
Tシャツの上からテイラードジャケットを羽織ることに強い抵抗を感じる個人的な理由
2024年8月28日 トレンド 4
先日、もう20年来の昔馴染みの業界団体の方に久しぶりにお会いした。
年齢的にはだいたい同世代なので、お互いに業界の若造のころからの顔見知りである。
で、その方がおもむろに
「今の若い奴(50歳ジャストくらいまでを指すと思われる)はTシャツの上からスーツのジャケットを羽織るが洗濯はどうしてるのか心配になる」
とおっしゃった。あくまでも雑談をしていたわけである。
実はこれは当方も同様の疑問を以前から抱いていた。
今回は単に疑問を投げかけるだけである。もし、教えてやっても構わないという親切な方がおられたらぜひ教えていただきたい。
コロナ禍によるリモートワークの浸透によって、クールビズ以降のビジネススタイルのカジュアル化はさらに一層進んだ。一旦動いた物を元の位置に戻すことはなかなかに難しい。場合によっては不可能なことも珍しくない。
現在ではそこそこお堅いイメージの会社でもTシャツにスーツという姿も決して珍しくないし、年配層もそれで不快感を示すことはだいぶと無くなったと感じる。
実際にそこそこかしこまった会見でもそんなスタイルの男性が登場することも珍しくないし、報道番組や対談番組でもそんな服装の男性も珍しくない。
見ている分においては当方も全く違和感は無いのだが、いつも当方は「この人たちはジャケットの洗濯はどうしているのだろうか?」とそればかりが気になっていた。
スーツと言っても素材は今や多種多様で千差万別である。また縫製も古式ゆかしい伝統的スーツの縫製もあれば、かなり簡素化された縫製仕様の商品もある。
リモートワークの普及によってパジャマスーツやアクティブワークスーツという超簡素化されたカジュアルスーツが需要を伸ばして、着用者数も大幅に増えた。
これらの商品はポリエステルやナイロンといった合成繊維100%の生地を使用されているばかりでなく、縫製仕様も簡素化されており、シャツジャケットに近いような仕様である。
これらの合繊カジュアルスーツの場合、洗濯機での洗濯が可能である。
当方も時々ネットに入れてから洗濯機にぶち込んで洗濯をする。洗濯によって大きく何かが損なわれたということはない。
また従来型に近しいスーツでも青山商事やAOKIなどからは洗濯可能という商品も少なからず発売されている。
冒頭に戻ると、これらの商品をTシャツの上から羽織るということに関しては当方は何の心配もしていない。何回か着用した後にネットに入れて洗濯機にぶち込めばそれで済む。
首の後ろ部分の皮脂汚れが気になる人はその部分に食器用液体洗剤(ジョイなど)を塗ってから洗濯機に放り込めば確実に皮脂は落ちる。
食器用液体洗剤は油汚れ・脂汚れを強力に落とすから、皮脂も強力に落とすというわけである。当方も何度シャツの襟首に食器用液体洗剤を塗りたくって洗濯機に放り込んだかわからないほどである。
だから、明らかに合繊カジュアルスーツとわかる商品に対しては全く心配していない。上に述べたような手順に沿って洗濯をしているはずである。
当方たちが心配しているのは、明らかにウール素材のスーツである。マシンウォッシャブルなどの特殊加工を施していないウール素材は洗濯機で洗濯することは非常に危険であるから避けた方が良い。
それはほぼ一般常識だろうと思っている。
ウール素材のスーツ、特に従来型の縫製で仕立てられたウール生地スーツは最終的にはクリーニング店に出すほかない。ただ、当方はクリーニングに出すのが酷く億劫に感じる。
まず、持って行かねばならない。そして引き取りに行かねばならない。
これだけでめんどくせえなと感じてしまう。
さらにいうと、当たり前だがクリーニング料金が発生するから、頻繁に出すことは躊躇してしまう。そんなわけで当方としてはすべての衣料品は極力洗濯機の洗濯で済ませたい。
また、綿素材や麻素材の従来型スーツもTシャツの上に羽織ることは心配してしまう。ウールよりははるかに洗濯しやすいとはいえ、型崩れも心配だし、今度は綿や麻がシワくちゃになるので、それをアイロンで伸ばす技術は素人にはなかなか難しい。
しかも、襟首の汚れはウールよりも付きやすい。
当方ならこれもクリーニング店に持って行くほかない。あと、当方はジージャンのような綿ブルゾンもTシャツの上に直接着るということは極力避ける。ジージャンなどの綿ブルゾンも襟首に汚れが付きやすいし、おまけに洗濯をするとなかなか乾きにくい。
当方はいつもスーツのジャケットもジージャンも必ずパーカやタートルネック、ハイネックカットソーの上から羽織るようにしている。もしくは普通のシャツを着てその上から羽織るかである。
そうすると、ジャケットやジージャンの襟首は汚れず、パーカやハイネックカットソー、シャツを洗濯すれば済むからである。
男性に限らず女性でもTシャツやカットソーの上からテイラードタイプのジャケットを羽織る人は多い。明らかに合繊カジュアルセットアップではない場合、洗濯やクリーニングはどうなさっておられるのだろうか?他人の洗濯生活を間近で眺めることが無いから、疑問は募るばかりだ。
そして、今回、当方と同じ疑問を持っている人が身近にいるということが知れたというわけである。
comment
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999 より: 2024/08/28(水) 1:24 PM
ちなみにガチテーラードジャケットにTシャツを合わせる人は、ジャケットの襟裏が皮脂で汚れるということを知らないんですよ。故にそれが相手に不快感(皮脂汚れ蓄積による不潔感)を与えるかもしれないという想像が出来ないんです。
石田純一がやってるから、キムタクがやってるから、まこなり社長がやってるから、
所詮その程度というか、日本は洋服を着る文化歴史がまだ浅いので詳しい人とそうでない人の差があまりにも激しすぎるのかと。
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キムゴンウ より: 2024/08/29(木) 11:27 AM
一世風靡セピアに憧れてヘンリーシャツにJKをあわせて着たものです…
すぐに襟は汚れました 夏ですし首って汗のたまり場ですからね
だから 今普通に着られている TシャツとJKには憧憬とともに洗濯どうしてるのかしら?はありました。ウオッシャブルJKの着用なのでしょうが、あの素材感はとてもじゃないけど受け入れられないですね。まぁミドルシニアのJK問題なんて、誰も考えてないでしょうけどね。昔の詰襟にあった汚れ防止の取り付けカラーが復活したりして -
元メンズアパレル業界の端くれ より: 2024/08/30(金) 11:07 AM
最近はジャケットの襟汚れ気にする人向けに襟足高めのビジネスTシャツが販売されていたり、サイトによってはモックネックのカットソーを提案されているところもありますが、全員がそれを意識して着用・購入しているとはとても思えませんね。
南さんの着画さすがですね。腰ヒモと裾ロールアップとナイポリ系の素材感でこれが洗濯可能なカジュアルセットアップということが相手に伝わるし(洗濯可能という安心感が伝わる)、スニーカー・Tシャツの色合わせもネイビー系で関連付けてる、と。
革靴の素足履き(素足履き風)・スーツにリュック・Tシャツにテーラードジャケット・スーツなのに上下の色が違う・着物にローラースケートw
日本人が日常的に洋服を着るようになったのは第二次世界大戦後でまだ100年も経っていないんですよね。日本人はまだ洋服の事を知らないと認めざるを得ません(私もですが)