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南充浩 オフィシャルブログ

8月後半は猛暑日は無くなるものの、朝晩の気温が下がりにくいという高温予報

2024年8月21日 天候・気候 0

さて、お盆も終わったのだが、この10年間くらいは毎年、お盆に猛暑のピークが来ているような気がする。

特に関西ではその傾向が強いように感じ、今年も母方の祖父母の墓参りに8月15日に出かけたのだが、最高気温は38度とか39度の予報で、恐らく実際の温度は40度を越えていたのではないかと感じた。まさしく異次元の暑さだった。

皆さんにとってはどうでも良い話だが、帰路の電車の中でチクチクと軽度の頭痛があったのは、もしかすると初めての熱中症になりかけていたのではないかと、今にして思っている。帰宅して冷房を点けて水を大量に飲んだら治ったのだが。

 

 

8月19日から雨が降ることが増え、猛暑日の連続は終わった。

そんな中、8月後半の天候情報が発表になった。

その発表を基にした解説動画によると、

〇基本的に全国的に高温注意が続く

ただし

〇「暑さの質が変わる」ことになり、最高気温が猛暑日となることはないが、 朝晩の最低気温が下がりにくいという高温になる

とのことである。

 

 

アプリの9月上旬までの天気予報を見ると、関西の猛暑日は明日の木曜日、明後日の金曜日で終わるようで、その後の最高気温は31~34度の日が続く。

暑いことには変わりはないが、実際に毎年体験してみると、35度未満と35度以上では体感の苦痛は全く異なる。35度未満の暑さはまだ耐えることができるが、35度以上は耐え難い苦痛になる。

その点では、土曜日以降日中の耐え難い猛暑はなくなるものの、朝晩は気温があまり下がらずに涼しくないという高温が続くということになる。

 

 

さて、当方の場合、比較的低温には強いので着用する服に関しては、最高気温に準拠する。オッサンには暑がりが多いので当方と同じ基準の方が多々おられるのではないかと思う。

しかし、一方で寒さに弱い確率が高い女性は、最低気温によって着用する服を決めることが多いと言われている。日中にどれほど高温になろうと、朝晩が寒ければ暖かい服装を選んでしまうというわけである。

女性とはもう11年も一緒に暮らしていないし、今後も暮らす予定が無いので、身近にそれを確認することはできないのだが、繁華街で見かける女性の服装から類推するとそういう人も決して少なくはなさそうだ。

というのも、日中の気温が30度弱になっているにもかかわらず、ガッシリした防寒アウターを着用していたり手に持っていたりする女性というのは少なからずいる。そしてそういう日の最低気温はだいたい低めで、春先なら10度強にまで低くなっていたりする。

 

 

そのような着用傾向の女性が少なくないということを考えると、朝晩の最低気温が下がりにくいというのは、業界にとってはレディース秋物が売れにくいということを意味する。

昔、新卒入社した衣料品販売店チェーンでは「お盆を過ぎたら昼間が暑くても長袖で出社していた」という中堅女性社員も多々おられたのだが、まあ、そんな着こなしは到底できないだろうというのが、今年8月後半の気温予報ということになる。

もっとも、複数メディアの報道によると、今夏は夏服を長めに引っ張るマーチャンダイジングを組んだアパレルが主流のようで、7月中旬や8月にさらに新作夏物を投入するという施策が功を奏していると伝えられているので、8月後半に予想される朝晩の高温もむしろ商況の追い風になりそうである。

子供の頃は日中の最高気温が32度くらいでも、夏休みも終わるころになると、朝晩はメッキリ涼しくなって虫の声が聞こえ始めて「秋も近いのだな」と感じられたが、そんな夏の終わりの風情は無くなってしまっているのが近年である。

 

 

とりあえずは10月までは高温予報が気象庁から発表されているが、以前にも書いたように11月がどれだけ冷えるかに防寒着類の定価販売がかかっている。

5月ごろにはエルニーニョ現象が終わって、ラニーニャ現象が始まりつつあると報道されたが、現在のところその効果は全く出ていない。「寒冬」の予報が出ているのだが、この「冬」が一体何月を指すのかは判然としない。仮に12月だと防寒着はかなり好調に年内に売れだし、年内で在庫切れになる可能性もある。

また、1月頭だと正月バーゲンでの防寒着の消化が高まるだろう。逆に1月中旬以降とか2月になってしまうと、春物の出足が不調ということになる可能性が高い。

個人的には年末大掃除をスムーズに進めるために、寒くなるのは1月以降にしてもらいたいと思っているが、そもそも「寒冬」の予報が当たるのかどうかも現時点ではわからない。

 

 

それにしてもこれまで散々、シーズンMDの変更が低減されてきたが、ほとんどのブランドは「長い夏」への対応が完了しつつある(7月中旬以降の新作夏物の投入増加など)。これによって業界のシーズンMDも夏服の期間が年間で半年前後にまで拡大されたことになる。着用者の方はとっくの昔に夏服を半年間着用する生活になっているが。

洋服を売るのは気温じゃないというが、寒くも無いのに南極探検にも耐えうるダウンジャケットとか、暑くもないのに吸水速乾半袖Tシャツとか、そんな物を買う人は極少数だから、変態マニア以外のマス層に売りたいのであれば、気温に準じた商品構成にすることは必然でしかない。

 

 

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