
夏物衣料品のバーゲンセールは盛り上がりにくいと考える理由
2024年8月30日 売り場探訪 2
8月も終わり、9月になるのだが、恐らく9月も夏服を着ている人がほとんどだろうと思う。
長期天気予報では9月の日中最高気温は30度を越えている(正確には31~34度で推移)するため、当方は確実に半袖で過ごすことになる。
そんなわけで、当方からすると、1か月半以上(恐らく10月下旬まで)着られるので、さほどデザインに変化が無い半袖Tシャツや半袖ポロシャツは今値下げ処分品を買っても全く損ではないと思っている。今年も2カ月弱着られる上に来年も着られるのだから。
それはさておき。
その一方で、各地の百貨店やファッションビルを中心に今夏はセール処分品よりもプロパー品の販売が好調だったという報道が多く見られた。
一例を挙げると
《改めてセールを考える》阪急うめだ本店婦人服、夏のMD見直し 7月もプロパー売れる | 繊研新聞 (senken.co.jp)
阪急うめだ本店の婦人服部門の夏のMD見直しが成果を上げている。夏物プロパー企画を追加し、婦人服の今夏のセールを7月19日開始(全館は6月28日、7月19日の二段階)にした。セールを前年の7月1日から大幅に後ろ倒ししたなか、7月の婦人服売上高は前年同月比10%増と伸ばした。プロパー売上高が同25%増となり、構成比19%に低下したセール売上高をカバーした。8月も、プロパー、セール売上高とも2ケタ増で推移している。
とのことである。
もちろん、売り場やブランドの努力を評価すべきだろう。
また、消費者の購買意欲もだいぶと変化しつつあることも見逃せない。さらにいうと、高温傾向による真夏日の長期化という要素も大いに左右しているだろう。
当方のような底辺民は真夏日の長期化を夏物の最終処分品で過ごすことを考えているが、今、夏物プロパーを購入する人も原理は同じで「今、夏物プロパーを買ってもあと2カ月弱~1ヶ月半くらいは着られるから、もったいなくない」と考えているのではないだろうか。
このブログでは何度も触れているが、当方基準だと半年間は夏服で過ごす。寒がりな女性ですら恐らくは4カ月間くらいは夏服で過ごしていると考えられ(女性の生態はよくわからん)、男女ともに夏服を着る期間が年間で最長になっていると考えられる。
そのため、夏物プロパーを強化するという考え方はビジネス的にも理にかなっている。
また、今夏のセールへの比重が軽度だったのは、マーチャンダイジング(MD)の精度を各ブランドが高めたという理由も考えられるだろう。
ご存知のように値下げセールというのは、基本的には売れ残り品を処分するために行う。その処分品が少なかったということは、定価で売れるような商品展開計画の精度が高まったと考えられる。
実際、各社のMDは2010年代と比べても相当に研究を深めているケースが多い。(全社が深まっているわけではないが)
そうなると、売れ残り品が少なくなったので、値下げ品も減ったということになる。
そして、これらの施策が的中しやすくなった理由としては、あくまでも個人的な意見だが「夏服はバリエーションが少なく、かつ元々定価が高くない」ということも当てはまるのではないかと思っている。
当方は、メンズの夏服は本当に面白味がないとかねてから思っていた。トップスでいうと半袖Tシャツ、半袖ポロシャツ、半袖シャツくらいしか商品が無い。もちろん、色・柄・プリントは様々あるが、そんな物は小手先の違いであって、大きくは変わらない。黒、白、グレー、紺、ベージュくらいがマストで、あとはそこに1色か2色目立つ色を差し込むか、目立つ柄を差し込むか程度である。
もちろん、奇抜なデザイン物もデザイナーズブランドにはあるが、普通の人間にとっては着こなしが難しい物が多く、なかなか買おうとは思わない。しかも高値で。
そして、おまけにベーシックなメンズ夏服は定価もさほど高くない物が多い。ラグジュアリーブランドとかスーパーブランドを愛用しているなら別だが、通常のファッションビルブランドなら、高くても5000円内外で1アイテム買えるだろう。
そうなると、わざわざ夏のセールに駆け付けなくてはならない理由は薄まる。
すでに20年くらい前から冬のセールに比べると夏のセールの集客力は落ちていた。
これでも若い頃は熱心にファッションビル・百貨店の夏と冬のセールに通っていた。たまに有給休暇を取って、開店前に並んだこともあった。90年代後半から2000年代半ばのことなので今から20年前である。
不況と言われる現在でも正月と重なる冬のバーゲンはかなりの混雑ぶりだが、この当時の冬のバーゲンセールの混雑ぶりは今と同等かそれ以上だった。
一方、7月上旬にスタートする夏のバーゲンセールではスタート日が土曜か日曜ならそこそこ混んでいるが、それでも冬のバーゲンの足元にも及ばなかったし、平日スタートなら開店前に並んでいる人間なんて当方を含めて数人程度だった。
このようにメンズに関しては20年前から夏のバーゲンセールに関してはイマイチ盛り上がらなかった。特に2000年代に突入してからは勢いがさらに落ちた。レディースはメンズよりも盛り上がってはいたが、それでも冬のバーゲンに比べると3割引きくらいで混雑は緩和されているように感じた。
そして、すでにこの当時から値ごろ感のある価格(激安品ではなく)で夏物プロパー品を投入すればそこそこ売れると言われていた。
このように見てみると、夏のバーゲンセールの比重が年々低下しているのは、当然の流れといえるだろう。
恐らく、25年正月の冬のバーゲンセールでも各社はプロパー比率を高める施策を取ってきてそれなりの成果をあげるだろうが、夏服ほどの成果にはならないだろうと見ている。
ダウンジャケットやウールコートなどの防寒アウター類はやはり定価が高いから、バーゲンで値下げされた物への需要はそれなりに高止まりするだろう。
ただ、夏服に関しては、今後もバーゲンセールの存在感は低まる一方ではないかと思う。
comment
-
-
ミナミミツヒロ的けち生活者 より: 2024/08/30(金) 5:32 PM
・高機能化繊メリヤスの大普及
・春秋完全消滅、夏物の4-9月着用化
・全般的な低価格化若年層の腐女子でない女子を除くw
全国民が上記3点の流れに沿って消費内容を
変えたわけだから、そら大変ですわないや~働き盛りで無くて良かった良かった
こういう状況下で、給料40万貰ってるとか
これから給料増えると思っていたら
怖すぎますそーいや服なんて、このトシになると
下着類買い足すぐらいで足るから
年3万はおろか、化繊下着の買い物上手w
になると、年1万程度に収まっています
そもそもが安い服が多い現在ですから セールといっても飛びつきませんよね
さて 1500円のTシャツが500円になっていないか
上本町ゆふらでもいきましょうかね