
それぞれの材料に問題がなくても服になったときにはそうじゃないかもしれない、という話。
2024年9月9日 考察 0
みなさんこんにちは!
USです。
今回のタイトルはめちゃくちゃ長いですがブログの文章は長くないので最後までお付き合いください(笑)
さて、洋服のサプライチェーンは恐らく皆さまが想像するよりも多岐に渡り、結構長いものです。
主材料の生地は原料の生産、その原料を糸にし、生地を作る。そしてできた生地を染めたり(糸の段階で染める場合も)、プリントしたりして生地は完成します。また、糸や生地を染めたり、プリントしたりするためには染料も必要となり、その染料にももちろん原料があり、製造工程があります。
生地が完成したあとは皆さまも想像して頂けやすいと思いますが、生地の裁断→縫製という流れになりますが、縫製する際にもボタン・縫い糸・ファスナー・芯地などが必要になりますが、そのボタン・縫い糸・ファスナー・芯地等にもそれぞれの原料があり、染色したり、成型したりする製造工程がそれぞれがあります。
前置きが長くなりましたが洋服を一つ作るのにも様々な工程・材料が組み合わさって一つの物が完成します。
工業品である以上、それぞれの材料には品質基準や検品基準というものがあり、それを満たした物のみ次の製造工程へと進み、最終的に市場に出てきているはずです。
通常はそれらを組み合わせ作っている洋服は問題がない物ができるはず!と考えてしまいがちですが残念ながらそうではないこともあります。
これは洋服に限らない話で、例えば料理の組み合わせにおいても、一つ一つの食材や調味料がどんなに素晴らしい物であっても、食材同士の組み合わせが悪かったり、食材と調味料の合わせ方や調理方法が悪かったりすれば美味しくない物ができてしまいます。
洋服の場合でいうと例えば、表地ナイロン・裏地ポリエステルの洋服があったとします。それぞれ染色堅牢度・寸法変化率・物性などすべて品質基準をクリアしたものであったとしても、この組み合わせでは特に冬場は静電気が発生しやすくなり、着用していると静電気が発生することで裏地と表地がまとわりつくような現象が発生してしまう場合があります。
それぞれの材料の良し悪しを吟味することは重要なことですが、このようなデメリットの発現を回避するには過去の多くの経験や知識の蓄積が重要になります。ですから製造依頼する際には多くの知識や経験、実績がある業者に製造を依頼した方が良いでしょう。
しかし、百聞は一見に如かずという言葉もありますが、最終の完成形がどういうものか?ということを確認することが重要です。
できれば完成したサンプルなどで着用テストや製品の洗濯を実施することが望ましいのです。しかし、企画→生産→販売までの期間が非常にタイトであることが望まれる現在の状況ではそこまでチェックをしている時間がないという現実もあります。
流行りや気温の高低で売れる物が大きく変化するアパレルでは注文したものをクイックに売り場に並べることは非常に重要なことです。
しかし、昨今の販売責任やメーカーの製造責任に関するニュースを見ていると、アパレルも販売業者として最終形態の製品に対して、自社の販売基準を満たしているか、その製品は自信を持って消費者に販売するこができるものか、という一定のチェックを行うことが必要でないかと日々感じています。
以上USでした!
また来月も宜しくお願い致します。