
JR大阪駅周辺以外のエリアが没落する大阪梅田地区
2024年9月30日 売り場探訪 1
先日、9月6日にJR大阪駅北側に「グラングリーン大阪」が先行オープンした。またそれに先駆けて、大阪駅の西口近くにキッテもオープンした。
この2つの施設の概要を見ていると、アパレルは少なく(もともとキッテはそういう性格の施設)、飲食や雑貨がメインだといえ、いかに施設側がアパレルでは集客できないと見ているかを証明できるのではないかと思う。
それはさておき、JR大阪駅周辺は商業施設が過密状態にあったにもかかわらずさらに新規施設が連続開業したが、その一方で、没落している大阪キタエリアもある。
以前にもご紹介したが、西梅田のブリーゼブリーゼ、イーマ、ハービスエントなんかはガラガラである。特にアパレル店舗の撤退が酷い。
飲食店やカフェはそれなりに営業が続いているが、現在の状況だと近隣の大阪駅前ビル(第1~第4)の地下にある低価格居酒屋群の方が集客が多いほどである。
話題になることが多かった西梅田に対して、あまり話題にならないながらも確実に商業施設や店舗が減少し続けているのが茶屋町である。
先日、茶屋町のシンボル的存在だった梅田ロフトが移転のための閉店を発表した。ご存知の方も多いだろう。
24年9月2025年春梅田ロフト移転第一弾リリース (loft.co.jp)
株式会社ロフト(東京都渋谷区/代表取締役社長 安藤公基)は、梅田ロフト(大阪府大阪市北区茶屋町)の契約満了に伴い、2025年春に営業を終了し、大阪キタエリア内での移転オープンを予定しています。
1987 年ロフト1号店である渋谷ロフト開店後、1990年4月、梅田ロフトは、雑貨専門業態館として、関西のフラッグシップの位置づけにてオープンし、34 年間にわたり、茶屋町のマーケットに支えられて参りました。このたび、2025 年春に、現梅田ロフトを営業終了し、同キタエリア内にて移転し、「新生・梅田ロフト」としてリスタートを予定しています。
とある。
誤解をされている方は少ないとは思うが、単なる閉店ではなく、梅田エリアの他の地域に移転するということだが、移転先はまだ明かされていない。
そして、この梅田ロフトの前に発表されたのが、同じエリアのヌー茶屋町のリニューアルプランで、目玉テナントとして「アニメイト」が入店することが決まっている。
これはこのブログでも以前にご紹介した。その際、ヌー茶屋町のフロアガイドを確認したが、現在は各フロアとも閉店区域が多く、ブリーゼブリーゼやイーマに勝るとも劣らない都会の廃墟ぶりとなっている。
90年代は「梅田の新しいおしゃれスポット」みたいな感じの扱いだったが、2000年代後半からとみに茶屋町は存在感を無くしてきた。
ヌー茶屋町プラスの開業が最後の大型開発だったのではないかと思う。
梅田界隈に住んでいる人たちによると「茶屋町は決して不便な立地ではない」ということが多いのだが、梅田に住んでおらず特にJR沿線で生活していると茶屋町へ行くのは不便だと感じ、当方なども何年かに1度しか行かないエリアになってしまっている。
地図を見てもらえば理由は一目瞭然で、阪急梅田駅の向こう側が茶屋町エリアになるのだが、電車移動の人からすると阪急沿線の人と、地下鉄谷町線の東梅田駅を利用する人以外は、かなり遠くに感じる。JR、地下鉄御堂筋線、地下鉄四つ橋線の利用者からすると、茶屋町に行くのは遠い。
そして、JR大阪駅周辺でほとんどの買い物が済んでしまうことも大きな原因になっている。ルクア、ルクアイーレ、ヨドバシカメラ、グランフロント大阪、大丸梅田店、阪急うめだ本店、阪神百貨店、そしてHEPファイブ、ユニクロ大阪と揃っていて、わざわざ茶屋町に行かねばならないという理由が何一つない。
そのため、どんどんと茶屋町の有力施設は没落したり閉店したりしていて、ついに梅田ロフトも移転せざるを得なくなった。
現在の茶屋町界隈の廃墟ぶりをレポートした動画があるのでご覧いただきたい。
茶屋町からはスニーカーのSTEPも消え、大型ゲームセンターも消えた。ヌー茶屋町・茶屋町プラスはテナントがガラガラになっている。
梅田ロフトが移転してしまうと、主な施設はMBS毎日放送のビルくらいになってしまう。
あとはヌー茶屋町がアニメイト導入後のリニューアルでどれだけ集客し続けられるかが課題になるだろう。
ただ、個人的にはリニューアル後もヌー茶屋町はそれほど集客し続けられないのではないかと考えている。アニメイトやタワーレコードへの目的客は集客できるだろうが、それ以外の客は難しいだろう。そしてアニメイトとタワーレコード目当ての客をターゲットとした飲食店くらいしか生き残れないのではないだろうか。
阪急梅田駅の道路を挟んだ対面にHEPファイブとユニクロ大阪、ESTワンなどが並んでいるが、茶屋町はその向こう側なので、この3つの施設で客の流れは必ず堰き止められてしまう。
今後、梅田エリアの集客はJR大阪駅北側と、大丸・阪急・阪神までの南側、HEP、ESTまでの東側に限定されてしまうだろう。オープンしたばかりの西側のキッテも賑わいはそんなに長続きせず、飲食店と郵便局が集客できるだけの施設に落ち着くのではないだろうか。
西梅田のブリーゼブリーゼ、イーマ、ハービスエントの凋落が止まらないように、茶屋町エリアの凋落も止まらないだろう。
まさか 駅前があんなに発展するとおもっていなかったのでしょうかね
茶屋町といえば地上げ屋という印象ですが その後が閑散とするとはなんとも淋しい話ですね