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南充浩 オフィシャルブログ

吸水速乾ポリエステルで作られたタオルが急速に需要を伸ばしているという話

2024年10月24日 商品比較 0

自分で洗濯機を回して、干して取り入れているという生活をもう10何年続けている。

洗濯のペースは週に2回である。ずっと洗濯をしているとすごく気になることがある。

洗濯した服が速く乾くかどうか、である。

 

もちろん、季節によって気温も日照時間も異なるので一様ではない。真夏ならものの1時間で乾くし、真冬の低気温なら半日くらい干さねばならないから、いつ干していつ取り入れるかということは非常に気になりながら生活を過ごしている。

そんな真冬にはなるべく、分厚い綿100%生地で作られた服は洗濯したくないのである。半日で乾けば儲けもので下手をするともっと時間がかかることもある。

しかし、分厚い綿100%素材服は気温が低下した時期に着ることが多いので洗濯するタイミングを見計らう必要が出てきて非常にめんどくさい。

手持ちの洋服で具体的に言うと、綿100%定番デニム生地(13~14オンス)ジーンズと厚手裏毛スエットパーカである。スエットパーカは特にフード部分がなかなか乾かない。

この2つの服は生地が分厚いので暑い時期には着用できないので、必然的に晩秋から真冬、早春にかけての着用が増えるが、着用が増えるということは洗濯が必要になり、寒い時期に洗濯をすることになる。そしてなかなか乾かないので、イライラするというわけである。

 

 

一方、生地の厚さはほぼ同じぐらいだが、例えばポリエステル100%のダンボールニットパーカだと半日もかからずに真冬でも乾く。

ポリエステルが何十%か混じった厚手デニム生地のジーンズも幾分速く乾く。

そうなると、ポリエステルやナイロン、アクリルといった合成繊維生地で製造された服の方が、当方の生活環境としてはありがたい存在となり、いくら「〇〇綿をナンタラカンタラした製法で作りました」と言われても、その価値は理解できるが、買いたいとは思わないわけである。

もちろん、真夏は以前から書いているように合繊の吸水速乾生地で作られたTシャツ、ポロシャツ一択である。

となると、当方としては本来過ごしやすい気温とされる春と秋以外は分厚い綿100%生地の服は着用しないということになるが、ご存知の通り春と秋は年々短くなっており、夏が長くなり、短い秋を挟んで3カ月間冬が来るというのが大阪の四季である。

必然的に購入する服、着用する服も合繊物、合繊高混率物ばかりになる。

 

 

そんな中、今年に入ってから吸水速乾ポリエステル100%のフェイスタオルを買った。アーバンリサーチのネットストアで買ったのだが、目的は送料無料にするための値段合わせだった。5000円以上で送料無料なのだが、ちょうど990円くらいに値下げされていたのでポチった次第である。

通常の綿100%のパイル生地タオルに比べると吸水性はイマイチ劣る気がするが、乾燥するのは格段に速い。恐らく20分くらいで乾いている。真夏だと10分くらいでほぼ乾燥する。

アーバンリサーチの通販サイトにはたしか「野外フェスなどで活用してください」みたいな意味の説明が書かれていたと記憶しているが、当方は真夏のクソ暑い時期に野外フェスなんか行くはずもないので、生地が薄いので出かける際にはハンカチ代わりにしてズボンの後ろポケットに入れている。

当初、ポリエステル100%のタオル(どちらかというと手ぬぐい?)にはちょっと懐疑的だったのだが、使ってみると洗濯が便利なのでかなりのヘビーローテーションで使用してしまっていた。

 

 

そんなわけで、最近は「吸水速乾ポリエステル100%のタオルとか吸水速乾ポリエステル高混率のタオルというのも今後市場で需要が増えるのではないか」なんてことをうっすらと考えていたのだが、先日、タオル業界で長いこと仕事をされている先輩にお会いしたところ、

 

「メディアではあまり話題になっていないが、このところタオル業界では急速にポリエステル混のタオルの売れ行きが伸びている」

 

という情報を教えていただいた。

 

タオル業界は専門外なのだが、門外漢がざっくりとこれまでの流れを振り返ると、つい数年前までは綿100%のフワフワ感のある分厚い無地タオルが業界のトレンドとして君臨していた。これがだいたい今治タオルがブランド化された2000年代半ばからの潮流である。

それ以前は、タオルというと有名ブランドのライセンス生産品がメインで、特に中元・歳暮の贈答用には有名ブランドのライセンスで生産した派手な柄をプリントしたタオルが重宝された。ただ、実際に使用されていたかどうかは不明で、中元・歳暮で贈ったりもらったりしているだけの可能性もある。この時期に普段顔拭きに使用するタオルは白無地でペラペラのものが主流だった。

このフワフワ感のある厚手無地タオルの流れから生まれたのが、綿100%のフワフワでありながら通常品よりも速く乾くという糸「スーパーゼロ」を使った「エアーかおる」である。

ただ、エアーかおるも誕生してから10年以上が経過しており、すっかりと陳腐になってしまっていた。

 

そうした中、吸水速乾ポリエステルのタオルの需要が数年前からジワジワと伸びてきており、今年に入って製造段階では激増しているとのことである。

この先輩によると、吸水タオルという切り口だと「エアーかおるでギリギリ合格」という状況なので、吸水速乾タオルの需要がさらに伸びれば通常の綿タオルはあっという間に駆逐されてしまう可能性があるだろう。

吸水速乾タオルのメリットは洗濯だけではなく、ズボンの後ろポケットに入れておいても乾く点にもあって、トイレなどで洗った手を拭いてから後ろポケットに入れておいても1時間くらいで完全に乾く。これが綿のハンドタオルなら半日後でも湿ったままである。

また、洗面所で使ったとしても顔を拭いた後に掛けておけば30分もせずに乾燥するだろうが、通常のタオルだと何時間も湿ったままである。

 

これらのことを勘案すると、当方は今後、吸水速乾タオルを重点的に買い集めて通常の綿タオルと入れ替えることになるだろう。

当方の嗜好が必ず的中するわけではないだろうが、それでも当方は今後、マス層のタオルも綿100%ではなくポリエステル100%とかポリエステル高混率の速乾タオルへとガラっと置き換わるのではないかと見ている。

そうなると、従来型のタオル産地は壊滅的な打撃を被ると推測されるので、今から対策を練っておいた方が良いと思うのだが。

 

 

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