11月は関西を含む西日本で平年並みに冷え込むという長期予報
2024年8月23日 天候・気候 0
11月までの天候3カ月予報も発表になった。
9月・10月が全国的に高温傾向で残暑が例年通り厳しいというのは以前にも書いた。
問題は11月がどうなるかである。
11月が冷え込むと防寒類のプロパーまたはプロパーに近い値段での売れ行きが格段に伸びる。
そんなわけで、11月までの天候3カ月予報を見てみよう。
3か月予報 秋の訪れは遅く 10月まで残暑長引く 秋雨・台風シーズンに大雨注意(気象予報士 石榑 亜紀子 2024年08月20日) – 日本気象協会 tenki.jp
気温は、9月から10月にかけて全国的に「平年より高い」予想となっています。
特に、西日本や東日本は、9月になっても真夏日や猛暑日、熱帯夜の観測される所がありそうです。10月に入ると、朝晩は幾分しのぎやすくなりますが、日中はまだ半袖で過ごせる日が多く、残暑が長引くでしょう。炎天下での活動などは油断せずに熱中症の対策を心がけてください。
とのことである。
今年も暑い10月を迎えることはほぼ確定しており、恐らく下旬まで、下手をすると10月31日まで半袖で暮らすことになるかもしれない。
秋服商戦は芳しくないと推測できる。
さて、問題の11月である。
ただ、11月には、沖縄・奄美、西日本は平年並みの気温となるでしょう。東日本、北日本は平年並みか平年よりも高い気温となる見込みです。
秋の訪れは遅い傾向となりそうですが、11月に入ると、急に秋風が涼しく感じられたり、上着が必要なくらい肌寒く感じられたりする日が増えるでしょう。
とのことで、図を引用して貼り付けるので、見てもらえればわかるが、近畿地方とそれより西では「気温は平年並み」となっており、東海地方とそれより東は「高気温」となっている。
恐らく、当方が住んでいる近畿地方では昨年、一昨年に比べると気温の低い11月となりそうで、この発表の文言が実現するなら冷え込む日も出てきそうである。
逆に東海地方から東は昨年ほどではないにしろ、暖かい11月を迎えるのではないかと予想される。
11月の降水量は全国的に平年並みなので恐らくはそんなに雨が降らないのではないかと思われる。例年11月の降水量はそんなに多くない。
むしろ、9月・10月は降水量が多く、台風の発生も多いと予想されているから、9月・10月は残暑もさることながら、台風や大雨による営業停止などの機会損失を念頭に置いておく方が良いだろう。
台風といえば、すでに台風10号が発生しており、8月27日・28日には関東から四国の間を直撃するという予報が出ており、9月・10月の台風の多さが今から推測できる。
今回の予報が的中すれば、関西から西では久しぶりにヒヤっとする11月ということになり、防寒着類の売れ行きもまずまずになるのではないかと思われる。
また、各社とも昨年の暖冬ならぬ暖秋で、10月、11月の秋物販売が不振だったので、売れ残り在庫を多数抱えていると思われるので、それを投げ売りできる絶好の機会にもなるだろう。
ディストリビューションが上手くできるのであれば、関西から西の地方に昨年秋物の在庫を集中させて売りさばくことも視野に入れてもよいのではないだろうか。
11月の降水量は全国的に平年並みとなりそうです。日本海側は曇りや雨の日が多くなり、季節風に伴って冷たい雨が降る、しぐれの季節に入るでしょう。
とのことなので、日本海側に昨年秋物の不良在庫を集中させるというのも処分方法の一つになるのではないか。
ちなみに「時雨(しぐれ)」は和歌でいうと冬の季語である。
衣料品というのは嗜好品でもあるが必需品でもある。特に暑さ・寒さを防ぐという絶対的な役割がある。そうなると、いくら「文化」「ファッション性」「最新トレンド」と言ったところで、暑ければ防寒は売れにくいし、寒ければ半袖は売れない。
中には暑くても汗を流しながら「文化」として分厚いコートを羽織るという方もおられるかもしれないが、マス層はそこまで我慢して服を着たいとは思っていない。
例えば、暖冬ても好調と伝えられるカナダグースでもそれなりに気温には準じた商品を提案している。暖冬で南極で過ごせるほど暖かいダウンジャケットなんていうのはよほどの物好きしか買わないからだ。
暖冬でも業績好調、ダウンジャケットが主軸の「カナダグース」が売れる理由とは? (fashionsnap.com)
なかでも、同社が近年特に力を入れて開発しているのが、ライトウェイトのダウンジャケットだ。従来は例年9〜10月ごろからヘビーウェイトのダウンジャケットが動いていたものの、近年は暖冬の影響によりライトウェイトの需要が拡大。
とある。
当方もそうだが、いくら暖冬と言っても朝晩はそれなりに寒いし、曇っていれば日中もそれなりに寒い。そんなときは薄手ダウンが適している。逆に「厚手ダウン」を着用しなくてはならないほどの寒い日は本当に一冬のうちに片手で数えるほどしかない。
となると、薄手ダウンを発売するのが最も理にかなっている。カナダグースが暖冬でも好調なのはブランドイメージの確立に成功したことに加えて、看板である厚手ダウンに過剰にこだわらず、実需の薄手ダウンを開発したことによる。
そんなわけで、いくらブランドイメージが高かかろうが、気温に適応した商品を提供することの重要さを身をもって教えてくれているといえる。