクサービスを含めたデジタル化をやたらと勧めているが、その反動で10年以内にはデジタル後片付けのトラブルが急増することが容易に想像できてしまう。なので、終活に突入した当方としては新規のネット会員にはなるべくならず、サブスクは契約せずに暮らして終末を迎えようと思っている次第である。

 

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